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本編後の小話 全19話

私の方が

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ガラスの指輪…。
取りに来いって…。
2人きりになるのは嫌…じゃなくて、緊張するわ。だって、何だか違う雰囲気だったもの。

夕食を一緒に食べた時は、とても優しく笑っていたわ。胡散臭く無さすぎて怖い…。
取りに行くのは今度でいいよね。



コンコン
「はいっ!」
エドワードだったらどうしよう…って思ったけど、全然違ったわ。
「レオン?どうしたの?」
「…」
「レオン?」
「陛下が部屋でお待ちです。ニーナ様、お迎えにあがりました。」

ん?

「何故レオンが迎えにくるの?」

「それが…『逃げる』と仰って…」

……逃げないわよ。レオンはエドワードについてる護衛なのよ。それをわざわざ…。
迎えに来られたら断れないよね。
レオンについてエドワードの部屋へ。帰りも レオンが送ってくれるから、私の護衛はついてきていない。

コンコン
「ニーナ様をお連れしました。」
「ああ、入ってくれ。」

部屋に入ると、エドワードがくつろいでいた。

「こんばんは」
「こんばんわ」

わざとらしく挨拶するなんて、どういうつもりなのかしら。

「指輪をとりに来たの。水色が私のよ。」
「ここまで取りに来てくれる。俺は疲れて動けないから。」

嘘ばっかり。
エドワードが座っているソファーまで行って、とりあえず隣に座ってみた。
『今日は何故座らないの?』って思われるのは何だか嫌だもの。
けど、何だかいつもより緊張するわ。

「あの、エドワード…、距離が近すぎると思うの…。」
「ああ、わざとだから。」

わざと!?

「自分からはくっついてくるのに、俺からだと駄目?…嫌?」
「…嫌じゃないけど。」

また誘導されている気がするわ。逃げよう!

「嫌じゃないけど、恥ずかしいの!!」
「何故?」

何故って…

「…っ知らない!もう帰る!」

…っ帰っては駄目よ!逃げてばっかり、これじゃ私の負けじゃないの。

「指輪を見せて。」
「はい。」
「机の上へ置いて。」
「持ち逃げするの?」
「しないわ…」
「…わかった。」

私が必死なのに気がついたのか、素直に指輪を置いてくれた。

「私の勝ちよ!」

ドンッ
エドワードを突き飛ばしてソファーに寝転がした。
…頑張るのよ!
私は無理やり口付けをした。

エドワードは驚いてるわ。私が攻撃しないと思ってるからよ!

「この指輪、2つとも貰っていくわ。もう返さないから。失礼します!」

私は勢いよく扉を閉めて部屋を出た。

わぁぁーー!
もう駄目よ、死にそうだわ!ううん、こんなの死ぬわ!

「ニーナ様っ!?」

レオンに呼ばれたけど、構わず走って逃げてしまった。



覆い被さって口付けて真っ赤になって逃げる…。
……煽られる俺の身にもなってくれ。よく我慢したと思う。…我慢しなくてよかったのか?
今度は指輪を取り返しに行こう。
自分で口実を作ってしまうあたり、やはり何も考えていないな…。
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