50 / 187
大ピンチのニーナ3
しおりを挟む
舞踏会が終わって、私は呼び出された。
部屋にはエドワードとクリフと私の3人…クール様はいないのよね。
「君はニーナだね。」
「私はニナです。」
焦らないでいつも通りの私でいなきゃ駄目!簡単に捕まってたまるもんですか!
「…クールとはどんな関係?えらく仲が良さそうだったけど。」
「私が誰と仲良くしていたとしても、それを殿下に教える必要は無いかと思いますが。」
「…それもそうだ。」
もしかして、意外とあっさりひいてくれる?
「君はどうすれば俺のもとにもどってくる?」
………俺のもと…ですって…?
「私は殿下のもとにいた事は1度もないと思いますが、どなたかとお間違えでは?」
「でも『婚約者』だからね、俺のもと…で強ち間違いではないよ。」
婚約者を放っておいて、強ち…。よく言えたわね。
「先ほど『婚約者の話など嘘だ』と仰っていたではありませんか。」
どんどん情報をあかしてくるようになったって事は、それだけ私がニーナだとわかる何かがあるという事?
ううん、絶対にないよね。
「…そうだな。では別の話をする。さっきの2人組だが、やはりシャロンを狙っていたそうだ。その2つ隣の部屋にニーナを狙ってた男がいた。」
「……」
「侯爵の手の者だ。」
やっばり狙われてたのね…。
そりゃそうよね。
シャロンを捕まえるのが目的の男に私が捕まるなんて、クール様の判断材料に全くならないもの。
「もう何かしてくる事はないだろうけど…気を付けるに越したことはない。」
「ええ、そういたします。お話がこれだけでしたら帰らせて頂けないでしょうか。精神的にもくたくたですので…」
「次は会う約束をしてくれるなら帰すよ。」
「約束……」
しなかったらどうなるの…?このまま閉じ込められる…かもしれない。それだけは絶対に嫌っ!
「ええ、約束致します。」
「そう、嬉しいよ。」
全然嬉しい顔してないよね。いつもの胡散臭い笑顔じゃない。
「日は追って連絡する。」
「はい。楽しみにしております。」
そんな日は永遠に来なくていいけどね!
帰るにしても、馬車で伯爵邸まで送られるよね。
伯爵に『エドワードの婚約者』だと知られる前に逃げないと…知られてから逃げ出せば、伯爵はどうなるかわからないもの。
逃げるなら今日、帰る道のりで。
でももし人をまけたとして…私はどこへ行けばいいかしら?ステーシーとクール様は仲がいい…ってエドワードならもう知ってると思うのよね。だから、お店に逃げ込んでもすぐに捕まえられるわ。
私が行った事のある場所で、寝泊まりできそうな場所…
ボナース院っ!!
子供達に物凄く嫌われてるけれど、身寄りのない私を日暮れの街に放り出したりはしないでしょう。院長がエドワードのような最低な人でなければ!
きっとボナースに私がいるわけがない…って思うはずよ。
エドワードやクリフが私を伯爵令嬢だと考えているのだから尚更よ。
部屋にはエドワードとクリフと私の3人…クール様はいないのよね。
「君はニーナだね。」
「私はニナです。」
焦らないでいつも通りの私でいなきゃ駄目!簡単に捕まってたまるもんですか!
「…クールとはどんな関係?えらく仲が良さそうだったけど。」
「私が誰と仲良くしていたとしても、それを殿下に教える必要は無いかと思いますが。」
「…それもそうだ。」
もしかして、意外とあっさりひいてくれる?
「君はどうすれば俺のもとにもどってくる?」
………俺のもと…ですって…?
「私は殿下のもとにいた事は1度もないと思いますが、どなたかとお間違えでは?」
「でも『婚約者』だからね、俺のもと…で強ち間違いではないよ。」
婚約者を放っておいて、強ち…。よく言えたわね。
「先ほど『婚約者の話など嘘だ』と仰っていたではありませんか。」
どんどん情報をあかしてくるようになったって事は、それだけ私がニーナだとわかる何かがあるという事?
ううん、絶対にないよね。
「…そうだな。では別の話をする。さっきの2人組だが、やはりシャロンを狙っていたそうだ。その2つ隣の部屋にニーナを狙ってた男がいた。」
「……」
「侯爵の手の者だ。」
やっばり狙われてたのね…。
そりゃそうよね。
シャロンを捕まえるのが目的の男に私が捕まるなんて、クール様の判断材料に全くならないもの。
「もう何かしてくる事はないだろうけど…気を付けるに越したことはない。」
「ええ、そういたします。お話がこれだけでしたら帰らせて頂けないでしょうか。精神的にもくたくたですので…」
「次は会う約束をしてくれるなら帰すよ。」
「約束……」
しなかったらどうなるの…?このまま閉じ込められる…かもしれない。それだけは絶対に嫌っ!
「ええ、約束致します。」
「そう、嬉しいよ。」
全然嬉しい顔してないよね。いつもの胡散臭い笑顔じゃない。
「日は追って連絡する。」
「はい。楽しみにしております。」
そんな日は永遠に来なくていいけどね!
帰るにしても、馬車で伯爵邸まで送られるよね。
伯爵に『エドワードの婚約者』だと知られる前に逃げないと…知られてから逃げ出せば、伯爵はどうなるかわからないもの。
逃げるなら今日、帰る道のりで。
でももし人をまけたとして…私はどこへ行けばいいかしら?ステーシーとクール様は仲がいい…ってエドワードならもう知ってると思うのよね。だから、お店に逃げ込んでもすぐに捕まえられるわ。
私が行った事のある場所で、寝泊まりできそうな場所…
ボナース院っ!!
子供達に物凄く嫌われてるけれど、身寄りのない私を日暮れの街に放り出したりはしないでしょう。院長がエドワードのような最低な人でなければ!
きっとボナースに私がいるわけがない…って思うはずよ。
エドワードやクリフが私を伯爵令嬢だと考えているのだから尚更よ。
213
お気に入りに追加
5,310
あなたにおすすめの小説

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。

【完結】婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ
曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。
婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。
美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。
そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……?
――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる