結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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彼女はニーナ

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「ニナ、パーティーの時のイヤリング、あれは君がもってる?」
…っ忘れてた!
「はい…。持っています。すぐに返すべき所を…申し訳ございません。」
「いや、持っていてくれて嬉しいよ。やっぱり君はニナだから。」
「……」
これは、誘導された…。
「イヤリング、今度クリフ様にお返しします。」
「…何故そこでクリフが出てくる?」
しまった。さっきから失言ばかりよ。
「今度会う事になりましたの。」
「2人で?」
「いえ、ボナースに来てくださるので。」
「………」
何故黙るの…。
「今度会う時に持ってきてくれるかな。」
胡散臭い笑顔の最上級だわ…。
「はい…」



はぁ…疲れた。

図書館ではマール君がいたからいいけれど、別れてからが最悪よ。私を送るのに
エドワードもわざわざついてくるし…。
今日1日お仕事は大丈夫なのかしら。

「あっ!」
今ならイヤリングを返せる!
っと思った時には遅かった。馬車はもう角を曲がって行ってしまった。

折角のチャンスだったのに…

「ただいま戻りました。」
「ニナっ!大変なんだよ!!」
「…っミラノさんっ?どうしたんですか?」
「ソラトが捕まったんだよ!」
「ええっ!?どういう事ですかっ!!」
「今詳しい事を院長がっ…、アンタも行ってやってくれないかい?今日は私がここに泊まるから!」
「解りました!場所は?」
「ロルフ署だよ。」
ロルフ署…
「ミラノさん、皆を頼みますっっ!!」

勢いよく飛び出したけど、馬車なんてボナースの近くにいない。
そうだ!!

ドンドンドンッ
「すみませーんっ!馬を貸してください!
お願いします!!」

馬を飼ってる家があってよかった!

クール様に鍛えられた私の馬術はなかなかのもので、ロルフ署にはすぐに着く事が出来た。

ロルフ署で真っ青な顔をした院長が、警官と話している。
「院長!どういうことですかっ!!」
「ニナっ!ソラトが人を…刺したって…殺したって…」
「…っそんな事あるわけないじゃないですか!」
ソラトを見ると服には血がついていた。けれど、人を刺して浴びた血にしては少なすぎるわ。
「ニナっ…オレ…ちがぅ」
目が真っ赤に腫れて、どれだけ泣いていたのかがよくわかる。
もっと早く帰って来るべきだったっ!
「あなた、きちんと調べて言ってるのよね?この子がやったという証拠はあるのっ!!」

「これだ」

そう言って机の上に投げよこされたのは、血のついたナイフ1本。どうみても11才の
ソラトが使える大きさじゃない。
「これが何故この子の物だと言えるの?ボナースの子に、こんな物が買えるわけないでしょう!」
「盗んだんだろーさ。」
「……」
ふと目についた制服の左胸…エドガーと名前が刺繍されていた。
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