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学校へ
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「マスター、1度学校へ行ってきてもいいでしょうか?」
「もちろん。行っておいで。」
「ありがとうございます!放課後、店の方針について話し合いましょう。」
「ん?ああ……そうじゃな。」
方針って何の話じゃ?……と、マスターは思った。
「行ってきます!」
「おお、気を付けるんじゃぞ。」
無銭飲食犯の私を、マスターは笑顔で見送ってくれた。
この世界でネロだけしか私を笑顔で見送ってくれる人はいないと思ってたのに、良い人に出会えた!
お店を出ると、すぐにキルテが追いかけてきた。
「……キルテ様、何故私の横を歩いているの?」
「目的地は同じですし、アレックス様の婚約者を1人になど出来ません。」
それは最もなんだけどさ、今はそんな正論は必要ないんだよね…。
同じ所へ行くのに『付いてくるな』とは言いづらいし、我慢するけど。
2人で歩いていると、前から駆けてくる男の子がビタンっと勢いよく転んだ。
なんてベタな展開なの。さすが小説の中!
「うわぁぁあん…いたいよぉぉ~」
鼻血が出てるし、あれはかなり痛いよね。
「キルテ様、ハンカチを貸してくれるかしら。」
「え…?」
「え?じゃないでしょう。さっき持っていたハンカチよ。」
「あっ、はい!」
キルテが素早く内ポケットからハンカチをとり、私に手渡した。
「そこの少年、これを使いなさい。鼻血が出たときは上を向いちゃ駄目よ。座ってほんの少しうつむくの。」
「……こう?」
「うん、偉い偉い。」
子供は可愛いなぁ。
そういえば、将来保育士になりたい…なんて、叶わぬ夢を見た事もあったっけ……。
言い方は悪いけど、親がハズレだと子供の人生なんてそこで詰みなんだよね。
シュナの両親も性格はよくないかもね。昨日の感じだと殴ったりはしないし、罵倒されるだけなら問題ないかな。
「お姉ちゃん、ハンカチ汚れちゃったけど、どうしよう…。」
「いいのよ、まだ血が出るかもしれないし、そのまま持って帰りなさい。あげるわ。」
「ありがとう!」
私のじゃないけど買って返せばいいしね。もしキルテが文句を言うなら、侯爵令嬢という身分でねじ伏せてやる!
お、何だか今のは悪役令嬢っぽい!!
「もちろん。行っておいで。」
「ありがとうございます!放課後、店の方針について話し合いましょう。」
「ん?ああ……そうじゃな。」
方針って何の話じゃ?……と、マスターは思った。
「行ってきます!」
「おお、気を付けるんじゃぞ。」
無銭飲食犯の私を、マスターは笑顔で見送ってくれた。
この世界でネロだけしか私を笑顔で見送ってくれる人はいないと思ってたのに、良い人に出会えた!
お店を出ると、すぐにキルテが追いかけてきた。
「……キルテ様、何故私の横を歩いているの?」
「目的地は同じですし、アレックス様の婚約者を1人になど出来ません。」
それは最もなんだけどさ、今はそんな正論は必要ないんだよね…。
同じ所へ行くのに『付いてくるな』とは言いづらいし、我慢するけど。
2人で歩いていると、前から駆けてくる男の子がビタンっと勢いよく転んだ。
なんてベタな展開なの。さすが小説の中!
「うわぁぁあん…いたいよぉぉ~」
鼻血が出てるし、あれはかなり痛いよね。
「キルテ様、ハンカチを貸してくれるかしら。」
「え…?」
「え?じゃないでしょう。さっき持っていたハンカチよ。」
「あっ、はい!」
キルテが素早く内ポケットからハンカチをとり、私に手渡した。
「そこの少年、これを使いなさい。鼻血が出たときは上を向いちゃ駄目よ。座ってほんの少しうつむくの。」
「……こう?」
「うん、偉い偉い。」
子供は可愛いなぁ。
そういえば、将来保育士になりたい…なんて、叶わぬ夢を見た事もあったっけ……。
言い方は悪いけど、親がハズレだと子供の人生なんてそこで詰みなんだよね。
シュナの両親も性格はよくないかもね。昨日の感じだと殴ったりはしないし、罵倒されるだけなら問題ないかな。
「お姉ちゃん、ハンカチ汚れちゃったけど、どうしよう…。」
「いいのよ、まだ血が出るかもしれないし、そのまま持って帰りなさい。あげるわ。」
「ありがとう!」
私のじゃないけど買って返せばいいしね。もしキルテが文句を言うなら、侯爵令嬢という身分でねじ伏せてやる!
お、何だか今のは悪役令嬢っぽい!!
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