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本編後ストーリー
城にいない私2
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もう我慢できないわ。
やりたい事が出来ないのも、やりたくない事をしなくてはいけないのも、十分に解ってここへ来たわ。
だからと言って、私の存在がないように扱われるのは違うと思うの。話しかけても、『畏まりました』『承知しました』『申し訳ございません』
会話をしようとしても、何も続けようがないわ…。
この城にニーナはいない。エドワードの中にいてもね。
我慢も限界だけど、エドワードとゆっくり話ができれば落ち着くかもしれない…そう思って部屋に向かったけれど、私を苛立たせるばかりだわ。
「許可がなければ陛下に会う事はできません。」
「…私は彼の婚約者よ。何故会うのに許可がいるの?」
…エドワードとしか話す人はいないのに、誰に許可を取ればいいのよ。
「…もういいわ。構わない。私はここに来ていないし、国王様はニーナに会うつもりはありませんでした。それでいいわ。」
…こちらだって、いつまでも受け身でいるだなんて思わない事ね。楽しくなければ別居する。これは許可が出てるわ。王様ご本人からよ。
「いってらっしゃい。」
「すまない。一緒に連れていってやりたかったんだが。」
「仕方がないわ。お仕事だもの。」
今日から1週間、エドワードが視察で色々まわってくるから城には帰ってこない。
城には味方はケイトだけ。そのケイトも意味がわからない事に、今日から研修といって私から離されたわ。だから別の人がついているのよ。
もう勘弁できないわ。エドワードを見送ってからの私の行動は素早かった。
何をするのにも許可必要…。けれどその許可はおりない。
では私は自分の意思で何が出来るの…?
エドワードには悪いと思うし、物凄く迷惑だし問題になるけど…知らないわ。
私がいない城に私はいらないの。
ケイトを私の側から離したのが最大のミスだと思いなさい。ストッパーはなくなったのよ。
1週間、旅に出させて頂くわ。
こんな事もあろうかと、街にとけ込める服を持ってきていたのよね。お金だって持ってきたわ。きっと自由に使えるお金なんてないもの。
城の外に方法は考えてるのよ。週に2日、裏門に荷馬車がくるのよ。それに乗り込むわ。
侍女はさぼってるからいない。護衛は部屋の外。ここは2階、窓から出るなんて簡単よ。下は芝生だし。
こっそり荷馬車に乗り込んで
さて、出発よ!
やりたい事が出来ないのも、やりたくない事をしなくてはいけないのも、十分に解ってここへ来たわ。
だからと言って、私の存在がないように扱われるのは違うと思うの。話しかけても、『畏まりました』『承知しました』『申し訳ございません』
会話をしようとしても、何も続けようがないわ…。
この城にニーナはいない。エドワードの中にいてもね。
我慢も限界だけど、エドワードとゆっくり話ができれば落ち着くかもしれない…そう思って部屋に向かったけれど、私を苛立たせるばかりだわ。
「許可がなければ陛下に会う事はできません。」
「…私は彼の婚約者よ。何故会うのに許可がいるの?」
…エドワードとしか話す人はいないのに、誰に許可を取ればいいのよ。
「…もういいわ。構わない。私はここに来ていないし、国王様はニーナに会うつもりはありませんでした。それでいいわ。」
…こちらだって、いつまでも受け身でいるだなんて思わない事ね。楽しくなければ別居する。これは許可が出てるわ。王様ご本人からよ。
「いってらっしゃい。」
「すまない。一緒に連れていってやりたかったんだが。」
「仕方がないわ。お仕事だもの。」
今日から1週間、エドワードが視察で色々まわってくるから城には帰ってこない。
城には味方はケイトだけ。そのケイトも意味がわからない事に、今日から研修といって私から離されたわ。だから別の人がついているのよ。
もう勘弁できないわ。エドワードを見送ってからの私の行動は素早かった。
何をするのにも許可必要…。けれどその許可はおりない。
では私は自分の意思で何が出来るの…?
エドワードには悪いと思うし、物凄く迷惑だし問題になるけど…知らないわ。
私がいない城に私はいらないの。
ケイトを私の側から離したのが最大のミスだと思いなさい。ストッパーはなくなったのよ。
1週間、旅に出させて頂くわ。
こんな事もあろうかと、街にとけ込める服を持ってきていたのよね。お金だって持ってきたわ。きっと自由に使えるお金なんてないもの。
城の外に方法は考えてるのよ。週に2日、裏門に荷馬車がくるのよ。それに乗り込むわ。
侍女はさぼってるからいない。護衛は部屋の外。ここは2階、窓から出るなんて簡単よ。下は芝生だし。
こっそり荷馬車に乗り込んで
さて、出発よ!
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