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失礼な王子3
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こうなったら、婚約者の中にシンシアがいると信じさせるわ。
私以外の9人にシアに似ている子がいればいいのだけど。
シンシアは金髪碧眼で小柄、目が大きくて笑顔の可愛い女の子。優しくて心が広い、私が憧れる容姿と性格を詰め込んだ完璧な美少女よ。
私はというと、茶色の髪の毛に茶色の瞳、顔は不細工ではない…と思う。最愛の弟ミカエラの『姉上は世界で1番可愛い』という優しい言葉を信じるならね……。
どんなに食べても太らないから、痩せてて貧相な体型。綺麗な服を着ていなければ平民に難なく馴染めるわ。
『私はシンシアじゃない』と否定した時、『言われなくても容姿を見ればわかる』…と、拗らせ男が迷いなく答えられたのは当たり前よね。
ここにいる3人のお嬢様も、拗らせ男が見たらシアじゃないのはすぐにわかるはずよ。
金髪ツインテールは瞳が茶色、除外。
前髪パッツンは黒髪、もう1人は赤毛、どちらも駄目。
まだ6人いるし、希望はあるわよ。
とりあえず、部屋で考えよう。
「皆様、私はこれで失礼します。」
その場から立ち去ろうとすると、前から5人ほどメイドをつれたお嬢様が歩いてきた。
その容姿は私の想像していたシンシアそのもの。
あの男…、実はそれらしい女性を選んでいるんじゃない!
何でもいい。この人で決定よ!この人を応援するわ。
初対面だから挨拶するよう言われるかと思ったけれど、素通りされてしまった。
相手の身分が解らない以上、許可なくこちらから挨拶も出来ない。私はマドーレの女という時点で、候補の中で誰よりも下だし、伯爵位でも下位貴族だもの、見下されるのは解っているし問題ない。
けどね、まさかシアに最も近い容姿の女の性格がこんなだとは…。
拗らせ男の中のシアは美化され続けてると思うし、性格の悪い所は見せないで欲しいのよね。
お嬢様達はいまいち理解していないわ。
ここにいるメイド、護衛、その他全てが拗らせ男の目だって事にね。
謎の集団生活、ここで篩にかけられてるんだから。
私以外の9人にシアに似ている子がいればいいのだけど。
シンシアは金髪碧眼で小柄、目が大きくて笑顔の可愛い女の子。優しくて心が広い、私が憧れる容姿と性格を詰め込んだ完璧な美少女よ。
私はというと、茶色の髪の毛に茶色の瞳、顔は不細工ではない…と思う。最愛の弟ミカエラの『姉上は世界で1番可愛い』という優しい言葉を信じるならね……。
どんなに食べても太らないから、痩せてて貧相な体型。綺麗な服を着ていなければ平民に難なく馴染めるわ。
『私はシンシアじゃない』と否定した時、『言われなくても容姿を見ればわかる』…と、拗らせ男が迷いなく答えられたのは当たり前よね。
ここにいる3人のお嬢様も、拗らせ男が見たらシアじゃないのはすぐにわかるはずよ。
金髪ツインテールは瞳が茶色、除外。
前髪パッツンは黒髪、もう1人は赤毛、どちらも駄目。
まだ6人いるし、希望はあるわよ。
とりあえず、部屋で考えよう。
「皆様、私はこれで失礼します。」
その場から立ち去ろうとすると、前から5人ほどメイドをつれたお嬢様が歩いてきた。
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あの男…、実はそれらしい女性を選んでいるんじゃない!
何でもいい。この人で決定よ!この人を応援するわ。
初対面だから挨拶するよう言われるかと思ったけれど、素通りされてしまった。
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けどね、まさかシアに最も近い容姿の女の性格がこんなだとは…。
拗らせ男の中のシアは美化され続けてると思うし、性格の悪い所は見せないで欲しいのよね。
お嬢様達はいまいち理解していないわ。
ここにいるメイド、護衛、その他全てが拗らせ男の目だって事にね。
謎の集団生活、ここで篩にかけられてるんだから。
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