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ニーナとエドワード5
しおりを挟む「ニーナっっ!!」
「…あ」
庭を挟んで、名前を呼ぶ声が聞こえる。 エドワードが私を呼ぶ声。
庭を抜けて私の方へかけてくる。
「ニーナ!もう帰ったんじゃなかったのか?」
…帰った?…
「まぁ、生き返ったようなものね。」
「生き返った?…何かあったのか?」
エドワードの顔が曇った。
もしかして、私が撃たれたのを知らないの?きっとそうだわ…。死ぬかもしれないから
そう言ったんだわ。
「……クール、どういう事だ。ニーナは帰ったと言っていた。なのに今日ここにいるし、どう見ても狙われている。…3週間ほど前に『ニーナは帰った』と言っていたのも、この件か…?」
どうしよう、とても怒ってるわ。まるで舞踏会で私が捕まった時みたいな。今すぐ手を出してしまいそう。
「私が狙われるかもしれないから、だから帰った事にしていたの。もう大丈夫だと思ったから帰国する事になったのよ。」
「…なら、何故俺に一言もない?狙われていた事も、もしかしたら俺の知らない間に死んでいたかもしれないだろ。」
「死なないわよ。今だってレオンに犯人を教えたくらいよ。」
「…その犯人を以前も見ていて、自分が狙われていると知ってるのは、何かがあったから…だろ。」
「どうしてそんな風に考えるの。」
ここでこんなにも怒るべきではないわ。私の前だけでなく、まわりに沢山人がいる。
私が狙われたかどうかだけで、こんな風になっては駄目よ。
「クール、何があった、正直に答えろ。」
「撃たれた。死にかけてたから言わなかった。」
それを聞いて、もうまわりが見えてない。
パチン
「っ!?」
「言ったはずよ。」
「……」
「『道を間違えたら殴る』今回はまだ平手よ。喜びなさい。」
「…そうだな。」
「そうよ。貴方は王になるのだから、何があってもすぐに怒らないで。」
「はぁ…わかった。」
「…ごめんなさい。またぶってしまったわ。しかも説教して…何様なのかしら。私は。」
「物凄く怖い、ニーナ・サナス伯爵令嬢だよ。」
もう『婚約者』は入ってないのね。
「仕事があるのでしょう。早く戻った方がいいわ。『さよなら』も言えたし。貴方との追いかけっこも今日で終わりね。今思えば結構楽しかったわ。」
「そうか…。そうだね。……そろそろ戻る。気を付けて。」
「何かあっても戦うわ。」
「ニーナ…君は強いな。」
「普通よ。」
「今日までありがとう。さようなら。ニーナ。」
「ありがとうございました。さようなら。
エドワード王太子殿下。」
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もともと伯爵の娘が隣国の王子と結婚なんて事、有り得ない話よ。
「ニーナ…」
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