63 / 138
優先順位2
しおりを挟む
う~ん、女だから犯人…と、安易に考え過ぎよね。これは頭の片隅にチラっと置いておこう。
「皆さん、お茶にしませんか?私、入れてきますね。」
あまり長い時間は探せない。働くのに許されてるのは17時まで、そこからは追い出される。仕事をさせられるだけで帰るだなんてあり得ないわ。忍び込む、その場所を確保しないと……ん?
目の前を歩く人を見てギョっとした。
「セドリック様……?」
「リズ…心配だから見に来た。」
「っちょっと来てください!」
私は近くにある空き部屋にセドリックを押し込んだ。
「貴方は何を考えてるの!」
「別に、バレなければいい。」
「いくらウィッグをつけてても、その目の色をした人がこの国では珍しいのは知ってるでしょ?バレるわよ!」
「……」
「ラッドさんは?」
「兄上の所へ。」
「護衛は…どうやって?」
「変装して2階から脱走した。」
何をやってるの!あの護衛達っ!!
「来られると困るのよ…。私じゃなくて貴方が狙われてしまうでしょう!」
「俺がいなければリズが狙われる。」
「心配しなくても大丈夫よ。私は弱くないの。」
「力なら俺の方が強い。」
「そういう事じゃなくて!」
「ならどういう事だ?誰を探してるかわからない。だが、相手はリズがどこにいても手に取るようにわかる。」
「それでいいのよ。」
「俺もここにいる。嫌なら侯爵に話を聞く事にする。」
「貴方、私の味方をしてくれていたんじゃないの?」
「だから手伝いにきた。」
「王太子が捕まったらどうするのよ!」
「捕まらない。」
「……」
まさか私の上を行くお馬鹿だと思わなかったわ…。
「何か案でもあるのか?」
「前に長官に会った時に『事件の事で思い出した事がある』って言うと通してくれたの。だから同じような手を使おうかと思って。『もう1つ証拠品をもっている』っとか。」
「それをどこで誰に言うかだな。誘拐事件にさいてる人員は多い。その中でも捜索人数や配置を決めてるのは下っ端じゃない。」
「上層部にもスパイがいるかもしれないという事?」
「何日前に指令が下るのか聞いてみたが、最近はその日の朝らしい。この前のリズの事件、C班は寮のすぐ側にいた。」
「側に?」
「騎兵も何人かいた。だが俺が事故ったと叫ばれれば、そのブロックの警官はほぼ俺の方へくる。サーシャが男を追いかけたのがその例だ。」
「C班とサーシャさんを誘き寄せて、私を1人にさせたかった。」
「あの場所で俺を待つ…と決めたのは、パーティーに行くと言い出したからだ。そしてサーシャを護衛につけたのもその日からだ。」
「あの場にいた人に犯人が?」
「ありえるが違うだろうな。俺の護衛の知り合い…そんな所だと思う。」
「けど、それくらいなら簡単に捕まるんじゃないの?容易に想像出来るし。」
「それが進まない、進めない奴がいたとしたら、解決が難しい。」
「全ての誘拐事件を結びつけられないままなら、何が本当なのかはわからない。私の捕まえた犯人が死ねば詳しくは解らないのね。」
「皆さん、お茶にしませんか?私、入れてきますね。」
あまり長い時間は探せない。働くのに許されてるのは17時まで、そこからは追い出される。仕事をさせられるだけで帰るだなんてあり得ないわ。忍び込む、その場所を確保しないと……ん?
目の前を歩く人を見てギョっとした。
「セドリック様……?」
「リズ…心配だから見に来た。」
「っちょっと来てください!」
私は近くにある空き部屋にセドリックを押し込んだ。
「貴方は何を考えてるの!」
「別に、バレなければいい。」
「いくらウィッグをつけてても、その目の色をした人がこの国では珍しいのは知ってるでしょ?バレるわよ!」
「……」
「ラッドさんは?」
「兄上の所へ。」
「護衛は…どうやって?」
「変装して2階から脱走した。」
何をやってるの!あの護衛達っ!!
「来られると困るのよ…。私じゃなくて貴方が狙われてしまうでしょう!」
「俺がいなければリズが狙われる。」
「心配しなくても大丈夫よ。私は弱くないの。」
「力なら俺の方が強い。」
「そういう事じゃなくて!」
「ならどういう事だ?誰を探してるかわからない。だが、相手はリズがどこにいても手に取るようにわかる。」
「それでいいのよ。」
「俺もここにいる。嫌なら侯爵に話を聞く事にする。」
「貴方、私の味方をしてくれていたんじゃないの?」
「だから手伝いにきた。」
「王太子が捕まったらどうするのよ!」
「捕まらない。」
「……」
まさか私の上を行くお馬鹿だと思わなかったわ…。
「何か案でもあるのか?」
「前に長官に会った時に『事件の事で思い出した事がある』って言うと通してくれたの。だから同じような手を使おうかと思って。『もう1つ証拠品をもっている』っとか。」
「それをどこで誰に言うかだな。誘拐事件にさいてる人員は多い。その中でも捜索人数や配置を決めてるのは下っ端じゃない。」
「上層部にもスパイがいるかもしれないという事?」
「何日前に指令が下るのか聞いてみたが、最近はその日の朝らしい。この前のリズの事件、C班は寮のすぐ側にいた。」
「側に?」
「騎兵も何人かいた。だが俺が事故ったと叫ばれれば、そのブロックの警官はほぼ俺の方へくる。サーシャが男を追いかけたのがその例だ。」
「C班とサーシャさんを誘き寄せて、私を1人にさせたかった。」
「あの場所で俺を待つ…と決めたのは、パーティーに行くと言い出したからだ。そしてサーシャを護衛につけたのもその日からだ。」
「あの場にいた人に犯人が?」
「ありえるが違うだろうな。俺の護衛の知り合い…そんな所だと思う。」
「けど、それくらいなら簡単に捕まるんじゃないの?容易に想像出来るし。」
「それが進まない、進めない奴がいたとしたら、解決が難しい。」
「全ての誘拐事件を結びつけられないままなら、何が本当なのかはわからない。私の捕まえた犯人が死ねば詳しくは解らないのね。」
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
342
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる