結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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婚約者の思惑3

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「…同じ顔をしていれば、誰でもいいのですか?」
「君じゃない人を選ぶなら、最高の人選だよ。」
そういう問題じゃないでしょ!この人大丈夫なの?
「ニーナ、折角来てもらったのに悪い。仕事がある。あとは騎士に送らせる。では」

「えっ!?ちょっと待って下さい!」
私が呼び止めても2人はサッサと出ていってしまった。
…3日前、格好いいと思った事を恥じてしまうくらい愚かしいわ。

あの人、一体何がしたいのかしら。最初はニーナを見つけようとしていたわ。そして私を見つけてるのに、ニナと結婚するとか訳のわからない事を…。
仕事の手腕はクール様の言う通り凄いんだと思うの。けれど、ニーナに関しては既に迷走してるとしか思えないわ。
王太子だもの、度々時間がとれる訳でもないよね。2人で会う…それまでに何か考えておくしかないよね。




それから2週間、何事もない日常。

あの馬鹿みたいな発言は嘘なのかもしれないわ。

「ニナ!大変だっ!!」
「っ院長!?どうしたんですか?」
「ッ…これを…」
院長が渡してくれたのは新聞の切れはし。
「何が……」
『エドワード王太子に婚約者!!お相手は
ハリソン公爵家の長女…』
何これ…私を本物扱いしてたのに、相手がいる…?
「もう回収されてるけど、かなりの人が知ったと思う。」

これをテイラー家が知ったら…もう止められない気がするわ。国際問題レベルになるかもしれない。表向きでなくも、冷戦の始まりよ。私の事を理由もあかさず連れて来たんだもの。


「…私から会えるような人ではありませんので、成り行きを見守りましょう。」

私個人からすれば、『どうぞ結婚して下さい』って言えるよね。これで私と2人で会う可能性も薄くなったわ。

でも、少し腹が立ってるのも確かよ。何なのあのひと。婚約者がどうとかじゃなく、私の扱いが酷過ぎだと思うの。


・・・・

「クリフ、どういう事だ。何故こんな醜聞が出回ってる?」

「どこからか、ニーナ様の特徴が漏れた。
それだけで面白い可笑しく書きたてられた。そしてこのざまだ。『嘘です』と言いづらい相手だぞ…。」
クリフが頭を抱えた。

「誰かが意図的に流した可能性も無くはない。」

「はぁ…、だったとしたら余計に太刀が悪い。公爵側で誰か『ニーナの特徴と行方不明』を知ってる可能性がある。」

「折角ニーナを見つけたら『婚約破棄』それを解決しないまま、『偽婚約者』。ニーナを放置した結果がこれか。」

「解決するしかない。今はもうニーナ様は
自由だ。エドワードに婚約者がいるんだから。」

クールがどうでてくるか…
とりあえず、ニーナとの賭けには勝っている。1度2人で会う。

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