3 / 39
一応初対面
しおりを挟む
「お嬢様、今日は機嫌が宜しいですね。」
「そう?」
「はい、芝生に寝転んだ時は驚きましたが、目覚めてからはスッキリした表情をなさってますので。」
「気分がいいのは確かだわ。」
このメイドさんがシュナの専属であれば、たしか名前はネロだよね。
「ネロ、アレックス殿下が来るのは何時だったかしら?」
「14時です。お忘れですか?」
「そうだったわね。ふふ、まだ少し寝ぼけてるみたい。」
アレックスと会うのは14時。奴がさっさと帰ってくれれば、その後やりたい事が出来る。
聖女が出てきたからって直ぐに乗り換えるような男と会うなんて、時間の無駄でしかないけど。
13時55分
王子の乗る馬車が邸に到着した。
軍服?のようなものを着た黒髪で短髪の男の人が1人降りた後、続いて金髪で青い瞳をした長身の男が降りてきた。
たしか、表紙に描かれていたのはこんな顔の男だったと思う。
という事は、これがアレックスで、もう1人は近衛騎士のスクリュー。
「……」
「……」
迎えに出てきたのはいいけれど、挨拶の仕方なんて全く解らない…。今日までこの小説で生きてきたシュナの記憶が残っていないんだから。
う~ん…
とりあえず、笑っとこう。
「挨拶もできないのか。」
アレックスはボソッと呟いて、邸に入ってしまった。
小説では『シュナのテンションが高すぎて面倒』とか、『ベタベタしつこい』とか、『喋るな』とか散々な扱いをしていたのに、笑顔で静かにしててもこんな扱いなんだ。
性格や態度を改めれば、シュナに対して普通に接するのかと思ったけど、そうではないみたい。
『悪役令嬢に転生した私は、婚約破棄されるはずの王太子に何故か溺愛されてます。』的な小説を友達は沢山よんでたけど、この小説世界ではご都合主義は成り立たないとだと判明。
サロンには私達2人と、ネロとスクリューがいるだけ。
何も喋る事もないし、どうしようかな。
所詮、もうすぐ聖女に乗り換える男、これから一切口を利かなくても私的には問題ないし…。
さっさと帰ってくれないかな。…とは言えないけども。
「帰る。」
用意したお菓子に手をつけず、お茶を一杯飲んだアレックスが席を立った。
やった!!
「はい、さようなら。お気をつけて。」
私が笑顔で言うと、アレックスの眉間に皺が寄った。
「お嬢様、お見送りに…」
「あぁ…」
見送りに来ない事を怒ってるんだ。小さい男ね。
「そう?」
「はい、芝生に寝転んだ時は驚きましたが、目覚めてからはスッキリした表情をなさってますので。」
「気分がいいのは確かだわ。」
このメイドさんがシュナの専属であれば、たしか名前はネロだよね。
「ネロ、アレックス殿下が来るのは何時だったかしら?」
「14時です。お忘れですか?」
「そうだったわね。ふふ、まだ少し寝ぼけてるみたい。」
アレックスと会うのは14時。奴がさっさと帰ってくれれば、その後やりたい事が出来る。
聖女が出てきたからって直ぐに乗り換えるような男と会うなんて、時間の無駄でしかないけど。
13時55分
王子の乗る馬車が邸に到着した。
軍服?のようなものを着た黒髪で短髪の男の人が1人降りた後、続いて金髪で青い瞳をした長身の男が降りてきた。
たしか、表紙に描かれていたのはこんな顔の男だったと思う。
という事は、これがアレックスで、もう1人は近衛騎士のスクリュー。
「……」
「……」
迎えに出てきたのはいいけれど、挨拶の仕方なんて全く解らない…。今日までこの小説で生きてきたシュナの記憶が残っていないんだから。
う~ん…
とりあえず、笑っとこう。
「挨拶もできないのか。」
アレックスはボソッと呟いて、邸に入ってしまった。
小説では『シュナのテンションが高すぎて面倒』とか、『ベタベタしつこい』とか、『喋るな』とか散々な扱いをしていたのに、笑顔で静かにしててもこんな扱いなんだ。
性格や態度を改めれば、シュナに対して普通に接するのかと思ったけど、そうではないみたい。
『悪役令嬢に転生した私は、婚約破棄されるはずの王太子に何故か溺愛されてます。』的な小説を友達は沢山よんでたけど、この小説世界ではご都合主義は成り立たないとだと判明。
サロンには私達2人と、ネロとスクリューがいるだけ。
何も喋る事もないし、どうしようかな。
所詮、もうすぐ聖女に乗り換える男、これから一切口を利かなくても私的には問題ないし…。
さっさと帰ってくれないかな。…とは言えないけども。
「帰る。」
用意したお菓子に手をつけず、お茶を一杯飲んだアレックスが席を立った。
やった!!
「はい、さようなら。お気をつけて。」
私が笑顔で言うと、アレックスの眉間に皺が寄った。
「お嬢様、お見送りに…」
「あぁ…」
見送りに来ない事を怒ってるんだ。小さい男ね。
10
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる