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次の日も、いつも通りセドリックの隣で授業を受ける。
「う~ん…」
「どうした?」
「犯人は複数なのかどうか悩み中。」
「どうしてだ?」
「誘拐事件の時の犯人にはヒエラルキーがあるの。でも、今回は突出して大きな動きがあるわけでもない。毒オタクが犯人だとしても、1人で何もかも出来るような気もしないし。」
「単独だと思うぞ。相手は『これは君と僕の勝負』だと言ってるんだから。人を使っても仲間だとも思ってない。ポストに手紙があればメイドが渡す。このメイドはいつも通りの仕事をしてるが、知らないうちに利用されてる。」
「たしかに、その通りね…。」
「…木を隠すなら森の中。」
「何?急に。」
「前にパーティーで『コックの服を着てる犯人を見失った』っと言ってた。『上手く溶け込める人』か、逆に『誰もがよく知ってる人』のどちらかだと思う。こんな例は上げたくはないが、後者は兄のような男だ。どこにいたって目立ってはいても違和感はない。社交的だからな。もし何か頼んでも、その相手は悪事に手をかしてると気が付かない。」
ロビン様みたいな人がいるんじゃないか…っていうのは、セドリックも思うんだ…。
「…リズは事件を大きくみすぎて、根本的な事を忘れてる。あれは犯人からリズ宛の恋文だ。1枚は直接部屋に置きに行くくらいの。」
「…変態からのね。」
「『毒を愛する者』と書けば、必ずリズの興味をひける。」
「……」
「本名を書かなくても…これなら気がつくかもしれない。という期待もある。」
「……」
「リズへの殺人に美学みたいな物を持ってて、尚且つそれは独占欲のような物でもあるんだろ。『僕の…』だからな。ただ殺したいだけなら勝負などもちかけない。」
「貴方がその男として考えたらそうなるの?」
「俺はこんな狂人じゃない。」
「でも、その予想した心理は間違えてないわよ。」
「犯罪者どうこうでなく、誰にでも独占欲のような物はあるだろうし。」
「貴方には無さそうね。『誰でもいい』だし。」
「……」
「仕方ないわよね。好きな人なんて作ってしまえば辛いだけだもの。」
「リズにはいるのか?」
「いないわ。お父様より素敵な人がいれば
別だけど。」
「難題だな。侯爵を基準にしたら誰も残らない可能性の方が高いぞ。」
「当然よ。」
たとえ好きな人がいたとしても、見つけたとしても、私は付き合う事は出来ないもの。
「う~ん…」
「どうした?」
「犯人は複数なのかどうか悩み中。」
「どうしてだ?」
「誘拐事件の時の犯人にはヒエラルキーがあるの。でも、今回は突出して大きな動きがあるわけでもない。毒オタクが犯人だとしても、1人で何もかも出来るような気もしないし。」
「単独だと思うぞ。相手は『これは君と僕の勝負』だと言ってるんだから。人を使っても仲間だとも思ってない。ポストに手紙があればメイドが渡す。このメイドはいつも通りの仕事をしてるが、知らないうちに利用されてる。」
「たしかに、その通りね…。」
「…木を隠すなら森の中。」
「何?急に。」
「前にパーティーで『コックの服を着てる犯人を見失った』っと言ってた。『上手く溶け込める人』か、逆に『誰もがよく知ってる人』のどちらかだと思う。こんな例は上げたくはないが、後者は兄のような男だ。どこにいたって目立ってはいても違和感はない。社交的だからな。もし何か頼んでも、その相手は悪事に手をかしてると気が付かない。」
ロビン様みたいな人がいるんじゃないか…っていうのは、セドリックも思うんだ…。
「…リズは事件を大きくみすぎて、根本的な事を忘れてる。あれは犯人からリズ宛の恋文だ。1枚は直接部屋に置きに行くくらいの。」
「…変態からのね。」
「『毒を愛する者』と書けば、必ずリズの興味をひける。」
「……」
「本名を書かなくても…これなら気がつくかもしれない。という期待もある。」
「……」
「リズへの殺人に美学みたいな物を持ってて、尚且つそれは独占欲のような物でもあるんだろ。『僕の…』だからな。ただ殺したいだけなら勝負などもちかけない。」
「貴方がその男として考えたらそうなるの?」
「俺はこんな狂人じゃない。」
「でも、その予想した心理は間違えてないわよ。」
「犯罪者どうこうでなく、誰にでも独占欲のような物はあるだろうし。」
「貴方には無さそうね。『誰でもいい』だし。」
「……」
「仕方ないわよね。好きな人なんて作ってしまえば辛いだけだもの。」
「リズにはいるのか?」
「いないわ。お父様より素敵な人がいれば
別だけど。」
「難題だな。侯爵を基準にしたら誰も残らない可能性の方が高いぞ。」
「当然よ。」
たとえ好きな人がいたとしても、見つけたとしても、私は付き合う事は出来ないもの。
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