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目が覚めたら3

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一方、王城では…

「リルー!病気の時はかくれんぼしたらダメなんだぞーっ!」

シャートルと護衛が病室を探しても、ジブリールは見つからない。

「カーライル王太子殿下に報告して、日暮の宮にも人を送りましょう。」
「……リル、オレの姉上になりたくないから出ていったのかな。」
「そんな事はありませんよ。」
「本当…?」
「はい。」
「絶対…?」
「はい。シャートル殿下のような素敵な義弟が出来るのですから。」
「……」
「泣かないで、行きましょう。」
「うん……」


執務室に戻ってから30分ほどした頃、泣いているシャートルとその護衛のムカフが来た。

「ジブリールがいない?」
「はい、日暮の宮に確認に向かわせていますが、いたという報告はまだ…。」
「病室の前には衛兵がいる。ドアから出たわけではないという事か。」
「はい。」

だとしたら、こっそり逃げ出したか連れ去られたか…。

「ムカフ、城内を徹底的に調べるのと、警備を厳重にするよう衛兵に伝えろ。シャトを部屋へ、下がっていい。」
「畏まりました。」
「あにっぅええ……」
「シャト、すぐ見つけるから心配するな。」
「うん……」

俺の側近であるユランズが難しい顔をしている。

「逃げ出したのだと思いますか?」
「ここから脱走して生きられる訳がない…と、理解できない事はないだろう。」
「ですが…」
「とりあえず、ジブリールは必ず見つける。」


ジブリールがいなくなっても、マドーレから何か言われる事はないだろう。
我が国としては全く問題ない。
だが、俺の知りたい事はあの女しか知らない。この国の誰も知らない、知る事を許されない事を、あの女はノートに書いていた。

小説という形にしてはいたが、どう考えてもこの国の事を知っている人間か、それを知っている人物が側にいたはずだ。
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