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ニーナなのにニナ2
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それから暫く何事もなく過ごしていたのだけど…。
水曜日は呪われているのね…。
またエドワードから呼び出し。
東屋に案内されると、そこにはマール君もいた。私を見つけると全力で駆けてきて抱きついた。
「マール君、どうしてここに?」
ニコニコしてエドワードを指さす。
「遊ぼうって呼んだんだよ。ニナと一緒に。」
胡散臭い笑顔…じゃないわ。マール君効果、凄いわ。私にはこんな風に笑ってくれた事はないし、嫌われ過ぎでしょ。
「マール君、元気だった?」
コクコクと頷いて、私をエドワードのもとへグイグイ引っ張っていく。
「おはようございます。エドワード王太子殿下。」
「おはよう、ニナ。」
ニーナについて聞かなくていいのかしら。
迎えが来たのはボナースで、ニナと遊ぶ。私をニナとしか思ってないのね。聞かなくても。
「着いてすぐで申し訳ないんが、今日は外出しないか?」
「どちらへ?」
「マール君に本をあげようと思って。」
あげる?買うって事だよね。本屋に行く…目立ちすぎる…。断りたいけど、マール君の笑顔に勝てないわ。
「行こうか。2人共。」
「はい。」
マール君は私と手を繋いでくれるかと思ったら、エドワードの方に先に…。
悔しい…。数回しか会ってないのに!
クリフも衛兵も、ちょっと笑ってるのよね。今まで私がエドワードに偉そうにしていたから、『ざまあみろ』って思ってるんだわ。
けどマール君が男の人になれてくれるのは良い事よね。それが王太子だもの、凄すぎるわ。
エドワードならボール遊びも虫取りも一緒に出来るし、マールくんも楽しいよね。伯爵にも同じようにすればいいのに…。
頭のいい子だから、将来の事を考えて『申し訳ない』と思ってるのかもしれない。他の子に出来て自分だけ出来ないって思われるのは怖いよね。それに声が出ない事が辛くない訳がない。
そんな事を考えていると、マール君が私の膝の上に紙袋をのせた。
「くれるの?ありがとう。中見てもいい?」
マール君がご機嫌で頷く。
紙袋にはクッキーが入っていた。
『昨日、母上と作った。あげる。』
と、書かれたカードも入っている。
…嬉しくて泣きそう。
「何が入ってるんだ?」
「見せてもいい?」
マール君は少し悩んだふりをしてから頷いた。
「クッキーか。俺にもくれる?」
「あげるつもりはありませんので。」
「食い意地はりすぎだろ…」
エドワードがボソッと言った。
「…聞こえてますが。」
そんな私達を見て『みんなで食べよう』と書いたマール君が1番大人だわ。
恥ずかしい…。
…仲のいい男女がじゃれあってるようにしか見えない。ここにマール君がいなければ、俺は耐えられないぞ。もう、結婚してしまえ。それがニーナで間違いない。兄妹なんて事もありえない。
だがエドワードは『ニーナではない』と思《・》いたい。ニナであれば妹という事は100%ありえない。自分が想いを寄せても問題ない。
ニーナは結婚はしたくないと言っているし、エドワードの事を好きという事はないはずだ。たとえ仲良く見えても。
はぁ…兄妹の可能性を知っていたなら、放置は出来ないが絶対会わせたくなかった。
本人はこうなるのが怖かったから会わなかった。
気に入ってしまえば手放さなくなる。
水曜日は呪われているのね…。
またエドワードから呼び出し。
東屋に案内されると、そこにはマール君もいた。私を見つけると全力で駆けてきて抱きついた。
「マール君、どうしてここに?」
ニコニコしてエドワードを指さす。
「遊ぼうって呼んだんだよ。ニナと一緒に。」
胡散臭い笑顔…じゃないわ。マール君効果、凄いわ。私にはこんな風に笑ってくれた事はないし、嫌われ過ぎでしょ。
「マール君、元気だった?」
コクコクと頷いて、私をエドワードのもとへグイグイ引っ張っていく。
「おはようございます。エドワード王太子殿下。」
「おはよう、ニナ。」
ニーナについて聞かなくていいのかしら。
迎えが来たのはボナースで、ニナと遊ぶ。私をニナとしか思ってないのね。聞かなくても。
「着いてすぐで申し訳ないんが、今日は外出しないか?」
「どちらへ?」
「マール君に本をあげようと思って。」
あげる?買うって事だよね。本屋に行く…目立ちすぎる…。断りたいけど、マール君の笑顔に勝てないわ。
「行こうか。2人共。」
「はい。」
マール君は私と手を繋いでくれるかと思ったら、エドワードの方に先に…。
悔しい…。数回しか会ってないのに!
クリフも衛兵も、ちょっと笑ってるのよね。今まで私がエドワードに偉そうにしていたから、『ざまあみろ』って思ってるんだわ。
けどマール君が男の人になれてくれるのは良い事よね。それが王太子だもの、凄すぎるわ。
エドワードならボール遊びも虫取りも一緒に出来るし、マールくんも楽しいよね。伯爵にも同じようにすればいいのに…。
頭のいい子だから、将来の事を考えて『申し訳ない』と思ってるのかもしれない。他の子に出来て自分だけ出来ないって思われるのは怖いよね。それに声が出ない事が辛くない訳がない。
そんな事を考えていると、マール君が私の膝の上に紙袋をのせた。
「くれるの?ありがとう。中見てもいい?」
マール君がご機嫌で頷く。
紙袋にはクッキーが入っていた。
『昨日、母上と作った。あげる。』
と、書かれたカードも入っている。
…嬉しくて泣きそう。
「何が入ってるんだ?」
「見せてもいい?」
マール君は少し悩んだふりをしてから頷いた。
「クッキーか。俺にもくれる?」
「あげるつもりはありませんので。」
「食い意地はりすぎだろ…」
エドワードがボソッと言った。
「…聞こえてますが。」
そんな私達を見て『みんなで食べよう』と書いたマール君が1番大人だわ。
恥ずかしい…。
…仲のいい男女がじゃれあってるようにしか見えない。ここにマール君がいなければ、俺は耐えられないぞ。もう、結婚してしまえ。それがニーナで間違いない。兄妹なんて事もありえない。
だがエドワードは『ニーナではない』と思《・》いたい。ニナであれば妹という事は100%ありえない。自分が想いを寄せても問題ない。
ニーナは結婚はしたくないと言っているし、エドワードの事を好きという事はないはずだ。たとえ仲良く見えても。
はぁ…兄妹の可能性を知っていたなら、放置は出来ないが絶対会わせたくなかった。
本人はこうなるのが怖かったから会わなかった。
気に入ってしまえば手放さなくなる。
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