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本編後の小話 全19話

おまけ 兄妹疑惑

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 ニーナと俺の兄妹疑惑…。俺はシャロンに確認することにした。父上がいない今、その情報をどこで知ったのか、本人に聞くしかない。


「シャロン」

 あからさまに嫌な顔をされたが、まぁ気にしない。

「俺とニーナという女性について何か知ってたりするのか? 」

 兄妹で無い事は、本人にも聞いたしクールにも聞いた。叔母を馬鹿にしているのか…と、かなり怒られた。殴られそうな勢いで。

「あれね、侯爵が酔っぱらって言ってたのよ。『エドワードはニーナと結婚すべきだ』…っとか。まさか、それ聞くために呼んだの?くだらない」

「…もう1ついいか?ニーナの事を他に知ってる人はいるか?」

「侯爵邸で雇われてた人とか、あんたの父親なら知ってたのかもね。」

「父上が?」

 ニーナの事を知ったのは1年ほど前じゃないのか?

「ニーナとエドワードの婚約を提案しても『ニーナは家族だから無理だ』って言って、陛下に断られたとか言ってたわ。『異国の子なのに、兄妹なんてありえない』…とか永遠聞かされたわ。何度も言いに行ってたらしいから面倒だったんでしょ。確実に断れるし進められない理由にするにはピッタリよ。」 

「そうか。呼び出して悪い。」
「…あのニナって女がそうなんでしょ。側にいないって事はフラれたの?」
「フラれてはいない。」
「へぇ、めずらしく自信なさげじゃない。いつもの演技もニーナの前じゃかたなしね。まぁ、何でもいいわ。帰っていい?」
「ああ。」




 酔っ払った侯爵が言ってただけ…。何だそれ、くだらない。もっと何か凄い事を知ってるのかと思った。

「カールに成り済ましてたのがニーナだって、侯爵は気が付いていたのか。」

「カーネル様に『孫のカールだ』と言われてるのに、酔った侯爵がいくら『あの子は女だ』と言っても信じなかったんだろ…。」

「侯爵が色々調べてたなら、そこから色んな所へニーナの情報が漏れたんじゃないか……って、深読みし過ぎか。」

「…ありえる話だ。1年ほど前まで知らなかったのに、急にテイラー様の孫じゃなくニーナ・サナスだと陛下も気がついた。侯爵が結婚をすすめていた訳もわかった。『命の恩人と結婚させろ』…という事だ。」

「いや、だからと言って普通断りの理由に『兄妹』は使わないだろ。本当に妹がいるのか…?俺はトーマスしか知らないが。義母が産んだ子だ。それ以外にいるのか?」

「何を思って言ったのか、もう聞く事は出来ない。妹が名乗り出てきたら考えるしかない。」

「そうだな。」

「…しかし、2ヶ月放置の事でニーナ様にぶたれるのは仕方ないにしても、女性が臆せず男を叩くなんて。」

「俺はそれを3回くらってる…。」

「どんな度胸の持ち主だって、あれほど出来る人はいないぞ。だからこそ2ヶ月暮らせてたんだろうけど。」

「そうだな。」

「全ての結婚を断ったんだから、『ふられました』で終わったら殺すからな。」

「…お前は何故そんなに偉そうなんだ。」

「今のは、幼馴染みとして怒った。」

「そうだとしてもだ。昔はまじめで可愛かったのに。」

「それはお前だ。秘密基地を作るとか、そしてそれが今もほしいだとか。」

 秘密基地が欲しいこと、気づかれていたのか……。



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