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本編後ストーリー

私の居場所

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 帰ると城は大騒ぎになっていた。


「ニーナ様っ!!ご無事でしたかっ!よかった!本当によかったっ!!……っっ」
「ケイト、泣かないで。ごめんね。私がいなくなったばっかりに…」
「ニーナ様、申し訳ございません。私が至らないばかりに…」

 執事長が深々と謝るから、とても申し訳ない。

「いえ、勝手な行動をとったのは私だもの。この城から脱走出来る女がいるだなんて、想像出来る訳がないのよ」
「これからは警備も厳重に、脱出経路も予想がつきましたので、改善させていただきます。同じ手口で不審者が入ってくる可能性もございますので。本当に申し訳ありませんでした」
「…そんなに気にしなくていいのよ。別に危ない事もなかったし……」

 どうしよう……私の脱出経路が潰されてしまったわ…。

「クククッ」
「……っっ」

 私の顔を見てエドワードとクリフが笑いをこらえている。

「…2人とも、何がおかしいのよ」

「エドワード様、ここでの教育をやり直す事にしました。お金を貰ってニーナ様を追い出そうとしていたり、異国の者に王家の血筋を引き継がせたくない…と、意味の解らない事を言う者がいまして……」

 やっぱり…。

執事長ロナルド、話の続きと対策はまた明日話そう。俺達は疲れたから部屋にもどる」
「畏まりました。」
「ニーナ、行こうか。」
「ええ」

 私達はエドワードの部屋へむかった。部屋に入ったとたんにエドワードに後ろから抱き締められた。

「エドワード?」
「生きててよかった。本当に……」
「…うん、エドワード、来てくれてありがとう」
「怪我をさせてしまった……」
「これは私のせいよ。気にしないで」
「気にしないなんて事は出来ない。俺は君といる未来しか描けないんだ…。何からも護りたいんだよ」
「……ごめんなさぃ…っ」
「ニーナ?」
「変ね、銃で殺されそうになっても涙は出なかったのに、貴方に言われると泣いてしまうわ」
「うん、ニーナも俺といたい?」
「……」

 私は頷いた。
 だから泣いてしまうんだわ…。エドワードと離れるのは怖いもの。

「ニーナ、俺は笑顔の方が好きだよ。だから泣かないで」
「……うん」

 これからは考えよう。

 私は1人じゃないのよ。
 城の人だって、皆が私の事を嫌いな訳じゃなかったのに…。被害妄想よ。


「エドワードがいない時は私が城を守るわ」
「あまり無理はしなくてもいいよ」
「どうして?」
「また脱走する気がするから」
「脱走経路は無くなったわ」
「なら俺が教えてあげるよ。まだ残ってたらだけどね」
「そんな事をすれば、帰ってこないかも知れないわよ」
「そうならないように、俺は頑張るよ」
「っ!?」

 エドワードに頬に軽く口付けされた。

「涙は止まった?」
「…っ止まってないわ」
「そっか」

 エドワードが優しく笑ったから、私も笑った。

 私は忘れていたわ。私の居場所は国でも城でもどこでもない、エドワードの隣よ。

 ニーナとして、そして王妃としてね。



 まぁ…時々は脱走はするけどね。




 おわり
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