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卑怯者と婚約者
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「ありがとう。もうここでいいわ。」
「本当に1人で行くんですか?危険過ぎますよ。」
「もちろん死にそうなら帰るわ。自己犠牲なんて精神はないもの。貴方達も気をつけて帰ってね。」
公爵の領土なんて、広すぎて中央部しか見張りの兵士はいないのね。
立派な街…。この街に住んでる人が人質のようなものだよね。
シンマッド街12番を探していると、兵士がいるのが見えた。
「何だお前は。」
「わたしは、クックお爺ちゃんに会いに来たの。兵隊さんがいるって事は、強盗とか人殺しとか…お祖父ちゃんは大丈夫なの!?」
油断させる為に、かなり崩して話さないと。
「大丈夫だ。何もない。住所はどこだ、送っていく。」
今日も私の演技は素晴らしい出来映えだわ。簡単に騙されるなんて、兵士失格よ。
ガンガン
「開けろ、孫娘が帰ってきたぞ。」
「…孫娘」
ガチャ
白髪頭に白く長い髭をたくわえた60代くらいの男性が出て来て、私をギロリと睨んだ。『孫娘』といえば入れてくれると言っていたわ。
「よく来たね。さぁ、中へ入れ。兵隊さんや、ありがとうな。」
「……」
兵士が気を抜いた時、私は後ろからお尻を
蹴飛ばした。
「うわっ!」
そして転んだ兵に銃をむけた。弾は…いれてないけど。こういうのは気合いよ!
「服を脱ぎなさい。でないとどうなるか、
解るでしょう。」
絶対この制服を手にいれたいの!
でも銃をかまえたからって、所詮私は女!持っている手を掴まれた。
「っ!!」
焦っていると、目の前で兵が倒れた。白髭のお爺さんが後ろから兵を殴り、気絶させた。
「腕を見せろ。」
「これを…」
私は赤い印を見せた。追い返されないよね?
「あの…」
「公爵から何か伝言か?」
老人だと思っていた男性の白い髭と髪の毛は偽物だったようで、それをとると40代の
男性だった。声もさっきもとは全然違うわ…。
「伝言と言う訳じゃないんです。私がこの街にくるのに、『クック様を訪ねなさい』と。この街に来る事が目的でしたので、この兵士の服を奪ってすぐに出ていきます。ご迷惑をおかけして…」
「まさか邸に行くつもりか?」
「…そのつもりです。」
「出きるわけが無いだろう。」
「戦いに行く訳じゃないわ。エドワードの
様子を見たいだけよ。」
「だから、それが無謀なんだ。」
「最初からそんなのわかっているわ。」
「だったら何故そんな事をする」
「だから、様子が知りたいからだと言ってるじゃない。」
「はぁ…、わかった。手伝おう。」
「駄目よ!そんな事はさせられない!」
「ここに公爵が来させた意味は、君を手伝えという事だ。」
「そんな事はないわよ。」
「俺は普通のオッサンだが、密偵でもある。殿下が何処にいるのかもわかってる。今もいればの話だが。その制服を着ろ、行くぞ」
…簡単に会える?
「たとえ会えたとしても、連れて帰る事は
出来ない。」
「…解っているわ。」
助けるのは、彼が殺されそうになっている時…。それ以外は会うだけよ。
あ、思い出したわ。ガリシナの坊っちゃんを殴った事。
エドワードが沢山の女の子に声をかけられてて、それが気に入らなくて『調子にのるな』とか、お決まりの台詞を言って殴ってたわ。
私が殴ったら泣いて何処かに行ってしまったのよ。私も正体がばれないように逃げたの。
…ちょっと待って。2ヶ月放置するのが命の恩人に対する態度なの…?
あの坊っちゃんもそうだけど、エドワードも同レベルじゃない。
2人とも殴ってやらないと気が済まないわ。私にエドワードが必要かどうかなんて、
殴ってからの話よ。
「本当に1人で行くんですか?危険過ぎますよ。」
「もちろん死にそうなら帰るわ。自己犠牲なんて精神はないもの。貴方達も気をつけて帰ってね。」
公爵の領土なんて、広すぎて中央部しか見張りの兵士はいないのね。
立派な街…。この街に住んでる人が人質のようなものだよね。
シンマッド街12番を探していると、兵士がいるのが見えた。
「何だお前は。」
「わたしは、クックお爺ちゃんに会いに来たの。兵隊さんがいるって事は、強盗とか人殺しとか…お祖父ちゃんは大丈夫なの!?」
油断させる為に、かなり崩して話さないと。
「大丈夫だ。何もない。住所はどこだ、送っていく。」
今日も私の演技は素晴らしい出来映えだわ。簡単に騙されるなんて、兵士失格よ。
ガンガン
「開けろ、孫娘が帰ってきたぞ。」
「…孫娘」
ガチャ
白髪頭に白く長い髭をたくわえた60代くらいの男性が出て来て、私をギロリと睨んだ。『孫娘』といえば入れてくれると言っていたわ。
「よく来たね。さぁ、中へ入れ。兵隊さんや、ありがとうな。」
「……」
兵士が気を抜いた時、私は後ろからお尻を
蹴飛ばした。
「うわっ!」
そして転んだ兵に銃をむけた。弾は…いれてないけど。こういうのは気合いよ!
「服を脱ぎなさい。でないとどうなるか、
解るでしょう。」
絶対この制服を手にいれたいの!
でも銃をかまえたからって、所詮私は女!持っている手を掴まれた。
「っ!!」
焦っていると、目の前で兵が倒れた。白髭のお爺さんが後ろから兵を殴り、気絶させた。
「腕を見せろ。」
「これを…」
私は赤い印を見せた。追い返されないよね?
「あの…」
「公爵から何か伝言か?」
老人だと思っていた男性の白い髭と髪の毛は偽物だったようで、それをとると40代の
男性だった。声もさっきもとは全然違うわ…。
「伝言と言う訳じゃないんです。私がこの街にくるのに、『クック様を訪ねなさい』と。この街に来る事が目的でしたので、この兵士の服を奪ってすぐに出ていきます。ご迷惑をおかけして…」
「まさか邸に行くつもりか?」
「…そのつもりです。」
「出きるわけが無いだろう。」
「戦いに行く訳じゃないわ。エドワードの
様子を見たいだけよ。」
「だから、それが無謀なんだ。」
「最初からそんなのわかっているわ。」
「だったら何故そんな事をする」
「だから、様子が知りたいからだと言ってるじゃない。」
「はぁ…、わかった。手伝おう。」
「駄目よ!そんな事はさせられない!」
「ここに公爵が来させた意味は、君を手伝えという事だ。」
「そんな事はないわよ。」
「俺は普通のオッサンだが、密偵でもある。殿下が何処にいるのかもわかってる。今もいればの話だが。その制服を着ろ、行くぞ」
…簡単に会える?
「たとえ会えたとしても、連れて帰る事は
出来ない。」
「…解っているわ。」
助けるのは、彼が殺されそうになっている時…。それ以外は会うだけよ。
あ、思い出したわ。ガリシナの坊っちゃんを殴った事。
エドワードが沢山の女の子に声をかけられてて、それが気に入らなくて『調子にのるな』とか、お決まりの台詞を言って殴ってたわ。
私が殴ったら泣いて何処かに行ってしまったのよ。私も正体がばれないように逃げたの。
…ちょっと待って。2ヶ月放置するのが命の恩人に対する態度なの…?
あの坊っちゃんもそうだけど、エドワードも同レベルじゃない。
2人とも殴ってやらないと気が済まないわ。私にエドワードが必要かどうかなんて、
殴ってからの話よ。
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