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不器用な人3
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レオンから銃を2丁を渡された。
「侯爵には、いつでも辺境伯を射殺する許可が出ています。私達より先に見つけた時は、よろしくお願いします。」
「解った。」
父に撃ち方を習った事はあるが、狙い撃ち出来るほどの腕はない。まぁ、気休め程度にはなるか。
「そうだ、今日から部屋に叫び声は聞こえなくなりますよ。」
「取り調べは終わったのか?」
「いえ、ルーナちゃんが取り調べに協力してくれたのは、侯爵が眠れるようにする為でしたから。愛されてますね。」
交換条件だったのか。
「ルーナが苦しむくらいなら、俺は寝れなくてもよかったけどな。」
「そうでしたか。気付かず申し訳ございません。」
絶対に悪いと思っていないだろ…。
この男は任務の為ならルーナを捨てるんじゃないだろうか。はっきり言って信用できない。
「これからルーナに何か頼む時は、先に俺に内容を報告しろ。話は終わりだ。部屋に戻る。」
「はい、お気をつけて。」
レオンが胡散臭い笑顔で俺達を見送った。
部屋へ向かっているとフレッドが腕を組んで何か考えている。
「どうした?」
「港での火事で…ちょっと悩んでて。」
「フレッドはあの事件現場を引き継いでるのか?」
「いいえ、俺は個人的に北の港の警備兵を調べてます。左遷された理由を調べてるんですが、資料が見つからなくて困ってます。」
「本人達から聞けば済むだろう。」
「口では何とでも言えますよ。俺は自分の目で確認出来るまで信じません。」
フレッドは1枚に10人の顔と名前の書かれた紙を俺とマイセンに渡した。
「警備はこの10人でローテーションされていました。その顔、覚えておいて損はないと思います。一応、父と兄とミランダにも渡してます。」
「警備が俺達を狙っても、何も得をしないと思うが…」
もし薬の売買を黙認していたなら、裏で金のやり取りがあったと予想はつくが、俺とルーナを殺した所で事実は隠せない。罪が重くなるだけだ。
「関係性がわからないから、用心する必要があるんですよ。もし俺があの場で確実に夫妻を殺すなら、付け火なんて方法は選びません。けど、一番の目的が証拠隠滅や時間稼ぎなら火を付けます。」
「確かに、兵士も警察も足止め出来るな。」
「何もないとは思いますが、思わぬ伏兵がいるかもしれません。気を付けてください。」
「ルーナにこの紙は渡さないのか?」
「はい。覚えられないと思うので。」
それは違いない。
「侯爵、本当にもとの部屋に戻るんですか?」
「叫び声が聞こえないなら、問題ない。」
「侯爵夫妻は愛情表現が下手くそですよね。お互い心配しあってるのに、それが相手に伝わってないんだから。」
「言うほどの事でもない。」
「侯爵は両親が亡くなった時、後悔しませんでしたか?」
「……」
父が出掛けたあの日、もっと話を聞けばよかった…と、それは今でも思うし、後悔しかない。
「俺は任務につけば死ぬ可能性の方が高いので、言いたい事は常に言うようにしてます。」
「良い事だな。」
「はい。あ、でも、普段何も言わない人がいつもと変わった行動をとるのは『不吉な兆し』なので、やっぱり言わないで下さい。」
何だそれは…。
「侯爵には、いつでも辺境伯を射殺する許可が出ています。私達より先に見つけた時は、よろしくお願いします。」
「解った。」
父に撃ち方を習った事はあるが、狙い撃ち出来るほどの腕はない。まぁ、気休め程度にはなるか。
「そうだ、今日から部屋に叫び声は聞こえなくなりますよ。」
「取り調べは終わったのか?」
「いえ、ルーナちゃんが取り調べに協力してくれたのは、侯爵が眠れるようにする為でしたから。愛されてますね。」
交換条件だったのか。
「ルーナが苦しむくらいなら、俺は寝れなくてもよかったけどな。」
「そうでしたか。気付かず申し訳ございません。」
絶対に悪いと思っていないだろ…。
この男は任務の為ならルーナを捨てるんじゃないだろうか。はっきり言って信用できない。
「これからルーナに何か頼む時は、先に俺に内容を報告しろ。話は終わりだ。部屋に戻る。」
「はい、お気をつけて。」
レオンが胡散臭い笑顔で俺達を見送った。
部屋へ向かっているとフレッドが腕を組んで何か考えている。
「どうした?」
「港での火事で…ちょっと悩んでて。」
「フレッドはあの事件現場を引き継いでるのか?」
「いいえ、俺は個人的に北の港の警備兵を調べてます。左遷された理由を調べてるんですが、資料が見つからなくて困ってます。」
「本人達から聞けば済むだろう。」
「口では何とでも言えますよ。俺は自分の目で確認出来るまで信じません。」
フレッドは1枚に10人の顔と名前の書かれた紙を俺とマイセンに渡した。
「警備はこの10人でローテーションされていました。その顔、覚えておいて損はないと思います。一応、父と兄とミランダにも渡してます。」
「警備が俺達を狙っても、何も得をしないと思うが…」
もし薬の売買を黙認していたなら、裏で金のやり取りがあったと予想はつくが、俺とルーナを殺した所で事実は隠せない。罪が重くなるだけだ。
「関係性がわからないから、用心する必要があるんですよ。もし俺があの場で確実に夫妻を殺すなら、付け火なんて方法は選びません。けど、一番の目的が証拠隠滅や時間稼ぎなら火を付けます。」
「確かに、兵士も警察も足止め出来るな。」
「何もないとは思いますが、思わぬ伏兵がいるかもしれません。気を付けてください。」
「ルーナにこの紙は渡さないのか?」
「はい。覚えられないと思うので。」
それは違いない。
「侯爵、本当にもとの部屋に戻るんですか?」
「叫び声が聞こえないなら、問題ない。」
「侯爵夫妻は愛情表現が下手くそですよね。お互い心配しあってるのに、それが相手に伝わってないんだから。」
「言うほどの事でもない。」
「侯爵は両親が亡くなった時、後悔しませんでしたか?」
「……」
父が出掛けたあの日、もっと話を聞けばよかった…と、それは今でも思うし、後悔しかない。
「俺は任務につけば死ぬ可能性の方が高いので、言いたい事は常に言うようにしてます。」
「良い事だな。」
「はい。あ、でも、普段何も言わない人がいつもと変わった行動をとるのは『不吉な兆し』なので、やっぱり言わないで下さい。」
何だそれは…。
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