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曲がり角
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……私には2度と会いたくない人が2人いる。
それは両親…。
「ドロシー、久しぶりだな。」
「元気にしていたの?」
「…借金完済したら出てくるなんてね…。何か用?私にはやる事があるの。」
お金を返したってどうやって知ったかわからないけど、ここにいるって嗅ぎ付けてくるなんて…。気持ち悪いわ。
「今、城で働いているんだってな。父さんは嬉しいよ。」
「…で、何?」
「…いや…少し、金を貸してほしい。」
この人達の娘なのが本当に気持ち悪い。
「あんたらに貸すお金があったなら、溝に捨てた方がましよ。」
アイクは私と『けっこん』とまっすぐ真面目に言ってくれる。そんな私は、親を『死ねばいい』と思うほど憎んでる。いつか汚れた心が見られてしまう。そんなの嫌よ。
私はその場から逃げた。2度と会わなければそんな私をアイクに見せなくてすむ。私が城に住まわせて貰ってる…なんて、知られてたまるかっ!!
ドンッ
走ってると、角を曲がってきた人とぶつかった。
「うう…ごめなさい。」
「いや、こっちこそ……、ドロシー?」
「へ?」
何で私の名前…しってるの?って、後ろにいるのはノートンだわ。
「この人、ノートンの知り合い?…ノートン?どうしたの、変な顔して。」
「ノートンなんてどうでもいい、ドロシー、俺と結婚してくれ。」
「……結婚?」
なにこの人…。
「いいえ、結構です。…やる事があるので失礼します!」
「あっ!待ってくれ!!」
うわーー!!『けっこん』ってなにーぃ!!危ない人だ!絶対に近寄っちゃダメよ!アイクに引き続き、とてつもない問題を背負ってしまう気がするわ!
「おい、何故ドロシーが俺から逃げるんだ?一緒の部屋で生活してるなら、俺を知ってるはずだ…。なのに逃げたぞ…。」
「はぁ……。お前はドロシーといる時は子供になってるんだ。って、何回も言ったよな。」
「…ノートン、本当に頭は大丈夫か?」
「お前はそろそろ認めろ。ドロシーが会ってるのは『7才のアイザック王子』だ。『20才のアイザック王太子』じゃない。」
「では、何故その記憶が俺に無いんだ?」
「それこそ俺がしるわけいだろ。」
・・・・
明日から暫く靴作りに専念しよう。
図書室から出ると、ちょうどそこにアイクとノートンがいた。
「ドロシー、夜ごはんだ!今日はローストビーフというやつだ。オレはあまり好きじゃないけど、ドロシーはどうだ?」
…これは、あまり好きじゃないって言ってほしいんだろうな。
「ふふ、私もあまり好きじゃないよ。」
「そうかっ!やっぱりドロシーもオレと同じだな!」
「でも食べないと駄目よ。」
「む…、仕方ない、俺は夫だからな。妻のお手本にならなくては。」
結婚もしてないし、しないんだけど、まわりの空気が優しくなるのがわかるから、ここにいる間はこのままでいよう。7年、ううん、もう6年半をきってしまってる。6才なら小さくなってもなんとか騙せる。けれど5才はきつい。この時は皆に小さくなってるって気がつかれるよね。私が口に出さなくても、小さくなり続ければ死ぬ…それは誰でも思うはず。
どうしたらいいの…。
今日もカタカタと椅子をピッタリくっつけてご機嫌なアイク。
「ドロシーは何でそんな棒をつかってご飯を食べるんだ?」
「私が産まれたところでは、これで食べてたの。」
「そうなのか。ではオレも出来るようにならないと。ノートン、この棒をオレの分も持ってこい。」
隣にいるメイドじゃなくて、後ろに控えるノートンに頼むなんて。
…俺は護衛で給仕じゃないぞって顔をしてるわ。
「ん?何か面白いことがあったのか?」
「秘密。」
「ぬ、夫にヒミツ、ダメなんだぞ!」
「アイザック、女の人には秘密があるから魅力的なんだぞ。」
「う~ん、父上がそういうのなら信じる。」
親子の会話は優しい。私の親とは全然違うわ。15才の私を色街に売ろうとする、同じ女である母でさえ『仕方がない』なんて言う下衆な人達とは大違い。
借金を賭事で返そうとして失敗、さらに負債が増えて雪だるま。
「ドロシー?どこか痛いのか?」
「…ん?そんな事ないよ?」
「そうか。ならよかった!」
「心配してくれてありがとう。」
「俺は夫だからな。妻を悲しい気持ちにさせないんだ。」
この子は出会ったときよりも性格は成長している気がするのよね。最初は何か言えばすぐに泣いていたのに、最近は泣かないしね。体だけが小さくなるなんて事もあるの?それはそれで恐怖は増してしまう気がする。
早くなんとかしないと!!
夜ご飯が終わればお部屋で遊ぶ時間。
「ノートン!いつもいつも部屋に入ってくるな!」
アイクは私と2人がいいみたいだけど、ノートンは最近ずっと部屋にいるんだよね。
「そうだ、アイクの誕生日はいつ?」
「後3ヵ月で8才だぞ。」
「……」
「ん?結婚に近づくのに嬉しくないのか?」
「嬉しいよ。」
「そうか、俺も早く大人になるぞ!」
「……」
早くしないとアイクの未来が…。大人になりたいって、将来を楽しみにしてるのよ。頑張らないと!
「アイク、もう寝ようか。」
「……」
ソファーでうとうとしてるけど、何故かそこから離れようとしない。いつもなら『うん』って言うのに、何かあったのかな?
「どうしたの?」
「変な男にドロシーがとられる。」
「変な男?」
「わからないけど、とられ…る…」
「とられないよ。」
「と…ら……」
「アイク?」
「……」
寝ちゃった。
「ごめんなさい。まだ服を着替えさせて無かったわ。」
「それくらい問題ない。」
「そう、ならよかった。…そうだ、ノートン。貴方のお友達、あの人を私に近づけないで。急に『結婚してくれ』だなんて意味が解らないわ。」
「…ドロシー、あれは誰だか解らないか?」
「突然プロポーズしてきた訳のわからない男…としか。」
「見たことあったり…とか。」
「…どこかで見た事がある気がするけど、この街に私をしる男は城の住人だけよ。私の知り合いなら、あの人は誰なの?」
「いや…奴の一目惚れらしい。すまん。」
「……私は靴を見てくるわ。調整したいの。ダージリンさんにそう伝えておいて。」
パタン
ドアが閉まったとたんにアイク(7才)はアイク(20才)になった。
それは両親…。
「ドロシー、久しぶりだな。」
「元気にしていたの?」
「…借金完済したら出てくるなんてね…。何か用?私にはやる事があるの。」
お金を返したってどうやって知ったかわからないけど、ここにいるって嗅ぎ付けてくるなんて…。気持ち悪いわ。
「今、城で働いているんだってな。父さんは嬉しいよ。」
「…で、何?」
「…いや…少し、金を貸してほしい。」
この人達の娘なのが本当に気持ち悪い。
「あんたらに貸すお金があったなら、溝に捨てた方がましよ。」
アイクは私と『けっこん』とまっすぐ真面目に言ってくれる。そんな私は、親を『死ねばいい』と思うほど憎んでる。いつか汚れた心が見られてしまう。そんなの嫌よ。
私はその場から逃げた。2度と会わなければそんな私をアイクに見せなくてすむ。私が城に住まわせて貰ってる…なんて、知られてたまるかっ!!
ドンッ
走ってると、角を曲がってきた人とぶつかった。
「うう…ごめなさい。」
「いや、こっちこそ……、ドロシー?」
「へ?」
何で私の名前…しってるの?って、後ろにいるのはノートンだわ。
「この人、ノートンの知り合い?…ノートン?どうしたの、変な顔して。」
「ノートンなんてどうでもいい、ドロシー、俺と結婚してくれ。」
「……結婚?」
なにこの人…。
「いいえ、結構です。…やる事があるので失礼します!」
「あっ!待ってくれ!!」
うわーー!!『けっこん』ってなにーぃ!!危ない人だ!絶対に近寄っちゃダメよ!アイクに引き続き、とてつもない問題を背負ってしまう気がするわ!
「おい、何故ドロシーが俺から逃げるんだ?一緒の部屋で生活してるなら、俺を知ってるはずだ…。なのに逃げたぞ…。」
「はぁ……。お前はドロシーといる時は子供になってるんだ。って、何回も言ったよな。」
「…ノートン、本当に頭は大丈夫か?」
「お前はそろそろ認めろ。ドロシーが会ってるのは『7才のアイザック王子』だ。『20才のアイザック王太子』じゃない。」
「では、何故その記憶が俺に無いんだ?」
「それこそ俺がしるわけいだろ。」
・・・・
明日から暫く靴作りに専念しよう。
図書室から出ると、ちょうどそこにアイクとノートンがいた。
「ドロシー、夜ごはんだ!今日はローストビーフというやつだ。オレはあまり好きじゃないけど、ドロシーはどうだ?」
…これは、あまり好きじゃないって言ってほしいんだろうな。
「ふふ、私もあまり好きじゃないよ。」
「そうかっ!やっぱりドロシーもオレと同じだな!」
「でも食べないと駄目よ。」
「む…、仕方ない、俺は夫だからな。妻のお手本にならなくては。」
結婚もしてないし、しないんだけど、まわりの空気が優しくなるのがわかるから、ここにいる間はこのままでいよう。7年、ううん、もう6年半をきってしまってる。6才なら小さくなってもなんとか騙せる。けれど5才はきつい。この時は皆に小さくなってるって気がつかれるよね。私が口に出さなくても、小さくなり続ければ死ぬ…それは誰でも思うはず。
どうしたらいいの…。
今日もカタカタと椅子をピッタリくっつけてご機嫌なアイク。
「ドロシーは何でそんな棒をつかってご飯を食べるんだ?」
「私が産まれたところでは、これで食べてたの。」
「そうなのか。ではオレも出来るようにならないと。ノートン、この棒をオレの分も持ってこい。」
隣にいるメイドじゃなくて、後ろに控えるノートンに頼むなんて。
…俺は護衛で給仕じゃないぞって顔をしてるわ。
「ん?何か面白いことがあったのか?」
「秘密。」
「ぬ、夫にヒミツ、ダメなんだぞ!」
「アイザック、女の人には秘密があるから魅力的なんだぞ。」
「う~ん、父上がそういうのなら信じる。」
親子の会話は優しい。私の親とは全然違うわ。15才の私を色街に売ろうとする、同じ女である母でさえ『仕方がない』なんて言う下衆な人達とは大違い。
借金を賭事で返そうとして失敗、さらに負債が増えて雪だるま。
「ドロシー?どこか痛いのか?」
「…ん?そんな事ないよ?」
「そうか。ならよかった!」
「心配してくれてありがとう。」
「俺は夫だからな。妻を悲しい気持ちにさせないんだ。」
この子は出会ったときよりも性格は成長している気がするのよね。最初は何か言えばすぐに泣いていたのに、最近は泣かないしね。体だけが小さくなるなんて事もあるの?それはそれで恐怖は増してしまう気がする。
早くなんとかしないと!!
夜ご飯が終わればお部屋で遊ぶ時間。
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アイクは私と2人がいいみたいだけど、ノートンは最近ずっと部屋にいるんだよね。
「そうだ、アイクの誕生日はいつ?」
「後3ヵ月で8才だぞ。」
「……」
「ん?結婚に近づくのに嬉しくないのか?」
「嬉しいよ。」
「そうか、俺も早く大人になるぞ!」
「……」
早くしないとアイクの未来が…。大人になりたいって、将来を楽しみにしてるのよ。頑張らないと!
「アイク、もう寝ようか。」
「……」
ソファーでうとうとしてるけど、何故かそこから離れようとしない。いつもなら『うん』って言うのに、何かあったのかな?
「どうしたの?」
「変な男にドロシーがとられる。」
「変な男?」
「わからないけど、とられ…る…」
「とられないよ。」
「と…ら……」
「アイク?」
「……」
寝ちゃった。
「ごめんなさい。まだ服を着替えさせて無かったわ。」
「それくらい問題ない。」
「そう、ならよかった。…そうだ、ノートン。貴方のお友達、あの人を私に近づけないで。急に『結婚してくれ』だなんて意味が解らないわ。」
「…ドロシー、あれは誰だか解らないか?」
「突然プロポーズしてきた訳のわからない男…としか。」
「見たことあったり…とか。」
「…どこかで見た事がある気がするけど、この街に私をしる男は城の住人だけよ。私の知り合いなら、あの人は誰なの?」
「いや…奴の一目惚れらしい。すまん。」
「……私は靴を見てくるわ。調整したいの。ダージリンさんにそう伝えておいて。」
パタン
ドアが閉まったとたんにアイク(7才)はアイク(20才)になった。
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