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毒を愛する者より3

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フリナから出た煙は無臭…。

私はこれくらいの手紙で死ぬはずがない…と、予想して送ってきてる。なかなか見る目はあるわね。この毒オタクは。

私が本格的に狙われ始めてるのはエミリオにだけ言っておこう。セドリックを厳重に守ってもらわないと。

ううん、やっぱり止めておこう。
犯人はエミリオじゃ無いとは言えないもの。
初めて会った時、『会いたかった』って言われたしね。
それに、腕の事で恨まれてるかもしれないし。

あの性格、わざわざこんな手の込んだ事しそうにないけどね。


外出禁止、そうなるとこの手紙みたいにチマチマ攻撃されるのかしら。もし私が動かなかったら、まわりを攻撃し出したりするかもしれない。

誰かに言おう……。


悩んだ末に、セドリック王太子殿下を選んだのは間違いだったかしら。

「私が狙われているのは知ってますよね。」
「……いや」

セドリックが私から目をそらした。

「驚くほど嘘が下手すぎますよ。知ってるなら話が早いんです。その犯人は本格的に動き出しました。セドリック様、気を付けてください。」
「…っ気を付けろって、それはリズだろ!」
「私は大丈夫です。もし気になるようでしたら、いつも一緒に行動させて貰えませんか?エミリオがいれば私も助かりますし。」
「…外出しない方が安全だ。」

確かに、皆そう思うよね。

「今日、私宛に手紙が2通届きました。」
「それには何と書いてあったんだ?」
「『僕の愛するエリザベスへ。これは君と僕の勝負だよ。毒を愛する者より。』」
「……もう一通は?」
「文字は何も。ただ花弁が1枚。フリナのね。」
「…っ触ったりしてないか!?大丈夫なのか!!」
「落ち着いて下さい。ピンセットでつまんで、ビンにいれてます。」
「はぁ…、怪我がなくてよかった。」
「セドリック様が狙われてるんじゃないかって思ってからは、私も気をつけてますよ。問題はそんな事じゃないんです…。」
「では何だ?」
「手紙が2通と言いましたが、1通は置き手紙です。正しくは、をわざわざ机に置いて、その1ページ目に手紙が挟んであったんです。ここに直接置きに来たのか、誰かに頼んだのかは解りません。」
「誰かから預かったとしても、必ずルネを通すし、普通は勝手に部屋に入るような事はしないな。」
「勝手に入った人がいるのよ。誰にも気がつかれないようにね。」

それが1番怖いんだよね。護衛が本当に護衛として動いてるのかわからないもの。

「護衛をつけるにしても、サーシャを中心にしてほしいの。」

ルネが信用している人なら、私も信用できる。逆に、そうじゃない人は信用できない。
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