結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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本編後ストーリー

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『皆さん、手伝って欲しい事があるんです!』


 戦の園を見て、本当の狙いが解った。
 侯爵の狙いは土地かもしれない。けれど、荷担している人…「得をする人」の欲しい物はそれじゃない。

『戦の園に咲く花、あれはケシの花ですよね?』
『…ケシ?』

 ここでは違う名前なのね。アヘンと言えばわかるかしら…。まぁ何でもいいか。

『皆さんはあの赤い花に手をつける事はないでしょう?』
『ええ、あれは狂い花と呼んでいて、狂人が沢山でました。それからは、行く事を禁じて管理しています』
『けれど、土地を手放してしまった。侯爵がどう使うかはわかりませんが、このままだと大変な事になってしまうかもしれません。これからも貴方達の手で、誰も入ってこないよう守ってほしい。私がこの花束2つで侯爵を追い詰めます』

 契約書も何もないけれど、この土地を取り返すならこれしかない。

 欲しかったものは土地とケシ。
 これを悪用しない人達だったから、今日まで街はなりたってきた。けれど、そうじゃない人に渡れば大変な事になる。医療で少し使うとか、そこまでなら許されてもそれ以上は許せない。

 …これがあれば、エドワードに渡すだけで話は済むよね。見つかりたくはないけれど、もうそんな事は言っていられなくなったわ。


 おじさんが、花を刈ってきてくれた。

『ハッハッハッ、娘さん、あんたはこの花みたいな女じゃな』
『…ありがとうございます』

 それは狂ってるって事…?

『この花束を2つ持って私は街に戻ります。皆さん待っててください』

 私は馬で街までもどった。
 花束の1つは教会になげる。これはきっと大きな問題になる。

 空はオレンジ色、もうすぐ日が落ちる。
 一直線で教会へ向かって、女神の神殿に花束を投げ込んだ。そこには何人かシスターがいたから、見つけてくれれば何とかなる。

 残りの1つは、エドワードに渡すだけ。でも、今日は一度裏側の街へ帰ろう。それが1番安全でやりやすい。

 明日、エドワードの到着より遅くなれば会わせて貰えない。レオンや私をしってる騎士は、絶対にエドワードについてるもの。私を知らない騎士に会っても意味がない。早朝から街で身を隠して、ヤングより先にエドワードに会う!



 完全に日が暮れた。
 街は明るい、それとは真逆、裏側へいく道は月明かりのみ。あまりスピードは出せないけれど、今はまだ道が見えないほどじゃない……

「……っ!?」

 なんて事なの…。
 馬で裏側に行ける唯一の道、そこにヤングがいた。

 よまれてたって事ね。
 私が馬でここを通って、その時ケシも見つけるだろうって。
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