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来客2

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「何を聞かれるのか私は知りませんのでお答えしかねますが、ボルディア様はご存知なのですか?」

知ってるなら教えてもらえると助かるわ。

「……」

もしエリーゼの事を少しでも知っているなら、それを脅しに使うはず。それをしないという事は、エリーゼの事は気がついていないわね。
それなら、こちらから辺境伯の婚約の話をしても得する事は何もない。
さっさと帰ってもらおう。邪魔なだけだわ。

「ボルディア様、お話は以上でしょうか?」

聞いても返事が帰ってこないし、本当になんなの。何故かミランダの方を見て笑っているし…。こういう時はマイセンさんのように男性がいてくれると助かるんだけど。強さではミランダが上だけれど、こういう状態だと女性というだけで見下されたりするもの。

「夫は元気かな?ミランダ・フォスター」
「夫は殉職しました。」
「ああ、そうだったのか。すまないね。」
「いえ、気遣いは必要ございません。」

……この男…何を言うの。
ミランダの名を知ってるなら、きっと殉職の事だって知ってたはず。辺境伯という身分なら陛下が狙われたのを知らないはずがない。
私とトーマの事に腹を立てていたとしても、ミランダは関係ない。それを、わざと傷つけるなんて…。
この変態ジジィ…許さないわ。今日から何があっても私の敵よ。

「ボルディア様、私は用がございますので申し訳ありませんがお引き取り下さい。」
「邪魔だとでも言いたいのかね。」
「いえ、常識がないとは思いましたけど。」
「何を偉そうに、私は客だぞっ!」

客扱いしてもらえると思ってるなんて、ずいぶん前向きな男ね。

「失礼致しました。侯爵邸に来るは事前に会うお約束をしているばかりですので。」
「…私が『礼儀知らずで客ではない』と言いたいのかね?」
「ふふ、そうは言っていません。」
「っ気分が悪い。帰らせてもらう!!」
「お気を付けて。」

辺境伯は従者を連れて帰っていったけど、私は見送りに出なかった。ご機嫌とりをする気はないしね。

「よし、解決!」
「ルーナ…ちょっと来なさい…。」

一段落ついたと思ったら、今度はミランダに部屋へ強制連行された。

「…私の言う事を聞いていたわよね?」
「う…ん」

ミランダが物凄く怒ってる!!

「適当に流しなさいって言ったのに、今のはなに?」
「陛下に質問される内容を知ってるなら…教えてほしいな……って…。」
「そうじゃなくて、『常識がない』だとか『礼儀知らず』だとか、また怒らせるような事を言ってたわね。」
「でも、事実だし…。」
「事実を言うから神経を逆撫でする事になるの。辺境伯の性格は解ってるでしょ。」
「はい…」
「私の事で腹を立てたんだと思うし気持ちは嬉しいけれど、簡単にルーナに銃を向ける男なの。気を付けなさい。」
「はい…ごめんなさい…。」

私としては、まだまだあれくらいじゃ不完全燃焼なんだけど…。

辺境伯の事になると、ミランダとトーマが厳しい気がするのは気のせいかしら。とくにミランダはピリピリしてる。

トーマとミランダ、もしかして2人に何か接点でもあるのかな。検討もつかないわ。
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