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本編後ストーリー
貴方ならできる
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とりあえずパリスを探すけれど、家にはいないよね。『お父様』から逃げたいはずだもの。
この街で『パリスを見なかったか』と聞いてまわるのもリスクが高い。けど誰かに聞かないと、糸口さえつかめないよね…。パリスがよく行く図書館のすぐそばのお店で聞いてみよう。
「すみません。少しお伺いしたいのですが」
「シスター、どうしましたか?」
とても笑顔で丁寧にこたえてくれるわ。この街ではシスターは影響力があるのね。
「突然申し訳ありません。パリス様がどこにいるかご存知でしょうか?」
「ああ、図書館じゃなきゃ喫茶店だと思います。店を出て左に曲がって、1つ目の角をまた左。それから3つめの角を右に曲がればありますよ。決まった行動しかとらないようで…」
「なぜ?」
「…はっきりとは解りませんが」
大きな声では言いにくそうだったので、私は店主に近づいた。
「父親に、いつでも居場所がわかるように、範囲を決められてるんじゃないか…と」
小さな声で教えてくれた話は納得できた。
「ありがとう、とても助かりました。お仕事頑張ってくださいね」
「はい」
店主に手を降って、私は言われた通り喫茶店に行ってみた。
「本当にいたわ…」
忠実…というか、情けないというか……。
「偶然ですね、パリス様。お父様のご機嫌は如何ですか?」
「え……?」
私は何も聞かずに、パリスの前に座った。
「君は…」
「名前は言わないで。このままシスター相手に話している事にして」
「…わかった」
「明後日、貴方のお父様に会う事にしたわ」
「っ!?」
「貴方は何もしないようだから」
「……」
「エドワードに話をする前に、状況を確認しましょう」
ここはエドワードに近い者だと知って貰うしかない。婚約者とは言えないけど。
「エドワードの昔馴染みから言わせてもらうわ。今の貴方の訴えでは、彼は動かないわよ。証拠もないし、視察をしてすぐ後に『街が崩壊しかけてます』なんて、信じると思うの?」
「……仕方ない。俺には何も出来ない」
ほんっとうに、イライラするわ。やってもみないうちから『出来ない』なんて、絶対に許さない。
「それはお父様に言われたから?お父様が言う事は、貴方にとって全てなの?」
「……」
「この喫茶店にいる事もその1つ」
「……すぐにいる場所がわかれば、何かと不便がないだろう」
「貴方、そんな事でよく『エドワードに会いたい』…と言えたわね。指定の場所に貴方がいなければ…夜になっても帰って来なければ、お父様はなんて思うかしら」
「……」
「それくらいは考えてたのでしょう?この街をひっそり出て行って、もしかしたらいない事に気がつかれるかもしれない。それでも訴えたいのでしょう?」
「そうだよ…。けど、父に言われると何もできなくなる。昔から……」
恐怖で押さえつけられて育ったら、そうなるのね。私と真逆だから理解できないけど。
「今回の視察でけりをつけましょう。貴方が何かをして、お父様にしかられるなら、その姿をエドワードの前で見せればいい。どんな醜態でもいいわ。叫ぶの。こんな街がある!って」
「そんな事、出来る訳が…」
「出来る訳がない、その『訳』は貴方にとってお父様なの?何をしても上手くいかない。それは全てお父様のせいなの?」
「偉そうに言うなら君が解決すればいいだろ」
「ええ、解決するつもりよ。だから貴方に手を貸して欲しいの。私だけでは難しい。けれど貴方が少し助けてくれれば、後は私がやるわ」
「…出来るわけ」
「出来るの!出来るわけないって、その言葉、次使ったら殴るわよ」
「……」
「挑戦だけはしてみて欲しいの。駄目だった時は仕方がないと受け止めるわ。けれど、最初から出来ないと言わないで。『やってみる事』だけなら誰でも出来るのよ」
「…何をすればいい?」
「欲を言えば、立ち退きさせた時に必要になった契約書。出来なければ何でもいい。ほんの少しの情報でもいい。それを見つけてほしいの」
「…わかった」
「貴方なら出来るわ。エドワードがここに来た日、絶対に会わせてあげるわ。あの人を味方につけなさい、そうすればこちらの勝ちよ」
「……」
「明日、図書館で会いましょう」
そうだわ…1度街を見せた方がいいかもしれない。近寄らなくても見るだけなら出来るんだから。
そうすれば、大きく気持ちが動くかもしれないもの。
この街で『パリスを見なかったか』と聞いてまわるのもリスクが高い。けど誰かに聞かないと、糸口さえつかめないよね…。パリスがよく行く図書館のすぐそばのお店で聞いてみよう。
「すみません。少しお伺いしたいのですが」
「シスター、どうしましたか?」
とても笑顔で丁寧にこたえてくれるわ。この街ではシスターは影響力があるのね。
「突然申し訳ありません。パリス様がどこにいるかご存知でしょうか?」
「ああ、図書館じゃなきゃ喫茶店だと思います。店を出て左に曲がって、1つ目の角をまた左。それから3つめの角を右に曲がればありますよ。決まった行動しかとらないようで…」
「なぜ?」
「…はっきりとは解りませんが」
大きな声では言いにくそうだったので、私は店主に近づいた。
「父親に、いつでも居場所がわかるように、範囲を決められてるんじゃないか…と」
小さな声で教えてくれた話は納得できた。
「ありがとう、とても助かりました。お仕事頑張ってくださいね」
「はい」
店主に手を降って、私は言われた通り喫茶店に行ってみた。
「本当にいたわ…」
忠実…というか、情けないというか……。
「偶然ですね、パリス様。お父様のご機嫌は如何ですか?」
「え……?」
私は何も聞かずに、パリスの前に座った。
「君は…」
「名前は言わないで。このままシスター相手に話している事にして」
「…わかった」
「明後日、貴方のお父様に会う事にしたわ」
「っ!?」
「貴方は何もしないようだから」
「……」
「エドワードに話をする前に、状況を確認しましょう」
ここはエドワードに近い者だと知って貰うしかない。婚約者とは言えないけど。
「エドワードの昔馴染みから言わせてもらうわ。今の貴方の訴えでは、彼は動かないわよ。証拠もないし、視察をしてすぐ後に『街が崩壊しかけてます』なんて、信じると思うの?」
「……仕方ない。俺には何も出来ない」
ほんっとうに、イライラするわ。やってもみないうちから『出来ない』なんて、絶対に許さない。
「それはお父様に言われたから?お父様が言う事は、貴方にとって全てなの?」
「……」
「この喫茶店にいる事もその1つ」
「……すぐにいる場所がわかれば、何かと不便がないだろう」
「貴方、そんな事でよく『エドワードに会いたい』…と言えたわね。指定の場所に貴方がいなければ…夜になっても帰って来なければ、お父様はなんて思うかしら」
「……」
「それくらいは考えてたのでしょう?この街をひっそり出て行って、もしかしたらいない事に気がつかれるかもしれない。それでも訴えたいのでしょう?」
「そうだよ…。けど、父に言われると何もできなくなる。昔から……」
恐怖で押さえつけられて育ったら、そうなるのね。私と真逆だから理解できないけど。
「今回の視察でけりをつけましょう。貴方が何かをして、お父様にしかられるなら、その姿をエドワードの前で見せればいい。どんな醜態でもいいわ。叫ぶの。こんな街がある!って」
「そんな事、出来る訳が…」
「出来る訳がない、その『訳』は貴方にとってお父様なの?何をしても上手くいかない。それは全てお父様のせいなの?」
「偉そうに言うなら君が解決すればいいだろ」
「ええ、解決するつもりよ。だから貴方に手を貸して欲しいの。私だけでは難しい。けれど貴方が少し助けてくれれば、後は私がやるわ」
「…出来るわけ」
「出来るの!出来るわけないって、その言葉、次使ったら殴るわよ」
「……」
「挑戦だけはしてみて欲しいの。駄目だった時は仕方がないと受け止めるわ。けれど、最初から出来ないと言わないで。『やってみる事』だけなら誰でも出来るのよ」
「…何をすればいい?」
「欲を言えば、立ち退きさせた時に必要になった契約書。出来なければ何でもいい。ほんの少しの情報でもいい。それを見つけてほしいの」
「…わかった」
「貴方なら出来るわ。エドワードがここに来た日、絶対に会わせてあげるわ。あの人を味方につけなさい、そうすればこちらの勝ちよ」
「……」
「明日、図書館で会いましょう」
そうだわ…1度街を見せた方がいいかもしれない。近寄らなくても見るだけなら出来るんだから。
そうすれば、大きく気持ちが動くかもしれないもの。
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