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そんな事ある?
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ぼっちオタク女子だった私にとって、乙女ゲームは夢そのもの。
自分もこの世界にいきたい。この主人公みたいになりたい。死んだら私も転生しないかな…とか、バカらしい事を考えていたのは認める。
きっと、そんなこじらせ女子の私だから、こんな夢をみてるのよ。
「ん?」
ふと、ガラスに写る自分の顔を見て気がついた。
この顔…茶色い瞳にショートボブ、滅茶苦茶美人というわけでもなく、大衆に溶け込める顔面には見覚えがある。
これは主役でも悪役令嬢でもない。ただのモブだわ。
この世界でたまに出てくる、生徒A…。名前も存在感もない!!それが私だった。
モブ転生だなんて酷すぎる!
転生じゃなく夢、これは夢よ。現実的考えて、次元をこえた転生とかありえないしね。うん、夢よ、これは夢に違いないわ。
それより、どうしよう。怖くなってきた。
私はこれからどうすればいいの?全然わからない!!モブってどこに住んでるの?何にもわからないんだけど。
これは転生じゃなく、いつかは覚める夢でおねがいします!!
私は空に拝んだ。
「ミコ、お前そんなとこで何やってんの?」
「え?」
振り返るとそこには、とくにイケメンというわけでもない、黒髪で茶色の瞳の男子がいた。
「空に手なんかあわせて、気持ち悪いな。」
言いたい放題だな。
「あっ!!」
「何だよ、急にデカイ声だしやがって。」
「あなた…見たことがあるわ。確か、私と同じモブ!!」
「は?」
まずい。いきなり人をモブ扱いしてしまった。自分だってそうなのに。
主人公や攻略対象や悪役令嬢なら、情報が多いからわかる。けれど、モブが何してるのかなんて考えた事もない。ここは同じモブである、この人に教えてもらわないと。
「じつは…記憶がなくて…」
「は?記憶がない?」
「うん、だから色々教えてほしい……です。」
「俺の事も忘れたの?」
「はい…自分の名前すらわかりません。」
申し訳ないけど、最初から顔しか知らないし。しかも同じ画を何度も使い回される存在。
そう、私も貴方もモブよ。切ないけどね。
「お前はミコで、俺はキースだ。」
「ミコ…」
意外と可愛い名前だわ。
モブにも名前があるなんて、プレイしてる時は考えもしなかった。だってモブなんて、ただのお役立ちキャラだしね。でも、よく考えれば悪役令嬢よりもモブでいる方が安全だよね。
このゲームには各キャラ、ハッピー、ノーマル、バッドエンドの3つのエンディングがある。天才剣士ルートに入ってしまうと、どのエンドでも悪役令嬢は死亡エンド。
ヒロインは天才剣士ルートだけは選ばないであげてほしい。『剣士に首を刺され、屋上から落ちる』という、誰も幸せにならないエンドだから。
このご令嬢はやる事が極悪だから、最後に死んでも『ざまぁみろ!』ってなるわけなんだけど、さすがに同じフィールドにいる人に死んでほしくはない。
ゲームはまだ始まってないのかな。
「ねぇキース、私達は学園に入ってからどれくらいになるの?」
それを知れば、大体のイベントがわかる!
「俺たちは2年で、明日から授業開始。」
「私のクラスは?」
「Bだよ。B 」
「……ええっ!?」
「いやAじゃなく、ミコはB。俺はA」
「キース君……お願いなんだが、クラスを変わって頂けないだろうか…」
「いや、どうしたってムリだろ。」
それはそうなんですけれども!!
私がAクラスで登場するなら、フランルート、カイルルート、クラウスルート
フランは王太子
カイルは公爵令息
クラウスは伯爵令息
この3人が攻略対象なのよ。
私がBクラスならウィルルート、ウルフルート。
天才剣士ウィル
獣人ウルフ
この2人が対象になる。
ただ、ウルフは全キャラ攻略後に選択出来るルート。ってことは、残念!確実に天才剣士ルートだ!!1番可哀想なルートに突入だよ。
「キース、手伝って欲しい事があるの。」
「何だよ」
「エリザベス様の生存率を上げるのを協力してほしいの。」
「エリザベス様って、あの侯爵のとこの?」
「そう!」
「病気か何かなのか?」
うーん、説明するのは難しいな…。自分でもこれが夢なのか転生なのか理解出来てないし、解ったところで説明できない。
「ミコ?」
「お願い。何か特別な事をしてほしいわけじゃないの。ただ、暫くの間だけ、私と一緒にいてほしいの!」
「婚約者でもない女とずっと一緒になんていられるわけないだろ。変な噂がたったらどうする。」
「大丈夫よ!!」
なぜなら私たちはモブだから。そこまで誰も気にしないわ。
「何を根拠に…」
「まぁ、いいじゃない。」
剣士ルートにキースは出てこなかったはず。だから、私達がゲームと違う動きをすれば、剣士ルートを回避できる可能性はあがる!!…はず…。たぶんだけどね。
自分もこの世界にいきたい。この主人公みたいになりたい。死んだら私も転生しないかな…とか、バカらしい事を考えていたのは認める。
きっと、そんなこじらせ女子の私だから、こんな夢をみてるのよ。
「ん?」
ふと、ガラスに写る自分の顔を見て気がついた。
この顔…茶色い瞳にショートボブ、滅茶苦茶美人というわけでもなく、大衆に溶け込める顔面には見覚えがある。
これは主役でも悪役令嬢でもない。ただのモブだわ。
この世界でたまに出てくる、生徒A…。名前も存在感もない!!それが私だった。
モブ転生だなんて酷すぎる!
転生じゃなく夢、これは夢よ。現実的考えて、次元をこえた転生とかありえないしね。うん、夢よ、これは夢に違いないわ。
それより、どうしよう。怖くなってきた。
私はこれからどうすればいいの?全然わからない!!モブってどこに住んでるの?何にもわからないんだけど。
これは転生じゃなく、いつかは覚める夢でおねがいします!!
私は空に拝んだ。
「ミコ、お前そんなとこで何やってんの?」
「え?」
振り返るとそこには、とくにイケメンというわけでもない、黒髪で茶色の瞳の男子がいた。
「空に手なんかあわせて、気持ち悪いな。」
言いたい放題だな。
「あっ!!」
「何だよ、急にデカイ声だしやがって。」
「あなた…見たことがあるわ。確か、私と同じモブ!!」
「は?」
まずい。いきなり人をモブ扱いしてしまった。自分だってそうなのに。
主人公や攻略対象や悪役令嬢なら、情報が多いからわかる。けれど、モブが何してるのかなんて考えた事もない。ここは同じモブである、この人に教えてもらわないと。
「じつは…記憶がなくて…」
「は?記憶がない?」
「うん、だから色々教えてほしい……です。」
「俺の事も忘れたの?」
「はい…自分の名前すらわかりません。」
申し訳ないけど、最初から顔しか知らないし。しかも同じ画を何度も使い回される存在。
そう、私も貴方もモブよ。切ないけどね。
「お前はミコで、俺はキースだ。」
「ミコ…」
意外と可愛い名前だわ。
モブにも名前があるなんて、プレイしてる時は考えもしなかった。だってモブなんて、ただのお役立ちキャラだしね。でも、よく考えれば悪役令嬢よりもモブでいる方が安全だよね。
このゲームには各キャラ、ハッピー、ノーマル、バッドエンドの3つのエンディングがある。天才剣士ルートに入ってしまうと、どのエンドでも悪役令嬢は死亡エンド。
ヒロインは天才剣士ルートだけは選ばないであげてほしい。『剣士に首を刺され、屋上から落ちる』という、誰も幸せにならないエンドだから。
このご令嬢はやる事が極悪だから、最後に死んでも『ざまぁみろ!』ってなるわけなんだけど、さすがに同じフィールドにいる人に死んでほしくはない。
ゲームはまだ始まってないのかな。
「ねぇキース、私達は学園に入ってからどれくらいになるの?」
それを知れば、大体のイベントがわかる!
「俺たちは2年で、明日から授業開始。」
「私のクラスは?」
「Bだよ。B 」
「……ええっ!?」
「いやAじゃなく、ミコはB。俺はA」
「キース君……お願いなんだが、クラスを変わって頂けないだろうか…」
「いや、どうしたってムリだろ。」
それはそうなんですけれども!!
私がAクラスで登場するなら、フランルート、カイルルート、クラウスルート
フランは王太子
カイルは公爵令息
クラウスは伯爵令息
この3人が攻略対象なのよ。
私がBクラスならウィルルート、ウルフルート。
天才剣士ウィル
獣人ウルフ
この2人が対象になる。
ただ、ウルフは全キャラ攻略後に選択出来るルート。ってことは、残念!確実に天才剣士ルートだ!!1番可哀想なルートに突入だよ。
「キース、手伝って欲しい事があるの。」
「何だよ」
「エリザベス様の生存率を上げるのを協力してほしいの。」
「エリザベス様って、あの侯爵のとこの?」
「そう!」
「病気か何かなのか?」
うーん、説明するのは難しいな…。自分でもこれが夢なのか転生なのか理解出来てないし、解ったところで説明できない。
「ミコ?」
「お願い。何か特別な事をしてほしいわけじゃないの。ただ、暫くの間だけ、私と一緒にいてほしいの!」
「婚約者でもない女とずっと一緒になんていられるわけないだろ。変な噂がたったらどうする。」
「大丈夫よ!!」
なぜなら私たちはモブだから。そこまで誰も気にしないわ。
「何を根拠に…」
「まぁ、いいじゃない。」
剣士ルートにキースは出てこなかったはず。だから、私達がゲームと違う動きをすれば、剣士ルートを回避できる可能性はあがる!!…はず…。たぶんだけどね。
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