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優先順位2

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う~ん、女だから犯人…と、安易に考え過ぎよね。これは頭の片隅にチラっと置いておこう。

「皆さん、お茶にしませんか?私、入れてきますね。」

あまり長い時間は探せない。働くのに許されてるのは17時まで、そこからは追い出される。仕事をさせられるだけで帰るだなんてあり得ないわ。忍び込む、その場所を確保しないと……ん?
目の前を歩く人を見てギョっとした。

「セドリック様……?」
「リズ…心配だから見に来た。」
「っちょっと来てください!」

私は近くにある空き部屋にセドリックを押し込んだ。

「貴方は何を考えてるの!」
「別に、バレなければいい。」
「いくらウィッグをつけてても、その目の色をした人がこの国では珍しいのは知ってるでしょ?バレるわよ!」
「……」
「ラッドさんは?」
「兄上の所へ。」
「護衛は…どうやって?」
「変装して2階から脱走した。」

何をやってるの!あの護衛達っ!!

「来られると困るのよ…。私じゃなくて貴方が狙われてしまうでしょう!」
「俺がいなければリズが狙われる。」
「心配しなくても大丈夫よ。私は弱くないの。」
「力なら俺の方が強い。」
「そういう事じゃなくて!」
「ならどういう事だ?誰を探してるかわからない。だが、相手はリズがどこにいても手に取るようにわかる。」
「それでいいのよ。」
「俺もここにいる。嫌なら侯爵に話を聞く事にする。」
「貴方、私の味方をしてくれていたんじゃないの?」
「だから手伝いにきた。」
「王太子が捕まったらどうするのよ!」
「捕まらない。」
「……」

まさか私の上を行くお馬鹿だと思わなかったわ…。

「何か案でもあるのか?」
「前に長官に会った時に『事件の事で思い出した事がある』って言うと通してくれたの。だから同じような手を使おうかと思って。『もう1つ証拠品をもっている』っとか。」
「それをどこで誰に言うかだな。誘拐事件にさいてる人員は多い。その中でも捜索人数や配置を決めてるのは下っ端じゃない。」
「上層部にもスパイがいるかもしれないという事?」
「何日前に指令が下るのか聞いてみたが、最近はその日の朝らしい。この前のリズの事件、C班は寮のすぐ側にいた。」
「側に?」
「騎兵も何人かいた。だが俺が事故ったと叫ばれれば、そのブロックの警官はほぼ俺の方へくる。サーシャが男を追いかけたのがその例だ。」
「C班とサーシャさんを誘き寄せて、私を1人にさせたかった。」
「あの場所で俺を待つ…と決めたのは、パーティーに行くと言い出したからだ。そしてサーシャを護衛につけたのもその日からだ。」
「あの場にいた人に犯人が?」
「ありえるが違うだろうな。俺の護衛の知り合い…そんな所だと思う。」
「けど、それくらいなら簡単に捕まるんじゃないの?容易に想像出来るし。」
「それが進まない、進めない奴がいたとしたら、解決が難しい。」
「全ての誘拐事件を結びつけられないままなら、何が本当なのかはわからない。私の捕まえた犯人が死ねば詳しくは解らないのね。」
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