結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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本編後ストーリー

貴方ならできる2

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「明日といったけれど、来てほしいところがあるの。裏側の街よ」

「……っ」

 やっぱり皆怖いのよね。自分達がやってきた事の、罪の大きさを知るといいのよ。

「街を遠くから眺めるだけでいいの。パリス、貴方に話ができないなら、そこは私がやるわ。役割分担よ」
「……」
「貴方が助けたいと思う人が住む街を見れば、少し強くなれるわ」
「遠くから見るだけでもいいんだね…」
「ええ。行きましょう」

 私達はお店を出て、教会までもどった。

『ただいま戻りました』
『早かったな…って、何でそいつがいるんだよ!お前も敵たったのか!』
『違うの!ブロギー君!話を聞いて!』

 怒って当たり前だよね。ヤングの息子なんて見たくないだろうし…。

『ブロギー、少しニナさんの言う事を聞きましょう』
『シスター、ありがとうございます』

 ブロギー君は納得いかないようだけれど、私は話を続けた。

『この人はヤングの息子だけど、唯一街の皆を救おうとした人なの。この街の事を伝えに行くために、王様に会いに行きたいと申し出てるくらい』
『そうなのですか?』
『ええ。だから一緒に来てもらいました。1度街を見たいそうです。さすがに中に入れないけど、遠目にでも見たい…と。知らなければ、エドワード陛下に伝えられないから…と』
『そんなのも全部ウソだ!!』
『ブロギー君…』
『解りました。信じましょう』
『何でだよっシスターっ!また騙されるぞっ!!』
『ブロギー、今の私達に盗まれる物がありますか?私達を騙して、2人が得られるものなどないでしょう』
『……』
『行きましょう。ヤングさん、ご案内します』

 ヤングを案内する事は出来そうだけど、ブロギー君は怒って口をきいてくれないし、泊めてもらうのは無理そうかなぁ…。


 それより今は、街まで歩く間に少しでも話を聞かないと。

「パリス、被害にあった人は他にも沢山いるの?」
「ああ、あと1つ同じような目にあってる……」
「その人達も裏側へ?」

「ああ、皆裏側へ…」

 でもおかしいよね。ブロギー君達は言葉が解らなくて騙された。それはわかるけど…

「他の土地の人は、どうして土地を売ったの?簡単ではないはずよ」 
「…何人か人を誘拐して、脅した」
「……誘拐っ!?」
「さすがにそれは許せなくて、子供を逃がしたら隔離された…。俺が出てきた時には……」

 そう言って、ハリスが顔を横に振った。

「そんな事がなぜ通用するの?」
「それなりに得をする人がいる。父だけじゃなくてね。警察もその1つだよ」

 想像以上に酷い警察だわ!それも絶対に捕まえる。


『2人とも、この道の上からなら街が見えます』

 シスターが案内してくれた丘の上から、街が一望出来た。

「パリス…あれを見て」
「あれが、街?」
「そう、街なの…。家はなんとか並んでいるけど、ボロボロよ。この土地にしか住めなくなった人達の生活は劣悪なの」

 2度目の私ですらまだ驚くんだから、パリスはもっとだよね。

「……」
「手伝ってくれる気持ちは出来た?」
「ああ。ただ契約書は難しい。今解ってるのは通訳の居場所。やっと突き止めた…」
「…っありがとう!」

 パリスなりに、少しは動ていたんだわ。

 さっきは酷い事を言ってしまったわね。今まで何もしなかった前提で、彼に話していたもの。 
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