34 / 57
アンドリュー2
しおりを挟む
「アイク、眠いの?」
「ん~」
時々あるんだよね。朝眠そうにして私に抱きついて離れない事。
「もう少し寝てようか。」
「ぅん」
「ダージリンさん、もう少しここに残りますね。」
「はい、ではそのようにお伝えします。」
「お願いします。」
もぞもぞと布団に入ってアイクを撫でると、スヤスヤ寝息が聞こえてくる。
「ドロシー、本当に母親みたいになってきてるぞ。」
私達の側にいるノートンに言われた。
「私はまだ18才よ。いくらなんでも…」
「じゃなくて、母性本能というやつだ。」
「……それは良い事ではないの?」
「良い事だな。アイクはいつも寂しそうにしていたから。」
「そうだよね。」
…サラサラの金髪で、目が少し緑っぽい青い瞳。
「アイクは素敵な王子様になるんだろうね。」
「いや、全然。」
「貴方、お友達を酷く言い過ぎよ。」
「まぁ、ドロシーの好みの顔にはならないけどな。」
「…アンドリュー様から聞いたの?」
「さぁ?」
ノートン…やっぱり敵だわ…。
「好みは誰にでもあるものでしょう。金髪碧眼は素敵だけどね。」
「それはアイクだろ。」
「アイクは可愛い。アンドリュー様は綺麗すぎて冷たく見えるしね。」
「綺麗なのに駄目なのか…?」
「別に内面は否定しないわよ。優しいしね。」
「……」
「どうしたの?」
「いや、何でもない。」
「そう…、私も少し寝るわ…。」
そういって、すぐにドロシーは眠った。
「寝るの早すぎだろ…。」
とりあえず、アイクを起こすか。
「アイク、起きろ。」
「るさい、まだ寝…ドロシー?」
「今日もアイクが起きなかったから一緒に寝てる。」
俺はがっつりドロシーを抱き締めている。
「……この時間に起きるのが1番いいな。」
「何を言ってるんだ…。それより、ドロシーがアンドリューを好きになる可能性はありそうだぞ。」
「…本当か?」
「外見は好みじゃないが、内面はいいんだと。優しいから。」
「無防備なドロシーにそろそろ本気で迫ってもいいと思うか?」
「別にいいだろ。愛だの恋だの、始まりにルールなんて無いんだから。」
「お前、なかなか良い事を言うな。」
「さっさと大人にもどれ。」
「明日にでもなってみせる。……ああ、眠くなってきた…。」
そしてそこから俺の記憶は途切れた。
「ん?ドロシー、朝だぞ。ノートン今何時だ?」
「朝の10時です。」
「今日は2人でおねぼうさんだな。ドロシーが寝てるから、オレもここにいよう。」
・・・・
ここはきっと夢の中だ、うっすらアイクの声が聞こえる。
『けっこん』
アイクが靴を履いたのは、私を助けてくれる魔法だったのかもしれない。だからアイクは術師で7年で死んじゃうのかもしれない。
早く何とかしないと…会えなくなる気がする。
「ん~」
時々あるんだよね。朝眠そうにして私に抱きついて離れない事。
「もう少し寝てようか。」
「ぅん」
「ダージリンさん、もう少しここに残りますね。」
「はい、ではそのようにお伝えします。」
「お願いします。」
もぞもぞと布団に入ってアイクを撫でると、スヤスヤ寝息が聞こえてくる。
「ドロシー、本当に母親みたいになってきてるぞ。」
私達の側にいるノートンに言われた。
「私はまだ18才よ。いくらなんでも…」
「じゃなくて、母性本能というやつだ。」
「……それは良い事ではないの?」
「良い事だな。アイクはいつも寂しそうにしていたから。」
「そうだよね。」
…サラサラの金髪で、目が少し緑っぽい青い瞳。
「アイクは素敵な王子様になるんだろうね。」
「いや、全然。」
「貴方、お友達を酷く言い過ぎよ。」
「まぁ、ドロシーの好みの顔にはならないけどな。」
「…アンドリュー様から聞いたの?」
「さぁ?」
ノートン…やっぱり敵だわ…。
「好みは誰にでもあるものでしょう。金髪碧眼は素敵だけどね。」
「それはアイクだろ。」
「アイクは可愛い。アンドリュー様は綺麗すぎて冷たく見えるしね。」
「綺麗なのに駄目なのか…?」
「別に内面は否定しないわよ。優しいしね。」
「……」
「どうしたの?」
「いや、何でもない。」
「そう…、私も少し寝るわ…。」
そういって、すぐにドロシーは眠った。
「寝るの早すぎだろ…。」
とりあえず、アイクを起こすか。
「アイク、起きろ。」
「るさい、まだ寝…ドロシー?」
「今日もアイクが起きなかったから一緒に寝てる。」
俺はがっつりドロシーを抱き締めている。
「……この時間に起きるのが1番いいな。」
「何を言ってるんだ…。それより、ドロシーがアンドリューを好きになる可能性はありそうだぞ。」
「…本当か?」
「外見は好みじゃないが、内面はいいんだと。優しいから。」
「無防備なドロシーにそろそろ本気で迫ってもいいと思うか?」
「別にいいだろ。愛だの恋だの、始まりにルールなんて無いんだから。」
「お前、なかなか良い事を言うな。」
「さっさと大人にもどれ。」
「明日にでもなってみせる。……ああ、眠くなってきた…。」
そしてそこから俺の記憶は途切れた。
「ん?ドロシー、朝だぞ。ノートン今何時だ?」
「朝の10時です。」
「今日は2人でおねぼうさんだな。ドロシーが寝てるから、オレもここにいよう。」
・・・・
ここはきっと夢の中だ、うっすらアイクの声が聞こえる。
『けっこん』
アイクが靴を履いたのは、私を助けてくれる魔法だったのかもしれない。だからアイクは術師で7年で死んじゃうのかもしれない。
早く何とかしないと…会えなくなる気がする。
1
お気に入りに追加
549
あなたにおすすめの小説
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。
水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。
王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。
しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。
ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。
今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。
ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。
焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。
それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。
※小説になろうでも投稿しています。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる