結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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本編後ストーリー

警察3

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『おい、何を話してたんだよ?』

『明後日、ヤングに会わせろって言ったの。了承してくれたわ』

『どうやってっ!?』

『ブロギーくん、言葉は武器で攻撃力にも守備力にもなると思わない?今私が言った事がわかれば、絶対に嘘をつかれる事はない。この件が終わったら、この国の言葉を学びなさい。将来、街を守るのは貴方になるの』

『そんな事言ったって…』

『君のように、諦めない心が大切なのよ』

 そう、それがなければ何も始まらない。私がここにいるのは、警察でブロギー君と会ったからよ。

『もう、学校も行けなくなってる』

『その辺は私が何とかするわよ。お友達に通訳もいるもの。とりあえず、警官と話した事は裏側の街で話すわ』

『街に来るつもりかよ…』

『ええ、図々しいお願いだけれど、今日から私を君の家に泊めてくれるかしら?』

 迷惑がかかってしまうけど、ブロギー君の家に泊まらせてもらわないと駄目だわ。

 今1番簡単に捕まえられて、利用価値があるのが私だもの。
 捕まれば何をされるか解ったものじゃないわ。

 あの警官達と同じく、裏側の街にだけは誰も寄り付きたくないはず。逃げ込むには一番いい。
 あの街の様子から見て、いつ爆発するかわからない。暴徒化したら、街1つ分の人数を、この街の警官だけじゃ抑えきれないもの。

 裏側の街の住民が耐えられなくなれば『殺してやる、壊してやる』そう思う。『一矢報いてやる』って、そういう考えに至ってしまう。

 もう小さく始まってる。私の鞄を捕った人達の『奪われたんだからい、奪って何が悪い』その考え方。これが大きくなれば、ここは観光地としてやっていけない。ここに暮らす人達の生活すべてが壊れるわ。悪い噂…特に暴力的な噂はたてられない。国も大打撃だわ。

 それはヤングだって思ってるはずよ。

『ブロギー君、ここで17時まで私を待っていてくれる?』

『…何すんだよ?』

『ヤングの息子を味方にするわ。あの馬鹿息子を。では、行ってきます!』

『お待ちなさい!!』

 教会を出ていこうとする私を、シスターが呼び止めた。

『服を着替えて行きなさい。もう、その格好は相手に覚えられているし、スカートが汚れています』

 それは私も思ってたんだけど、服もお金もないから買えないんだよね。この服だけで過ごすのは、正直かなりきついけどね…。

『貴女も私と同じ姿で街を歩きなさい』

 シスターのふりをするという事だよね。

『…でも、目立たないかしら』

『大丈夫です。この街には大きな教会があります。この姿であるいていても全く違和感はないでしょう』

 この国の宗教は…たしか女神リオン教…。女神につかえる女性を乱暴には扱わないよね。

『お借りします!』

 …パリスがどこにいるのか、それを探すのが一苦労だけどね。
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