いきなり結婚しろと言われても、相手は7才の王子だなんて冗談はよしてください

シンさん

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初めてあった日4

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「ノートン!!」
「何だ?」
「ドロシーの前でアイクの事を『俺』と言ってしまった!!」
「お前…馬鹿なのか…。」
「それは否定できない…。」


次の日


「ドロシー…もう帰るのか…?まだお昼なのに。」
「うん、でも3回泊まったよ。それに今から帰らないとお家に帰るのが遅くなるから。」
「今日帰ったら3日とちょっとになるからダメだ。」
「……」

アイクが手を掴んで離さない。王子様だからこそ、沢山我慢してる事もあるだろうしね…。

「じゃあ、アイクのお父様が『いい』って言ったら、今日はここにいようかな。」
「よし!父上に聞いてくるっ!!」
「アイザック様!待ってください!」

タタタッと駆け出すアイクをノートンが急いで追いかけてるのが面白い。

「ドロシー様、我が儘を聞いてくれて有難うございます。」

ダージリンさんにお礼を言われたけれど、それを言うのはこっちなんだよね。…あの人達のところへ帰りたくないから。本当はここにいたら迷惑になるのに、だから街で暮らすって決めたのに。逃げられるなら逃げたいって思ってる…。

「アイクはずっと『お母様』に会いたかったんでしょうね…。少し王妃様に似てると陛下に言われましたし。こんな事を言うのは畏れ多いですけどね。」
「いえ、似ていますよ。」
「そうでしょうか?髪の毛が長くて黒髪で目の色は同じなので、特徴は似てますけど…。」
「性格も似てますよ。『王様だからといって自分が出来る事を何でも人にやらせるな。』とキッパリ言った女性です。」

私がアイクに『それくらい自分でやりなさい。』って言ってたのと同じね…。


少しするとニコニコ顔でアイクが帰って来て、ポフと抱きついてきた。

「ドロシー、今日も一緒だぞ!」

「うん。」

こんなに私といるのを喜んでくれるのは、きっとこの子が1番だよね。


・・・・

「これを陛下へ」

1人の騎士がダージリンに書状を渡した。

ダージリンから受け取った書状を見た国王の顔が曇った。

良い事が書かれていない事は、ダージリンはすぐにわかった。

その書状はドロシーの出自についての事だった。

「ダージリン、夜になったらアイクを連れてきてくれ。」

「畏まりました。」
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