111 / 138
相応しくない3
しおりを挟む
翌朝
「今日は学校を休む。リズもだ。」
「何故ですか?変態を捕まえるチャンスだわ。誰かは解らないけど学校にいるんだし。」
変態にどこかから見られてるなんてゾッとするわ。早く捕まえないと!
「もう犯人は解ってる。」
「ええっ!?そうなの!?」
「何故、少し残念な顔をしてるんだ?」
「いえ、嬉しい限りです。」
セドリックに感づかれるなんて、変態も大した事はないわね。
「エリザベス…俺にそっくりな男がいたら気を付けてくれ。」
「何を言ってるの…急に。」
「…俺には1才年上の影がいる。何かあった時に身代わりになる存在だ。」
「そんなのがいるだろうな…とは思ってたけど、本当にいるのね…。」
「酷い話だが…。」
1度でもその扱いをされれば、『セドリックの影・身代わり』という存在でしか認識されない…辛い存在ね…。
「その男が犯人なの?」
「100%そうだ。」
何故そう言い切れるのかしら。犯人の予想は出来ても、断定するには今の状態じゃ不十分よね。
「その男が私に直接勝負を挑んでくる理由が思い当たらないけど…。」
毒殺勝負なら尚更だわ。
「…犯人がどんな性格なのか言っておく。」
怖がらせるかもしれないが、言っておかなければ防ぎようがない。
「…狂人だ。…それもかなりの。」
「変態レベルでは無いということ?」
「ああ。俺の手の甲にある火傷は、熱した鉄の棒のような物を押しあてられて出来た物。皮も肉も溶けてたと思う。」
「…っ!?」
6才の時、初めてセドリックに会った時にはあの火傷の痕はあった。
「何才の時にあった話なの?」
「俺が5才、相手は6才だった。」
「…っ6才って、それはわざとなの?」
「でなければ、こんな形の火傷はしない。」
セドリックの火傷は十文字。そんな火傷、事故では起こらないよね。
「ふつう子供の喧嘩なんて、酷くても玩具を投げるとか殴る範疇だとまわりは思っていたはずだ。けどあの男は普通じゃなかった。」
「……」
「城内に入ってきてた猫がいて、俺に懐いていたから皆大切にしてた。だが突然いなくなった。…今となればあの男が殺したんだと予想はつく。動物を殺してたなら、毒について詳しいのかもしれない。殺す対象はエスカレートしてリズを殺す事に執着し始めてる。俺の側にあるものは壊したくて仕方ない男だ。リズが婚約者候補に上がった時から、興味津々だったはずだ。」
「貴方に扮して近付いてくるなら楽だわ。」
「…火傷で見分けようとしても、手袋をつけていたら解らないぞ。」
「火傷は関係ないわよ。人の顔は似ていても違うものよ。偽物は偽物でしかないわ。思考回路や話し方や仕草や表情も違うでしょう。」
お母さんレベルの心配性は滅多にいないもの。
「見分けのつきにくい毒草を、瞬時に見分ける私の目をごまかそうなんて100年早いわ。」
「俺が言いたいのは、危ないから勝負はしないで欲しいって事だ。」
「狂人が街を歩いてるのは怖いわ。」
「だから、急いで捕まえる。」
「嫌よ。万が一お父様やお母様に何かあったらどうするのよ。」
私が何かしなくても、『僕の愛するエリザベス』に向こうから会いにくるだろうしね。
「今日は学校を休む。リズもだ。」
「何故ですか?変態を捕まえるチャンスだわ。誰かは解らないけど学校にいるんだし。」
変態にどこかから見られてるなんてゾッとするわ。早く捕まえないと!
「もう犯人は解ってる。」
「ええっ!?そうなの!?」
「何故、少し残念な顔をしてるんだ?」
「いえ、嬉しい限りです。」
セドリックに感づかれるなんて、変態も大した事はないわね。
「エリザベス…俺にそっくりな男がいたら気を付けてくれ。」
「何を言ってるの…急に。」
「…俺には1才年上の影がいる。何かあった時に身代わりになる存在だ。」
「そんなのがいるだろうな…とは思ってたけど、本当にいるのね…。」
「酷い話だが…。」
1度でもその扱いをされれば、『セドリックの影・身代わり』という存在でしか認識されない…辛い存在ね…。
「その男が犯人なの?」
「100%そうだ。」
何故そう言い切れるのかしら。犯人の予想は出来ても、断定するには今の状態じゃ不十分よね。
「その男が私に直接勝負を挑んでくる理由が思い当たらないけど…。」
毒殺勝負なら尚更だわ。
「…犯人がどんな性格なのか言っておく。」
怖がらせるかもしれないが、言っておかなければ防ぎようがない。
「…狂人だ。…それもかなりの。」
「変態レベルでは無いということ?」
「ああ。俺の手の甲にある火傷は、熱した鉄の棒のような物を押しあてられて出来た物。皮も肉も溶けてたと思う。」
「…っ!?」
6才の時、初めてセドリックに会った時にはあの火傷の痕はあった。
「何才の時にあった話なの?」
「俺が5才、相手は6才だった。」
「…っ6才って、それはわざとなの?」
「でなければ、こんな形の火傷はしない。」
セドリックの火傷は十文字。そんな火傷、事故では起こらないよね。
「ふつう子供の喧嘩なんて、酷くても玩具を投げるとか殴る範疇だとまわりは思っていたはずだ。けどあの男は普通じゃなかった。」
「……」
「城内に入ってきてた猫がいて、俺に懐いていたから皆大切にしてた。だが突然いなくなった。…今となればあの男が殺したんだと予想はつく。動物を殺してたなら、毒について詳しいのかもしれない。殺す対象はエスカレートしてリズを殺す事に執着し始めてる。俺の側にあるものは壊したくて仕方ない男だ。リズが婚約者候補に上がった時から、興味津々だったはずだ。」
「貴方に扮して近付いてくるなら楽だわ。」
「…火傷で見分けようとしても、手袋をつけていたら解らないぞ。」
「火傷は関係ないわよ。人の顔は似ていても違うものよ。偽物は偽物でしかないわ。思考回路や話し方や仕草や表情も違うでしょう。」
お母さんレベルの心配性は滅多にいないもの。
「見分けのつきにくい毒草を、瞬時に見分ける私の目をごまかそうなんて100年早いわ。」
「俺が言いたいのは、危ないから勝負はしないで欲しいって事だ。」
「狂人が街を歩いてるのは怖いわ。」
「だから、急いで捕まえる。」
「嫌よ。万が一お父様やお母様に何かあったらどうするのよ。」
私が何かしなくても、『僕の愛するエリザベス』に向こうから会いにくるだろうしね。
0
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
初恋をこじらせてる王太子の婚約者候補になりました
シンさん
恋愛
マカロン伯爵の娘ジブリールは、隣国の王太子カーライルの指名で婚約者候補になった。
指名理由は、初恋の人を私に見つけさせるためらしい。
王国に来て数ヶ月
趣味で書いている小説と同じ事が起こり始めてるのは気のせい…?
最新話では、婚約者が王太子に殺される。
もしその通りになるなら、婚約者候補の中の誰かが殺される。
その候補には私も含まれてるわ。
何とかしないと…。
小説家になりたい伯爵令嬢の恋愛ストーリー
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
転生したらついてましたァァァァァ!!!
夢追子
ファンタジー
「女子力なんてくそ喰らえ・・・・・。」
あざと女に恋人を奪われた沢崎直は、交通事故に遭い異世界へと転生を果たす。
だけど、ちょっと待って⁉何か、変なんですけど・・・・・。何かついてるんですけど⁉
消息不明となっていた辺境伯の三男坊として転生した会社員(♀)二十五歳。モブ女。
イケメンになって人生イージーモードかと思いきや苦難の連続にあっぷあっぷの日々。
そんな中、訪れる運命の出会い。
あれ?女性に食指が動かないって、これって最終的にBL!?
予測不能な異世界転生逆転ファンタジーラブコメディ。
「とりあえずがんばってはみます」
【完結】悪役令嬢に転生したのでこっちから婚約破棄してみました。
ぴえろん
恋愛
私の名前は氷見雪奈。26歳彼氏無し、OLとして平凡な人生を送るアラサーだった。残業で疲れてソファで寝てしまい、慌てて起きたら大好きだった小説「花に愛された少女」に出てくる悪役令嬢の「アリス」に転生していました。・・・・ちょっと待って。アリスって確か、王子の婚約者だけど、王子から寵愛を受けている女の子に嫉妬して毒殺しようとして、その罪で処刑される結末だよね・・・!?いや冗談じゃないから!他人の罪で処刑されるなんて死んでも嫌だから!そうなる前に、王子なんてこっちから婚約破棄してやる!!
【完結】 悪役令嬢は『壁』になりたい
tea
恋愛
愛読していた小説の推しが死んだ事にショックを受けていたら、おそらくなんやかんやあって、その小説で推しを殺した悪役令嬢に転生しました。
本来悪役令嬢が恋してヒロインに横恋慕していたヒーローである王太子には興味ないので、壁として推しを殺さぬよう陰から愛でたいと思っていたのですが……。
人を傷つける事に臆病で、『壁になりたい』と引いてしまう主人公と、彼女に助けられたことで強くなり主人公と共に生きたいと願う推しのお話☆
本編ヒロイン視点は全8話でサクッと終わるハッピーエンド+番外編
第三章のイライアス編には、
『愛が重め故断罪された無罪の悪役令嬢は、助けてくれた元騎士の貧乏子爵様に勝手に楽しく尽くします』
のキャラクター、リュシアンも出てきます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる