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よくわからないけど3

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「あれ?エミリオ、どうしたの?」
「いや、それが俺もよくわからない。『エリザベス様の毒草研究の手伝いをしてやってくれ』って、急に辞令が。」
「…どういう事?」

セドリックはいつも通り、シレっとした顔で驚きの一言。

「事件は解決しそうだから、今まで毒草に触れられなかった分の詫びだ。」

お詫び?よくわからないわ。

「何かがおかしいわ。ねぇ、エミリオ、思わない?」
「思いますね。わざわざ俺をアシスタントに置く理由も見当たらない。」
「そうよね。」

よくわからないけど、今なら何でも聞いてもらえそうな気がするわ。

「サイスとピカピカが欲しいわ…。」
「わかった。何とかする。」
「……貴方、どうしたの?」
「どう、とは?」

絶対におかしい!!
エミリオだってそう思ったはずよ。
チラっと顔を見ると、彼もコクリと頷いた。


学校が終わって、エリザベス専用研究室に行ったのだけど…。

「セドリック様、貴方は王太子だしそれなりにやる事はあるでしょう?何故ここに?」
エミリオと私は白衣と手袋を装着して、今からスホーンの粉末を調べる用意をしているのだけど、何故かそこにセドリックもいる。
「もし2人きりになるのが気になるっていうなら大丈夫よ。今日はルネもいるもの。」
「……」

どうしよう。真意がつかめないわ。もしかして、私が長官の言う事を聞かずに動き回ると思ったのかしら。
さすがに、手がかりもないのに突っ走る事が出来ないのは理解したわよ…。

何かがあるわ。こんな解り安い行動をとるくらいの何か…っあるじゃないっ!!

「セドリック様…。私に毒草を触らせて優しくしておけば、婚約者に簡単になるんじゃないかって思ってるんでしょ…。」
「は?」
「婚約者になっても毒草を研究してもいいよ…。って錯覚させて、丸め込もうとしてるのね…。婚約者候補はあと2人いますので、そちらとも交友を深めてください!」
「……」
「何をポカンとしてるの?」
「いや、別に…」

婚約者は関係ない…と言おうとして俺は止めた。
『関係ないなら尚更おかしい』
と疑う。そうなると、理由を絶対に知らないと気がすまないタイプだ。

「順番に話をしろ…と言われてる。最近、リリーが兄上とよく出掛けていて、今日は会えなかった。ルーシーとは幼馴染みだから、わざわざ話さなくても大概の事は解る。」
「……」
「どうした?」
「どうしたって、何がですか?」
「急にムスっとしてるから。」
「そんな事ないわよ。ただルーシー様をパーティーに誘ってたって言ってたのを思い出したの。話をしなくてもお互いの事を解ってるなら、彼女に決めればいいのに。」
「…それとこれとは話が違う。」
「違わないわ。エミリオ、もうセドリック様なんて放っておいて、早く調べましょう!」
「…ククっ、そうですね。」
「エミリオ、何故笑っているの?」
「研究が楽しみで。」
「……」

そんな風には見えないけど…。

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