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秘密の森3

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「ドロシー、ここが秘密の森だぞ!」

森の薄暗い所を少し歩くと、1ヶ所だけ明るい場所がある。この場所がアイクにとっての秘密の森なのね。
物凄く自慢げなのが可愛い。

「綺麗な所だね。」
「こっちにはたくさん花が咲いてるんだ!」
私をグイグイ引っ張って、嬉しそうに森の中に入っていく。
「アイク!奥に行ったら迷うよ。」
「こっちだっ!!」

聞いてない…。
後ろからノートンが付いてきてるから大丈夫だよね。チラッと振り返るとノートンがコクン頷いた。

「ここだ!」
「凄い…。いっぱい咲いてるね。」

今まで花を愛でる事も出来ない…そんな余裕のない生活をおくっていてから、この花畑には物凄く驚いた。

「驚いたか?夫は妻に花をおくるんだ。この花はドロシーにあげるぞ!」
「全部くれるの?」
「そうだ!全部オレのだからな!」
「そんなに欲張らないの。」
「む、うれしくないのか?」
「ふふ、嬉しいよ。」
「ふむ。」

「アイク、この辺りに川があるの?」

水が流れる音がきこえるし、もしあるなら見てみたい。

「ん?あるけど、危ないから近づいたらダメなんだぞ。」
「そうだね。」

アイクがいるのに水辺に行くのは危ないよね。ノートンが泳げるかわからないし…。

花園から戻ると、お昼ご飯が沢山用意されていた。
沢山人がついてきてるなぁとは思っていたけど、護衛…というよりも、お弁当を持つ係にされていたのね。

「お野菜も食べなさい。」
「今日は食べなくていいんだ。」
「それくらい食べれない人とは、結婚しないわ。」
「ぬ…」

そう言うと食べるんだよね。

ご飯を食べるとアイクはスヤスヤと眠ってしまった。ぽかぽかして暖かいから寝ちゃうよね。

私はもう一度お花畑へ行って、そこで寝転がってみた。

「……」

何だろう?人の気配がする…。
ガサガサ音がする方を見ていると、男の人が1人こちらに向かって歩いてくる。
きっと護衛の人ね。一応アイクの妻だから。

私のいるところに来るかと思うとそうじゃなくて、5,6mほど横を通過していく。
寝転んでるから解った。
「っ!?」
魔術の靴を履いてるっ!!

見間違いじゃない、絶対にそうだった!

すぐに起き上がって男の人の後を追ったけど、何故か追いつけない。
「ちょっと待ってくださいっ!!その靴を見せて頂けませんか!!」

あれが本当に魔術の靴なら、何か解るかもしれない!!履いてるのは大人の男の人だし!

走って追いかけていると男の人がパッと消えた。
「一体どこへ…っ!?」

私はずっと花畑を歩いていたのに、どういうわけか足元を見ると川の上で、そのまま川に沈んで流された。
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