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優しくはない王子2

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やっと解放されたわ。
私の事を嫌いだと言っておいて、遊ぶ時だけよってくるなんて…。

服はこのまま寝る事になるよね。
明日買い物…行かなきゃ駄目。

ポケットにはイヤリング。
大きなダイヤ。
これどうやって返そう…。こんな高級な
宝石、エドワード本人にしか渡せないもの。これを返す時は捕まる時って事っ!?

これからどうするのか、考えなきゃ…
考えていたのも本の少し、疲れてすぐ寝てしまった。


           
「いたたた…」
体が…いたぃ
朝、目覚めたら筋肉痛で全身がいたい。

2階へ下りると、キッチンテーブルでげっそりしている院長が見える。

「何かありましたか?」
「ああ、もう少ししたら私は外に出るので、その用意を…」

「…ちょっと待って下さい。毎日毎日、子供達を残して何処へ行くんですかっ!ミラノさん  1人でここを仕切れるはずがないじゃないですか!」
「…黙っていてもすぐわかる事だから言うよ。仕事をしに出ているんだ。」

「……仕事?」

「支援金が少なくなって働かないとやっていけない。」
「ちょっと待ってください!伯爵とお話すればいいじゃないですか!」
「伯爵が資金援助をしてくれているからといって、『会いたい』と言って簡単に会える相手ではないんだよ。」

「…けれど、この状態を伝えないと。」

「お願いはしているよ。ここにお金を届けてくれる人にね。けど、いい返事は貰えない。」

…その人達は伯爵に何も伝えたりしてないんだわ。お金をごまかしてるんだから、当然だよね。

「お金を届けている人の名前はわかりますか?とくに女性の!」
「ああ、エイダと言っていたよ。ごめん、時間がない。もう行くよ。話は帰ってからまた。」
「いってらっしゃい。」

…エイダ…って。もしかして伯爵邸のメイド長?別人…ではないよね。ミラノさんが言ってた特徴とも合ってあるもの。

…皆にも慕われるメイド長が相手だなんて…これは最悪な相手よ。

ガチャ
院長が出ていくとすぐにミラノさんが入ってきた。
「あれ、あんた。どうしてここに?」
「暫くの間、ここに住まわせて貰う事になったんです。」
「へぇ、あんた親はいるんだろう?何でまたボナースに。」
「それは…」
「まぁそれは後でいいわ。ほら、食事のしたくをするよ。ニナ、暫くここにいるなら手伝っておくれ。」

お手伝い…

「っやります!!」
これは経験よ!ご飯を作るっていう、スキルを身に付ければ仕事の幅が広がるよね。

って元気に言ったものの…

「あんた、火もおこせないのかい…」

「はい…」

「じゃあ、芋の皮を剥いてそこに…まさかそれも出来ないのかい?」

「はい…」

「夕食は手伝って貰うから、その辺の掃除でもしといておくれ。」

「はい」

ただの役立たず……

片付けているとリト君が来て手伝ってくれた。
「おはよ。」
「うん、おはよう。早いね。」
「今日は食事当番。ジョセフィーヌも。」
「お芋の皮をむくの?」
「うん。ニナさんも一緒にどう?」

「うん、私はお片付け当番なの…」

……子供でも出来るのに。
1人暮らしの敷居は高い…
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