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ビー玉3

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「あまり舐めた事を言わない方がいいぞ。」

「なめているわけではないわ。ただ、貴方のその行動に敬意を払おうとは思わないだけよ。」

「…貴様」

男が懐から取り出したのは拳銃一丁…。
この人、ここは田舎じゃないってわかってないのかしら。

「ガッカリだわ。この状況で飛び道具?情けない。それでも男なの。」

私が言う度に、顔を真っ赤にしてプルプルふるえている。私に言われるだけじゃなく、これだけまわりに聞かれればそうなるでしょうけど。

「……ラッセン?」
「え…?」

確かに私はラッセンだけど、この人は私を誰だか解ってなかったよね。
というか、視線は私にはないわ…。
振り返るとすごい勢いでこっちに走ってくるトーマがいる。

「っルーナ!!何をしているんだっっ!」
「…っ!?」

トーマがなぜここに?もしかして王都にお仕事に来ていたの…?
それでも、ここを偶然通りかかるなんてそんな事ありえないよね…。

さっきまでいた店の前を見ると、息を切らしたアーロがいる。
もしかしてトーマと一緒に来たって私が言ってたから、探しに行ったら本当にいた…とか?

「どういうつもりですか、私の妻に銃口をむけるなんて。」
「ラッセン侯爵…」
「それに、その親子の怪我はなんですか?まさか暴行を加えたわけではありませんよね。」
「…失礼な事を言わないでくれるかね。この親子が転んだので助けただけの事。拳銃は落としたのを拾っただけ。」

男が持つ杖に血がついてるのはトーマも気がついてるけど、ここで収拾つけるよね。

「そうですか。それは失礼。マイセン、この親子の傷の手当てを。ルーナ、君はこっちに来なさい。」
「…はい……」


私とトーマとアーロは馬車の中で話す事になったけど、トーマが怒ってるわ。

「ねぇ、トーマは何故王都にいるの?」
「それは俺の質問だ。」

そうよね。

「はぁ…あの男は評判がよくないんだ。本当に殺されてたかもしれないんだぞっ!」
「……」
「それに、侯爵家としては辺境伯との面倒事は避けたいのが正直なところだ。ルーナの従兄を危機に追いやる可能性だってある。」

そうよね。侯爵より爵位は下でも厄介だもの。
…伯爵よりも上だし浅はかだったわ。

「親子を助けたかったとしても、無茶はするんじゃない。」
「…はい。ごめんなさい。」
「で、王都にいる理由は?」
「………お酒を買いに…。」
「お酒?何故ルーナが?使いを出せば……、まさかまた逃げだしてきたのか?」
「そんな事はないわよ。書き置きはしてきたわ。」
「前と全く一緒だ。」
「………」
「買ったお酒の代金は?脱走してきたなら大した金額は持ってないはずだ。」

トーマの視線がヴォリオ2本に向けられた。

「…これは戦利品…だから…」
「は?」

アーロをチラっと見ると、笑いをこらえてふるえている。

「アーロと勝負して勝ったの。だからこのブランデーを2本…戦利品として……。」
「ルーナ…」
「…お金、払います。でも7,000コンタしか無いので…足りない分は…分割でお支払を…。」

「俺が全額支払う。妻の物だ、当然だろ。
…7,000コンタって、どうやったらそんなお金を手に入れられたんだ。」
「……着ていない服を売り飛ばしました…。」
「……」

おまけに指輪まで売ろうとしていたなんて事、絶対に知られては駄目よ。

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