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7才と20才2
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両親は何処にいるのかと思えば、既に城にいる。もてなす必要なんてないのに…。
3人だけで話がしたい。けれど、ここはそれが通用する所じゃない。余所者3人だけで話す事なんて出来ないよね。
「何か用ですか?」
「私達は、ドロシーが働いている姿を見たくて。」
「…で、どうやってここへ入り込んだんですか?」
「許可は貰ったのよ。」
許可……。そんなものが貰える訳がないわ。ただの庶民のドロシーの両親ですって言って、誰がここに通すのよ。
ここまで来てしまったのだから、そこはもういいわ。
「用は?この前の話の続きなら無理よ。ここにいるのも今日まで。すぐに城をでるの。残念ね。」
「ドロシー、君はここに住むんだよ。」
「…ア…私の問題です。」
アイザックともアンドリューとも呼べない。そして今は1番話に入ってきてほしくない。影だとしても、人前ではアイザックだもの。これを見て王太子と私は仲がいいなんて勘違いされたら、この人達は調子に乗る。
「荷物をまとめてくるわ。あんた達は先に出てって。目障りよ。」
2人を城門まで送ってから、すぐに部屋で最低限の物を鞄に放り込んだ。靴を作る道具を全て鞄に放り込んでいると、アイクの声がする。
「ドロシー!出ていくなんてダメだぞ!!もうけっこんしてるんだから!夫に相談しないといけないんだぞ。」
「…アイクが18才になったら暮らす事にして、それまでは靴屋さんをする事にしたの。会いに来るからね。」
アイクの靴を作って、その靴の代金だけは貰えるようにダージリンさんに話はしてある。
「ダメだっ!!ドロシーはオレとずっと一緒にいるんだっ!…っ出ていったら…ダメだ!」
アイクの目に涙が溢れてるのを見ると辛い。けれど、度々あの最低な親が城に来る可能性がある。迷惑なんて考えない。自分達さえよければ、娘だって売る人間。
どこまでも足手まといで最低な、親子の縁を切れるなら切りたい。けどそれが自分で申請出きるのは20才になってから。
城で色々な事を試してみる事は出来なくなるけど、靴だけは作る。アンドリュー様にサイズも測らせて貰ったしね。
「いやだぁぁ!!ドロシーと一緒にいるんだぁーー!ぅわああぁんっ…いやだぁー!」
泣いてるアイクを見るのは辛かったけど、私は城を出た。
城の前で待ってる2人は、私といれば城に入れる日が来ると思ってるのか、ニコニコしている。
「あんた達は、どこに住んでるの?」
「まだ家が決まってなくて…そこのホテルに泊まってるんだ。」
「泊まってる?…いつから?」
「ドロシーがこの街にいるって聞いてからすぐだ。」
「お金は?」
「借金を返せるほどのお金があるんでしょう?少しくらいホテルに泊まったって…ねぇ、あなた。」
「そうだな、ステフ。」
「あんた達、ホントに死んでくれない…。こんなホテルの代金が私に払える訳がないでしょ…。そもそも、私に払わせようとしてるって気持ち悪いんだけど。」
「ドロシー」
「呼ぶなっ!!あんたらに名前も呼ばれたくない!この名前だって棄てたいくらいよ!お願いだから、私の視界に入ってこないでっ!!」
3人だけで話がしたい。けれど、ここはそれが通用する所じゃない。余所者3人だけで話す事なんて出来ないよね。
「何か用ですか?」
「私達は、ドロシーが働いている姿を見たくて。」
「…で、どうやってここへ入り込んだんですか?」
「許可は貰ったのよ。」
許可……。そんなものが貰える訳がないわ。ただの庶民のドロシーの両親ですって言って、誰がここに通すのよ。
ここまで来てしまったのだから、そこはもういいわ。
「用は?この前の話の続きなら無理よ。ここにいるのも今日まで。すぐに城をでるの。残念ね。」
「ドロシー、君はここに住むんだよ。」
「…ア…私の問題です。」
アイザックともアンドリューとも呼べない。そして今は1番話に入ってきてほしくない。影だとしても、人前ではアイザックだもの。これを見て王太子と私は仲がいいなんて勘違いされたら、この人達は調子に乗る。
「荷物をまとめてくるわ。あんた達は先に出てって。目障りよ。」
2人を城門まで送ってから、すぐに部屋で最低限の物を鞄に放り込んだ。靴を作る道具を全て鞄に放り込んでいると、アイクの声がする。
「ドロシー!出ていくなんてダメだぞ!!もうけっこんしてるんだから!夫に相談しないといけないんだぞ。」
「…アイクが18才になったら暮らす事にして、それまでは靴屋さんをする事にしたの。会いに来るからね。」
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「ダメだっ!!ドロシーはオレとずっと一緒にいるんだっ!…っ出ていったら…ダメだ!」
アイクの目に涙が溢れてるのを見ると辛い。けれど、度々あの最低な親が城に来る可能性がある。迷惑なんて考えない。自分達さえよければ、娘だって売る人間。
どこまでも足手まといで最低な、親子の縁を切れるなら切りたい。けどそれが自分で申請出きるのは20才になってから。
城で色々な事を試してみる事は出来なくなるけど、靴だけは作る。アンドリュー様にサイズも測らせて貰ったしね。
「いやだぁぁ!!ドロシーと一緒にいるんだぁーー!ぅわああぁんっ…いやだぁー!」
泣いてるアイクを見るのは辛かったけど、私は城を出た。
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「ドロシーがこの街にいるって聞いてからすぐだ。」
「お金は?」
「借金を返せるほどのお金があるんでしょう?少しくらいホテルに泊まったって…ねぇ、あなた。」
「そうだな、ステフ。」
「あんた達、ホントに死んでくれない…。こんなホテルの代金が私に払える訳がないでしょ…。そもそも、私に払わせようとしてるって気持ち悪いんだけど。」
「ドロシー」
「呼ぶなっ!!あんたらに名前も呼ばれたくない!この名前だって棄てたいくらいよ!お願いだから、私の視界に入ってこないでっ!!」
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