11 / 28
目的2
しおりを挟む
私に優勢に話が進んでいたのに、思わぬ来訪者に邪魔をされた。
コンコン
「ライリー・セラノウス王子殿下がおいでになりました」
何で王子が来るの?
仕方なくドアを開けると、人懐っこい笑顔で王子が立っていた。
「リアム、マロンちゃん、さっきぶりだね!」
何なの、そのテンションは……。
メイドは何故私の部屋に王子を案内してるの。こんなのでも王子なんだから、失礼でしょう。
「ライリー王子、どうなさいましたか?」
「さっきリアムとマロンちゃんの空気が良くなかったから、つい心配で来ちゃったよ」
「王子に心配して頂くような事は何もございません」
「そうかな?リアムに『邸から出ていけ』とか言ってそうだけど」
「そんな事を言うはずがありません」
この人、まさか聞いていたんじゃないでしょうね。
「リアム、本当?」
「はい、仕事の話をしていただけです」
「それなら良いけど。仲良くしてもらわないと、王家としても困るから。」
『王家としても困る』……ね。
この状況で『ハリーが駆け落ちした』と言っても、私が損をするだけだよね。ハリーを探して罰するより、『夫の為に頑張る伯爵夫人』を演じさせる方が楽だもの。
「マロンちゃん、君が伯爵の代理を努める期間を来週までに報告するから、リアムの事をあまり怒らないで待っててくれるかな?」
「はい」
これで、無期限で代理をさせられる可能性は低くなったし、納得しておこう。
「マロンちゃん、俺はリアムと話があるから残念だけど今日はここで。今度、お茶でもしようね」
ライリー王子はリアムを連れて出ていってしまった。
王子さえ来なければ、確実にどちらかが邸を出ていく流れに持っていく自信はあったのに。
あの2人が仲が良いのは、私にとって不利だわ。
コンコン
「ライリー・セラノウス王子殿下がおいでになりました」
何で王子が来るの?
仕方なくドアを開けると、人懐っこい笑顔で王子が立っていた。
「リアム、マロンちゃん、さっきぶりだね!」
何なの、そのテンションは……。
メイドは何故私の部屋に王子を案内してるの。こんなのでも王子なんだから、失礼でしょう。
「ライリー王子、どうなさいましたか?」
「さっきリアムとマロンちゃんの空気が良くなかったから、つい心配で来ちゃったよ」
「王子に心配して頂くような事は何もございません」
「そうかな?リアムに『邸から出ていけ』とか言ってそうだけど」
「そんな事を言うはずがありません」
この人、まさか聞いていたんじゃないでしょうね。
「リアム、本当?」
「はい、仕事の話をしていただけです」
「それなら良いけど。仲良くしてもらわないと、王家としても困るから。」
『王家としても困る』……ね。
この状況で『ハリーが駆け落ちした』と言っても、私が損をするだけだよね。ハリーを探して罰するより、『夫の為に頑張る伯爵夫人』を演じさせる方が楽だもの。
「マロンちゃん、君が伯爵の代理を努める期間を来週までに報告するから、リアムの事をあまり怒らないで待っててくれるかな?」
「はい」
これで、無期限で代理をさせられる可能性は低くなったし、納得しておこう。
「マロンちゃん、俺はリアムと話があるから残念だけど今日はここで。今度、お茶でもしようね」
ライリー王子はリアムを連れて出ていってしまった。
王子さえ来なければ、確実にどちらかが邸を出ていく流れに持っていく自信はあったのに。
あの2人が仲が良いのは、私にとって不利だわ。
6
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪
桐生桜月姫
ファンタジー
愛良と晶は仲良しで有名な双子だった。
いつも一緒で、いつも同じ行動をしていた。
好き好みもとても似ていて、常に仲良しだった。
そして、一緒に事故で亡くなった。
そんな2人は転生して目が覚めても、またしても双子でしかも王族だった!?
アイリスとアキレスそれが転生後の双子の名前だ。
相変わらずそっくりで仲良しなハイエルフと人間族とのハーフの双子は異世界知識を使って楽しくチートする!!
「わたしたち、」「ぼくたち、」
「「転生しても〜超仲良し!!」」
最強な天然双子は今日もとっても仲良しです!!
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる