19 / 39
不愉快2
しおりを挟む
「ひどいっ!」
私が縦巻きロール令嬢と話していると、突然ミネルバが会話に入ってきた。
「私達の座る場所を奪うなんて。」
ん?何故この女が出てくるのかな…。
「私は貴女と会話をしていないのに、何が酷いというのかしら。」
「今、私に『さっさと消えて』と言ったじゃないですか!!」
「貴女に言ってないわよ。」
「嘘よっ!!」
なんなの、この被害妄想爆裂女は…。頭のネジが外れているとしか思えない。
「シュナ、何をしているんだ!」
私とミネルバのもとへ、またしてもアレックスがやって来た。
これは、またまた茶番劇の幕開けですな。
「またミネルバを何処かへ追いやるつもりか?」
『また』って何?
ハンカチの時も、流血の時も、追いやられたのは私なんだけど。
「アレックス様、止めて下さい。シュナ様は貴族ですから、どこで食事をなさっても私達には何も言えません。」
いや、十分言ってるよね。
「シュナ、何度言わせれば気がすむんだ。人を困らせてまで全て自分の思い通りにして楽しいか?」
「ここに座る事が校則違反だというなら今すぐに移動しますわ。」
「そんな事は言っていない。ミネルバに『さっさと消えろ』と言ってる事が問題なんだ。」
正義の味方、みたいな顔して意気揚々と出てきたかと思ったら、結局ミネルバだけのため…。
「そんなに目くじらをたてなくても、ミネルバ様は殿下のお隣に座って食事をなさればいいではないですか。」
「……っ」
ミネルバが聖女だと判明するまで、それは出来ないよね。
もしミネルバを許可すれば、他の庶民達も同等にあつかわなくちゃいけない。けど、そんな事をすれば貴族達から反発される。いくら王太子でも、針のむしろよ。
「殿下、そろそろ茶番を演じるのは止めましょう。楽しいですけどね。」
「茶番だとっ!?」
「私と殿下が演じている茶番という事にしておかなければ、回りはミネルバ様を許しません。上位貴族の子息令嬢でさえ殿下の名すら呼べない者もいるのに、庶民に許可を出してるのですから。貴方の愚かな行動の尻拭いを私がすると言っているのです。」
アレックスだけに聞こえるように小さな声で言ってから、私は食堂を出た。
どんなにミネルバとアレックスが馬鹿でも、『聖女』には生きていてもらわないと困るのよ。
私が縦巻きロール令嬢と話していると、突然ミネルバが会話に入ってきた。
「私達の座る場所を奪うなんて。」
ん?何故この女が出てくるのかな…。
「私は貴女と会話をしていないのに、何が酷いというのかしら。」
「今、私に『さっさと消えて』と言ったじゃないですか!!」
「貴女に言ってないわよ。」
「嘘よっ!!」
なんなの、この被害妄想爆裂女は…。頭のネジが外れているとしか思えない。
「シュナ、何をしているんだ!」
私とミネルバのもとへ、またしてもアレックスがやって来た。
これは、またまた茶番劇の幕開けですな。
「またミネルバを何処かへ追いやるつもりか?」
『また』って何?
ハンカチの時も、流血の時も、追いやられたのは私なんだけど。
「アレックス様、止めて下さい。シュナ様は貴族ですから、どこで食事をなさっても私達には何も言えません。」
いや、十分言ってるよね。
「シュナ、何度言わせれば気がすむんだ。人を困らせてまで全て自分の思い通りにして楽しいか?」
「ここに座る事が校則違反だというなら今すぐに移動しますわ。」
「そんな事は言っていない。ミネルバに『さっさと消えろ』と言ってる事が問題なんだ。」
正義の味方、みたいな顔して意気揚々と出てきたかと思ったら、結局ミネルバだけのため…。
「そんなに目くじらをたてなくても、ミネルバ様は殿下のお隣に座って食事をなさればいいではないですか。」
「……っ」
ミネルバが聖女だと判明するまで、それは出来ないよね。
もしミネルバを許可すれば、他の庶民達も同等にあつかわなくちゃいけない。けど、そんな事をすれば貴族達から反発される。いくら王太子でも、針のむしろよ。
「殿下、そろそろ茶番を演じるのは止めましょう。楽しいですけどね。」
「茶番だとっ!?」
「私と殿下が演じている茶番という事にしておかなければ、回りはミネルバ様を許しません。上位貴族の子息令嬢でさえ殿下の名すら呼べない者もいるのに、庶民に許可を出してるのですから。貴方の愚かな行動の尻拭いを私がすると言っているのです。」
アレックスだけに聞こえるように小さな声で言ってから、私は食堂を出た。
どんなにミネルバとアレックスが馬鹿でも、『聖女』には生きていてもらわないと困るのよ。
10
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる