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同じ笑顔
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「…約束したからな、魔術の靴を履くって。」
「…知ってたの?」
「たった今思い出した。何故か靴を履くまでドロシーを忘れてたけど。」
「でも、おかしいよ。アイクは7才の姿になってただけで、過去にいたわけじゃない。約束は今したところなのに。」
「もともと知ってたのかさえ本当はわからない。俺と7才になった俺は記憶を共有してなかったから、俺が意図して履いた訳じゃないと思うしな。」
「あの靴はアイクが探して履いたんじゃないの?」
「探してない。」
…やっぱり、あの魔術の靴がアイクを選んだのかな。
「俺が知らなかったドロシーの事を、7才の俺は知ってた。20才になって、子供の時の俺の記憶があの靴を探して履いたんだと思う。『20才になったら魔術の靴を履いて…』って、きっと子供の俺が思い出した。」
「アイク、私一度だけ靴と話をした事があるの。」
「話?」
「魔術をとくために私を呼んだんだって。そして7年でとかないと、アイクはどんどん小さくなって死ぬって言われたわ。」
「…だから泣いてたのか。」
「うん。」
「もう大人になったから、大丈夫だな。」
あれ?
「私、20才のアイクの前でさっき以外に泣いた事あったかな?」
「…あぁ。」
「アンドリュー様の前では泣いてしまったけど、なぜアイクが知ってるの?」
「……」
「もしかして、アイクじゃなくてアンドリュー様なの?」
「逆だ…。実はアンドリューはアイザックなんだ。」
「…どういう事?本当は魔術はとけてたの?」
「俺は大人の姿に戻れたんだ。けど何故かドロシーの前では7才のアイザックにしかなれなかった。街で偶然会った時に別人だと思いこませたらいいんじゃないか…と思って、とっさに嘘を…。」
「私を騙してたの!?」
「…どうしても会いたかったんだから仕方ないだろ。」
「……じゃあ、プロポーズはアイクがしたの?」
「断られたけどな。」
「初対面であんな風に言われたら誰でも断るよ。」
「なら今は?」
「…アンドリュー様の事は素敵だと思ったわ。」
「それは俺の事が好きって事?」
「……おしえない。大人のアイクとはさっき会ったばっかりだしね。」
「む、夫に秘密は駄目なんだぞ。」
「もう夫になってるじゃない。」
「もう結婚したからな。」
「まだしてないよ。」
「してる。だって、18才になったら俺達は結婚だ。」
「アイクが18才って事だったんだよ。」
「だったら、もう俺は20才だから2年も前だ。」
確かにそうかも…。
「何だか変なの。今は7才になっていた時の記憶があるの?」
「魔術がとけたからなのか、ドロシーと会ってからの事は思い出した。全てじゃないし、かなり恥ずかしいけどな。」
「…もう7才のアイクに会えないのはさみしいかな。」
「ドロシーが会ってた7才のアイクは全部俺だ。」
「ねぇ、人参を食べなくていい日も知ってる?」
「あれは許してくれたからいいんだ。」
「誰が?」
「ドロシーが…」
「19才まではそんな日は無かったの?」
「靴をはいた7才の俺が勝手につくった。勉強をしなくていい日も。図書室にいた時、何でそんな記憶があるのかわからなかったが、子供になった7才の俺の勝手な言い訳だったのか。」
「大きな人参をたべた日も憶えてる?」
「あれは苦しかった。これからは、毎日『人参を食べなくていい日』にしよう。」
「そんな日はないよ。」
「……」
ちょっと拗ねてる…。
「私が幸せになれたのは全部7才のアイクのおかげかな。」
「変な話だが靴を履いてからの7才は20才の俺だぞ。」
「じゃあ、7才のアイクが言ってた『嫌なやつ』って自分の事を言ってたんだよね?」
「…いい奴ではなかったかもしれない。」
「ノートンも嫌な奴って言ってたんだよね。後で聞いてみよう。」
「ドロシー、ノートンは話をもる。嘘をつくからやめておけ。」
「ふふ。」
「俺は『嫌なやつ』ではない…はず。」
何をしたのか、聞くのが楽しみだわ。
「『嫌なやつ』から、たまに子供にもどったら可愛いのに。」
「たまになら、魔術の靴を履けばなれるかもしれないな。」
「ふふ、そうだね。」
『けっこんしたんだ』
言い続けてくれた。
本当に『けっこん』できるよ。
子供のアイクは私を幸せにしてくれた。
「ドロシー、」
「ん?」
「一生2人で幸せに暮らそうな。」
「っ!?」
アイクが軽く私に口づけした。
「誓いの口付けだ。」
「……」
口付けっていう言葉は何だか恥ずかしい。
「…『ちゅー』じゃなくなったんだね。」
「ん?『おやすみ』と『おはよう』と『やくそく』と『いってらっしゃい』と『いってきます』は『ちゅー』だぞ。ほっぺは駄目だからな!全部特別だ。」
「ふふ…」
「どうした?」
「きっと7才のアイクがまた出てくる気がする。」
「たまになら子供になってもいいぞ。ドロシーの口付けとチョコレート色の靴があれば何があっても大丈夫だ…か…ら…。」
「アイク?」
「…クラクラする。」
「怪我っ!」
アイクの脇腹から血が出てる!!
「何をしてるの貴方は!!忘れて話し込んでた私も悪いけど!!」
アイクの怪我が少し悪くなって、国へ帰る日が数日おくれた。
20日後、
私達が城に戻ると、皆が出迎えてくれた。
「ドロシー。こんな息子とでも結婚してくれるかな?」
「アイクに初めてあった時から、私は妻ですから。」
「ああ、そうだったね。」
私と陛下の会話に皆笑っていた。
アイクだけは何だかな複雑そうだったけど。
「アイクの部屋で同棲は終わりだね。」
「結婚するから同棲とは違うな。」
「きちんと結婚するまでは、同棲は終わって1人の部屋にいかないと。」
「え…?今まで一緒に寝てたのに…。」
「7才のアイクとね。とりあえず、部屋を片付けよう。オモチャがいっぱいよ。」
片付けていて気がついた。
「魔術の靴がないわ…。」
「本当だ。」
「誰かが何処かにもっていったのかな?」
「俺達にしか見えないのに?」
「そうだよね。」
「なるほど。これからは2度と見つからないと思うぞ。魔術はとけたからな。」
だったらもう7才のアイクには会えないのかな…。
「もしいつか7才のアイクに会える日が来たら、今度は私からプロポーズしてみようかな。その時はもう私はお婆ちゃんになってシワシワになってるかもしれないけど。」
「何才のドロシーに会っても、俺は言うぞ。」
「何て言うの?」
「もう結婚したって。」
「お婆ちゃんでも?」
「だからなんだ。オレの海よりも深い愛は死ぬまでずっと続くんだ。」
「ふふ、それ子供の時も言ってたよ。」
「ああ、これは一生かわらないからな。」
きっと魔術をかけられていたのは私。
アイクが履いたあの靴は、私にかけられた魔術をとく靴だったんだよね。
7才でも20才でも、アイクは私を助けるために迎えに来てくれたんだから。
「私の海より深い愛は、アイクのよりも深いよ。」
その私の言葉を聞いてアイクは驚いた顔をした。…そして笑った。
その笑顔は、7才でも20才でも変わらない、私の大好きな笑顔だった。
おしまい。
「…知ってたの?」
「たった今思い出した。何故か靴を履くまでドロシーを忘れてたけど。」
「でも、おかしいよ。アイクは7才の姿になってただけで、過去にいたわけじゃない。約束は今したところなのに。」
「もともと知ってたのかさえ本当はわからない。俺と7才になった俺は記憶を共有してなかったから、俺が意図して履いた訳じゃないと思うしな。」
「あの靴はアイクが探して履いたんじゃないの?」
「探してない。」
…やっぱり、あの魔術の靴がアイクを選んだのかな。
「俺が知らなかったドロシーの事を、7才の俺は知ってた。20才になって、子供の時の俺の記憶があの靴を探して履いたんだと思う。『20才になったら魔術の靴を履いて…』って、きっと子供の俺が思い出した。」
「アイク、私一度だけ靴と話をした事があるの。」
「話?」
「魔術をとくために私を呼んだんだって。そして7年でとかないと、アイクはどんどん小さくなって死ぬって言われたわ。」
「…だから泣いてたのか。」
「うん。」
「もう大人になったから、大丈夫だな。」
あれ?
「私、20才のアイクの前でさっき以外に泣いた事あったかな?」
「…あぁ。」
「アンドリュー様の前では泣いてしまったけど、なぜアイクが知ってるの?」
「……」
「もしかして、アイクじゃなくてアンドリュー様なの?」
「逆だ…。実はアンドリューはアイザックなんだ。」
「…どういう事?本当は魔術はとけてたの?」
「俺は大人の姿に戻れたんだ。けど何故かドロシーの前では7才のアイザックにしかなれなかった。街で偶然会った時に別人だと思いこませたらいいんじゃないか…と思って、とっさに嘘を…。」
「私を騙してたの!?」
「…どうしても会いたかったんだから仕方ないだろ。」
「……じゃあ、プロポーズはアイクがしたの?」
「断られたけどな。」
「初対面であんな風に言われたら誰でも断るよ。」
「なら今は?」
「…アンドリュー様の事は素敵だと思ったわ。」
「それは俺の事が好きって事?」
「……おしえない。大人のアイクとはさっき会ったばっかりだしね。」
「む、夫に秘密は駄目なんだぞ。」
「もう夫になってるじゃない。」
「もう結婚したからな。」
「まだしてないよ。」
「してる。だって、18才になったら俺達は結婚だ。」
「アイクが18才って事だったんだよ。」
「だったら、もう俺は20才だから2年も前だ。」
確かにそうかも…。
「何だか変なの。今は7才になっていた時の記憶があるの?」
「魔術がとけたからなのか、ドロシーと会ってからの事は思い出した。全てじゃないし、かなり恥ずかしいけどな。」
「…もう7才のアイクに会えないのはさみしいかな。」
「ドロシーが会ってた7才のアイクは全部俺だ。」
「ねぇ、人参を食べなくていい日も知ってる?」
「あれは許してくれたからいいんだ。」
「誰が?」
「ドロシーが…」
「19才まではそんな日は無かったの?」
「靴をはいた7才の俺が勝手につくった。勉強をしなくていい日も。図書室にいた時、何でそんな記憶があるのかわからなかったが、子供になった7才の俺の勝手な言い訳だったのか。」
「大きな人参をたべた日も憶えてる?」
「あれは苦しかった。これからは、毎日『人参を食べなくていい日』にしよう。」
「そんな日はないよ。」
「……」
ちょっと拗ねてる…。
「私が幸せになれたのは全部7才のアイクのおかげかな。」
「変な話だが靴を履いてからの7才は20才の俺だぞ。」
「じゃあ、7才のアイクが言ってた『嫌なやつ』って自分の事を言ってたんだよね?」
「…いい奴ではなかったかもしれない。」
「ノートンも嫌な奴って言ってたんだよね。後で聞いてみよう。」
「ドロシー、ノートンは話をもる。嘘をつくからやめておけ。」
「ふふ。」
「俺は『嫌なやつ』ではない…はず。」
何をしたのか、聞くのが楽しみだわ。
「『嫌なやつ』から、たまに子供にもどったら可愛いのに。」
「たまになら、魔術の靴を履けばなれるかもしれないな。」
「ふふ、そうだね。」
『けっこんしたんだ』
言い続けてくれた。
本当に『けっこん』できるよ。
子供のアイクは私を幸せにしてくれた。
「ドロシー、」
「ん?」
「一生2人で幸せに暮らそうな。」
「っ!?」
アイクが軽く私に口づけした。
「誓いの口付けだ。」
「……」
口付けっていう言葉は何だか恥ずかしい。
「…『ちゅー』じゃなくなったんだね。」
「ん?『おやすみ』と『おはよう』と『やくそく』と『いってらっしゃい』と『いってきます』は『ちゅー』だぞ。ほっぺは駄目だからな!全部特別だ。」
「ふふ…」
「どうした?」
「きっと7才のアイクがまた出てくる気がする。」
「たまになら子供になってもいいぞ。ドロシーの口付けとチョコレート色の靴があれば何があっても大丈夫だ…か…ら…。」
「アイク?」
「…クラクラする。」
「怪我っ!」
アイクの脇腹から血が出てる!!
「何をしてるの貴方は!!忘れて話し込んでた私も悪いけど!!」
アイクの怪我が少し悪くなって、国へ帰る日が数日おくれた。
20日後、
私達が城に戻ると、皆が出迎えてくれた。
「ドロシー。こんな息子とでも結婚してくれるかな?」
「アイクに初めてあった時から、私は妻ですから。」
「ああ、そうだったね。」
私と陛下の会話に皆笑っていた。
アイクだけは何だかな複雑そうだったけど。
「アイクの部屋で同棲は終わりだね。」
「結婚するから同棲とは違うな。」
「きちんと結婚するまでは、同棲は終わって1人の部屋にいかないと。」
「え…?今まで一緒に寝てたのに…。」
「7才のアイクとね。とりあえず、部屋を片付けよう。オモチャがいっぱいよ。」
片付けていて気がついた。
「魔術の靴がないわ…。」
「本当だ。」
「誰かが何処かにもっていったのかな?」
「俺達にしか見えないのに?」
「そうだよね。」
「なるほど。これからは2度と見つからないと思うぞ。魔術はとけたからな。」
だったらもう7才のアイクには会えないのかな…。
「もしいつか7才のアイクに会える日が来たら、今度は私からプロポーズしてみようかな。その時はもう私はお婆ちゃんになってシワシワになってるかもしれないけど。」
「何才のドロシーに会っても、俺は言うぞ。」
「何て言うの?」
「もう結婚したって。」
「お婆ちゃんでも?」
「だからなんだ。オレの海よりも深い愛は死ぬまでずっと続くんだ。」
「ふふ、それ子供の時も言ってたよ。」
「ああ、これは一生かわらないからな。」
きっと魔術をかけられていたのは私。
アイクが履いたあの靴は、私にかけられた魔術をとく靴だったんだよね。
7才でも20才でも、アイクは私を助けるために迎えに来てくれたんだから。
「私の海より深い愛は、アイクのよりも深いよ。」
その私の言葉を聞いてアイクは驚いた顔をした。…そして笑った。
その笑顔は、7才でも20才でも変わらない、私の大好きな笑顔だった。
おしまい。
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癒されました❗
感想ありがとうございます(*´ω`*)気に入っていただけてよかったです!
素敵な作品ありがとうございます
楽しく最後まで読めました
帰したくない2にて
ノツメだと思われる箇所が一箇所ツノメとなっておりました
私の思い違いでしたらすいません
感想ありがとうございます。
楽しんでもらえてよかったです(^^)
確認にいくと、国名間違えてました💦
面白かったです、泣けました
続編楽しみにしてます
ありがとうございます。
続編、時間があれば書けたらいいなと思います(^-^)