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お茶会

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エリーゼに話を聞いてから3日がたった。

私はエミリーに頻繁に会いに行くけど、その度に泣かれてしまう。

「エミリー、いい子だから泣かないで。」
「ぅぎゃぁぁん!!」
「………」

もはや、泣いてると言うよりも泣き叫ぶの方が正しいわね。

日に日に悪化してるわ…。

諦めてベッドに寝かせると、エミリーはすぐに泣き止んだ。これは、暫く立ち直れない…。

私が出ていく日には笑ってくれるといいんだけどね。ここにいるのも後数日だし、諦めるしかないかな。

「カルラさん、お茶を飲んだらまた来るわ。」
「はい、ゆっくり休んでください。」
「ありがとう。」

部屋を出ていこうとすると、ちょうどトーマが入ってきた。

「今日はお休み?」
「いや、自宅で書類整理だ。ランスロット様と護衛長に渡す書類が大量にあるからな…。」

トーマが疲れた顔をしている。
演習場の食事の件だと思うけど、相当大変なのね。

「それよりルーナ、面倒な事になった。」
「これ以上面倒になりようがないと思うけど。」
「……それ以上なんだ。公爵夫妻に呼び出された。」

公爵の名前を出さないという事は、察しろという事よね。

「あの三本皺の公爵?」
「ああ。」
「……お断りは?」
「出来ない。」
「だよね。」

アーチャーが報告したのかしら。そうなると思っていたから驚きはしないけれど、ランスロット様のパーティーの前に動くとは思わなかったわ。

「大丈夫よ。私だって馬鹿じゃないもの。離縁ゴール直前に問題は起こさないわ。トーマも一緒なら、私は喋らなくても良いしね。」
「……」
「トーマ?何故黙るの?」
「……」
「まさか、また私1人で行くの?舞踏会の時のように…。」

トーマが小さく頷いた。

私、結婚してから呪われてるのかしら。

公爵夫妻ね…、2人はトーマと私の結婚の理由を知ってるんだし、当然その延長で辺境伯の話も出てくるわ。
この前の舞踏会での話の続きをさせるつもりね。今度こそ私を上手く誘導して、辺境伯に罪を着せたい…という魂胆が見え見えだわ。浅はかなタヌキジジィね。

「ミランダは連れて行ってもいいのかしら。」
「同席は出来ないだろうが、邸に行くのは護衛だから許される。」

またしても孤立無援。

「まぁいいわ。ヴィンスみたいな出来損ないを育てた女の顔を見てから離縁するのも悪くないもの。」
「たった今、問題を起こさないと言っただろ…。」
「起こさないわよ。ただ、不快なのよね。自分の育てた息子が女性を妊娠させておいて、見て見ぬふりをする女が。トーマには解らない感覚よ、これは同性に対しての嫌悪感だもの。」
「それを公爵夫妻に言わないと約束してくれ…。」
「言わないわよ。笑顔で馬鹿にして帰ってくるから。」
「頼むから穏便に済ませてくれ。」
「心の中での事よ。」
「……」

怒ったり愚痴ったり、思った事を家族やお友達に話すくらい誰でもするよね。本人に言えないからここで言っただけなのに、何故聞き流してくれないのかしら…。
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