1 / 187
会いに来ない王子
しおりを挟む
「ニーナ、元気か?」
「カール?来てくれたの?」
「ああ、もう会えなくなるからな。可愛い俺の弟に」
「…隣国の王子に嫁ぐ私を…男扱い……」
「それくらいの方が楽だろ?」
「ええ、その通りね」
「子供さえつくって、後は別々に暮らせばいい。この俺の教えを覚えておきなさい。好きではない相手と結婚するんだ。割りきった方が楽だ。」
「うん!その教えを胸に、いってくる。」
「ああ。」
・・・・・
「ニーナ様。ニーナ様。」
「……おはよう、ステラ。」
「お顔の色が良くありませんが、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。ただ何でも自分で出来てしてしまう、女らしくない女を演じるのが面倒でたまらない」
私は、出来てしまう女のふりをする事にしている。
お嬢様の定義から外れる事を自らやる。
婚約者ではあるけれど、未だに結婚をしないのは、この出来の悪い私の子を我が国の世継ぎにと考えた時、不安らしい。
だからこの王国の姫として相応しくないように私は頑張る。
結婚しても、誰か側室を迎えてもらえるように仕向ける。
だってそうすれば、私は子供を産まなくてすむかもしれない。
それに私は、未だに婚約者の顔も知らない。よくできた素晴らしい人らしい。
年齢は3つ上。21才。
今の私は18才。
妹は既に嫁いでるのに、私は18才まで嫁に出すこともなく婚約者も決まっていなかった。
このままずっと嫁がず暮らしていけるんじゃないか、そんな夢を見ていた。
けどやはりムリだった!
どこをどう間違ったら、伯爵家の私が隣国の王太子と婚約になるのか。
お断りなどすれば、それこそ国際問題もの。
「はぁ…」
それにしても、ここに来てもう1ヶ月。
私の姿を見たくないのか、私に姿を見られたくないのか、結婚したくないのか。
会ったこともない男のために、毎日毎日くだらない努力をするのは面倒だわ。
しかも噂では、溺愛する女性がいるという。すでに側室(溺愛中)候補がいるという、最高の条件もそろっている。
彼女に男の子をご懐妊いただいて、私はすたこらさっさと、別居する。
もう、最高の未来がまっているわ!
けど会いにこないってどうなの?何でもいいけどさ、少なくとも挨拶くらいはするべきだと思うのよ。人として。
この国の王太子殿下は礼儀はなってないようね。
「カール?来てくれたの?」
「ああ、もう会えなくなるからな。可愛い俺の弟に」
「…隣国の王子に嫁ぐ私を…男扱い……」
「それくらいの方が楽だろ?」
「ええ、その通りね」
「子供さえつくって、後は別々に暮らせばいい。この俺の教えを覚えておきなさい。好きではない相手と結婚するんだ。割りきった方が楽だ。」
「うん!その教えを胸に、いってくる。」
「ああ。」
・・・・・
「ニーナ様。ニーナ様。」
「……おはよう、ステラ。」
「お顔の色が良くありませんが、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。ただ何でも自分で出来てしてしまう、女らしくない女を演じるのが面倒でたまらない」
私は、出来てしまう女のふりをする事にしている。
お嬢様の定義から外れる事を自らやる。
婚約者ではあるけれど、未だに結婚をしないのは、この出来の悪い私の子を我が国の世継ぎにと考えた時、不安らしい。
だからこの王国の姫として相応しくないように私は頑張る。
結婚しても、誰か側室を迎えてもらえるように仕向ける。
だってそうすれば、私は子供を産まなくてすむかもしれない。
それに私は、未だに婚約者の顔も知らない。よくできた素晴らしい人らしい。
年齢は3つ上。21才。
今の私は18才。
妹は既に嫁いでるのに、私は18才まで嫁に出すこともなく婚約者も決まっていなかった。
このままずっと嫁がず暮らしていけるんじゃないか、そんな夢を見ていた。
けどやはりムリだった!
どこをどう間違ったら、伯爵家の私が隣国の王太子と婚約になるのか。
お断りなどすれば、それこそ国際問題もの。
「はぁ…」
それにしても、ここに来てもう1ヶ月。
私の姿を見たくないのか、私に姿を見られたくないのか、結婚したくないのか。
会ったこともない男のために、毎日毎日くだらない努力をするのは面倒だわ。
しかも噂では、溺愛する女性がいるという。すでに側室(溺愛中)候補がいるという、最高の条件もそろっている。
彼女に男の子をご懐妊いただいて、私はすたこらさっさと、別居する。
もう、最高の未来がまっているわ!
けど会いにこないってどうなの?何でもいいけどさ、少なくとも挨拶くらいはするべきだと思うのよ。人として。
この国の王太子殿下は礼儀はなってないようね。
490
お気に入りに追加
5,320
あなたにおすすめの小説

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

偽りの愛に終止符を
甘糖むい
恋愛
政略結婚をして3年。あらかじめ決められていた3年の間に子供が出来なければ離婚するという取り決めをしていたエリシアは、仕事で忙しいく言葉を殆ど交わすことなく離婚の日を迎えた。屋敷を追い出されてしまえば行くところなどない彼女だったがこれからについて話合うつもりでヴィンセントの元を訪れる。エリシアは何かが変わるかもしれないと一抹の期待を胸に抱いていたが、夫のヴィンセントは「好きにしろ」と一言だけ告げてエリシアを見ることなく彼女を追い出してしまう。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる