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都合のいい話2
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「やっと学校よっ!」
こんなに学校にくるのが楽しいだなんて、生きてて初めてだわ。
「普段の生活にもどるとしても、安静に生活する事。破天荒すぎる行動はひかえろ。」
「私は破天荒じゃないわよ。」
私が言うと、ルネもラッドさんもエミリオも、その他の護衛も『嘘をつくな』という顔をしている。
「ちょっと元気な毒草オタクなだけです。」
「ちょっとね…。」
性格悪いわね…。
「リズ。明日、侯爵夫妻が来る。」
「え…?」
「本当はすぐ来る予定だったが、タイタン先生が『夫妻の前だと弱っていても元気なふりをするから』と言って週末にする事をすすめたらしい」
「……トビーの事は私は何もしていないわ。ただ売られた喧嘩は買うのが必須じゃない。だから……」
「…どんな必須項目だ。それも侯爵に伝えておく。」
「何て酷い男に育ってしまってるの。王妃様に言いつけてやるわ。」
「簡単に会えると思うな。」
そりゃ16才の小娘が会える訳ないんだけどさ…。
「もうすぐ私が婚約者候補に選ばれてから
1年ね。」
「ああ…」
「私はこの学校に来て、危ない事に巻き込まれ過ぎてるわ。早く故郷に帰らないと。」
「……」
「何か言いなさいよ。」
「別に。そうかもしれないと思っただけだ。」
「……」
「どうした?」
「いいえ。何でもありません。」
これってルーシー様を選んでくれる率が高いって思っていいよね!
よかった!!
「そういえば、ルーシーとスタンって何が原因で喧嘩になったのかしら?」
「さぁ、俺達はそれどころじゃなかったし。」
「まぁ、スタンがルーシー様を好きじゃないのは一目瞭然だもの、ルーシー様がそれに気がつけば別れるわよね。」
「どうでもいい。」
「貴方、まわりに少し興味をもたないと駄目よ。それだけで人生は変わるんだから。」
「人生?」
「例えば、誰かの為に何かをしたいと思えば、それは個人じゃなく皆にそういう気持ちを持てるようになるかもしれない。」
「……」
「それに善悪を見抜くには付き合いは必要なの。じゃなきゃ、知らないうちに懐に忍び込まれていいように使われるわよ。」
弟が兄より王位継承権が上な時点でおかしな話よ。うまく使われる存在にされてるのよ。既にね。
「興味を持つと言っても、俺を俺としてみてる奴なんていないんだ。」
…この人、めちゃくちゃ繊細なんだわ。
「私は貴方を王太子だと思ってるけど、それを全て含めてセドリック様だと思ってるわ。ものすごく心配性なところとか。」
「……心配性ではない。」
悪い事ではないから否定しなくてもいいのに…。
「セドリック様は私の事を『毒草オタクの婚約者候補』として接していて、私という人格を見ていないの?」
「…全て含めてエリザベスだと思ってる。」
「なら皆そうじゃない。好き嫌いは話してみてから決めたらいいのよ。因みに私はスタンが大嫌いよ。貴方の友達だとしてもね。」
「辛辣だな。」
「人なんてそんなものよ。皆を好きになるなんて出来ないし、皆に好かれるなんてもっと無理よ。」
私がコチの出身だと知った時、皆が私の側を離れていくなら仕方がない。私は私以外のものになれない。
お父様とお母様、私の事をしってる上で私を大切にしてくれる人を不幸せにしない。それが私よ。
「どうしたんだ?」
「ううん。16才の女が人生悟ったように言うのもおかしい話だと思って。」
「ある意味、悟っていいくらいの出来事を経験してるけどな。」
「誘拐未遂は頑張ればなんとかなるレベルで、迷路の火事は…相手が手抜きしてくれてたのよ。」
個人的には追い詰めてたつもりだし、私だったら勝てると思ってたけど完敗よ。
トビーは私が護衛を振り切るのもよんでた。迷路に来る事も。何もかも。
『エリザベスなら俺がそうすると考えるだろう』…って。
「ウジウジしてても仕方がないわ!明日はお父様とお母様に会えるんだし、リリーにお母様へのプレゼントを相談……」
ロビン様に会いたくないから止めよう。
まさかリリーをとられるとは思わなかったわ。
「やぁ、2人とも。元気で何よりだよ。」
「リズ、もう大丈夫なの?」
思ったとたんに出会すなんて…
「うん、大丈夫よ。」
本当にお付き合いしてるみたいね。少しロビン様を疑ってたんだけど。セドリックから遠ざけたいから演技してるんじゃないかって…。リリーの気持ちをそんな事の為に利用したら、私にボコボコに殴られると解らない人ではないだろうから、やっぱりお付き合いしてるのね。
「リズ、私は婚約者発表の日はロビン様と行きたいの…。」
「うん。2人の仲を引き裂こうとは思わないわ。その権限を持つのはセドリック様だけだしね。」
「俺だってそんな事はしない。」
…それはそれで複雑だわ。婚約者候補が確実に減ったんだもの。
こんなに学校にくるのが楽しいだなんて、生きてて初めてだわ。
「普段の生活にもどるとしても、安静に生活する事。破天荒すぎる行動はひかえろ。」
「私は破天荒じゃないわよ。」
私が言うと、ルネもラッドさんもエミリオも、その他の護衛も『嘘をつくな』という顔をしている。
「ちょっと元気な毒草オタクなだけです。」
「ちょっとね…。」
性格悪いわね…。
「リズ。明日、侯爵夫妻が来る。」
「え…?」
「本当はすぐ来る予定だったが、タイタン先生が『夫妻の前だと弱っていても元気なふりをするから』と言って週末にする事をすすめたらしい」
「……トビーの事は私は何もしていないわ。ただ売られた喧嘩は買うのが必須じゃない。だから……」
「…どんな必須項目だ。それも侯爵に伝えておく。」
「何て酷い男に育ってしまってるの。王妃様に言いつけてやるわ。」
「簡単に会えると思うな。」
そりゃ16才の小娘が会える訳ないんだけどさ…。
「もうすぐ私が婚約者候補に選ばれてから
1年ね。」
「ああ…」
「私はこの学校に来て、危ない事に巻き込まれ過ぎてるわ。早く故郷に帰らないと。」
「……」
「何か言いなさいよ。」
「別に。そうかもしれないと思っただけだ。」
「……」
「どうした?」
「いいえ。何でもありません。」
これってルーシー様を選んでくれる率が高いって思っていいよね!
よかった!!
「そういえば、ルーシーとスタンって何が原因で喧嘩になったのかしら?」
「さぁ、俺達はそれどころじゃなかったし。」
「まぁ、スタンがルーシー様を好きじゃないのは一目瞭然だもの、ルーシー様がそれに気がつけば別れるわよね。」
「どうでもいい。」
「貴方、まわりに少し興味をもたないと駄目よ。それだけで人生は変わるんだから。」
「人生?」
「例えば、誰かの為に何かをしたいと思えば、それは個人じゃなく皆にそういう気持ちを持てるようになるかもしれない。」
「……」
「それに善悪を見抜くには付き合いは必要なの。じゃなきゃ、知らないうちに懐に忍び込まれていいように使われるわよ。」
弟が兄より王位継承権が上な時点でおかしな話よ。うまく使われる存在にされてるのよ。既にね。
「興味を持つと言っても、俺を俺としてみてる奴なんていないんだ。」
…この人、めちゃくちゃ繊細なんだわ。
「私は貴方を王太子だと思ってるけど、それを全て含めてセドリック様だと思ってるわ。ものすごく心配性なところとか。」
「……心配性ではない。」
悪い事ではないから否定しなくてもいいのに…。
「セドリック様は私の事を『毒草オタクの婚約者候補』として接していて、私という人格を見ていないの?」
「…全て含めてエリザベスだと思ってる。」
「なら皆そうじゃない。好き嫌いは話してみてから決めたらいいのよ。因みに私はスタンが大嫌いよ。貴方の友達だとしてもね。」
「辛辣だな。」
「人なんてそんなものよ。皆を好きになるなんて出来ないし、皆に好かれるなんてもっと無理よ。」
私がコチの出身だと知った時、皆が私の側を離れていくなら仕方がない。私は私以外のものになれない。
お父様とお母様、私の事をしってる上で私を大切にしてくれる人を不幸せにしない。それが私よ。
「どうしたんだ?」
「ううん。16才の女が人生悟ったように言うのもおかしい話だと思って。」
「ある意味、悟っていいくらいの出来事を経験してるけどな。」
「誘拐未遂は頑張ればなんとかなるレベルで、迷路の火事は…相手が手抜きしてくれてたのよ。」
個人的には追い詰めてたつもりだし、私だったら勝てると思ってたけど完敗よ。
トビーは私が護衛を振り切るのもよんでた。迷路に来る事も。何もかも。
『エリザベスなら俺がそうすると考えるだろう』…って。
「ウジウジしてても仕方がないわ!明日はお父様とお母様に会えるんだし、リリーにお母様へのプレゼントを相談……」
ロビン様に会いたくないから止めよう。
まさかリリーをとられるとは思わなかったわ。
「やぁ、2人とも。元気で何よりだよ。」
「リズ、もう大丈夫なの?」
思ったとたんに出会すなんて…
「うん、大丈夫よ。」
本当にお付き合いしてるみたいね。少しロビン様を疑ってたんだけど。セドリックから遠ざけたいから演技してるんじゃないかって…。リリーの気持ちをそんな事の為に利用したら、私にボコボコに殴られると解らない人ではないだろうから、やっぱりお付き合いしてるのね。
「リズ、私は婚約者発表の日はロビン様と行きたいの…。」
「うん。2人の仲を引き裂こうとは思わないわ。その権限を持つのはセドリック様だけだしね。」
「俺だってそんな事はしない。」
…それはそれで複雑だわ。婚約者候補が確実に減ったんだもの。
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