いきなり結婚しろと言われても、相手は7才の王子だなんて冗談はよしてください

シンさん

文字の大きさ
上 下
22 / 57

両親

しおりを挟む
とりあえず、靴は3足出来上がった。
あの人達に盗まれないように、部屋には鍵を取り付けた。
どんな事があっても、靴だけは盗られないようにしないとね。アイクを大人にするために大切なんだから。

あれから4日
靴を持って城へ行くと、アイクがそわそわして待っていた。
「アイク、おはよう。」
「む、『おはよう』の前に、『ただいま』だぞ!お家に帰ってきたんだから。」
「ふふ、ただいま。」
「ドロシー、屈んで。」
「ん?」
「『おかえりのちゅー』だ!」
そう言って、チュっとされた。

これ、どんどん増えていくよね…。
まわりはニコニコして止める様子が全くないし。小さくなっても一応20才の王太子様だけど、その辺は問題ないのかな…。

「今日はアイクのために3足靴を持ってきたから、履いてみてくれる?」
「ふむ、妻から夫へのプレゼントだな。」
「うん。」
「でも、靴ばっかりだな。チョコでもいいぞ。」

…っていうか、チョコがいいのね。そうだよね。靴ばっかり何足も貰っても嬉しくないよね。

「ドロシー!今日はお庭で遊ぶぞ!」
「アイザック様、ドロシー様は今到着したばかりですので、少し休ませてあげましょう。」
「そうか、夫は妻にやさしくしないと。ドロシー、何が飲みたい?」
「何でもいいよ。」
「じゃあ、オレンジジュースだ!」

今まで気がつかなかったけど、少しずつ縮んでるなら体に異常がでたりするかもだよね。
「アイク、体が痛いとか苦しいとか体調は悪くない?」
「ん?元気だぞ。でもドロシーがいない日は、さみしくて何だか元気が出ない。だから、早くドロシーは帰ってこないとダメだぞ!」
「でも誕生日までだよ。」
「ダメだ。今日から帰ってきてもいいぞ!」
「ふふふ…」
「む、何を笑ってるんだ。ドロシーはさみしくないのか?」
「寂しいよ。」
「そうか、やっぱり同じだな。」
「うん。」
今はアイクといるのが1番楽しいかもしれない。

それからお庭で遊ぶけど、アイクの元気さについていけなかった。
お花や虫を見たり、かけっこしたり…とても疲れたわ。
アイクが楽しそうだからいいけどね。



日に日にアイクは小さくなる。まだ誰も知らない。知らないうちに戻したい。アイクが小さくなり続けたら陛下は辛いなんてものじゃないよね。王妃様も亡くしてるんだから。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】お飾りではなかった王妃の実力

鏑木 うりこ
恋愛
 王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。 「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」  しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。    完結致しました(2022/06/28完結表記) GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。 ★お礼★  たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます! 中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。

ふまさ
恋愛
 楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。  でも。  愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました

新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。

処理中です...