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身勝手2

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何を安穏としてたのかしら。

私は勘違いしてたわ。傲りでもよかったのよ。

セドリックの優しさはありがたいし、それは受け止めるわ。実際、本当の事を言われているもの。だから1度納得してしまった。

弟が死んだ。
『どうすればよかったの?』
答えは簡単よ。これからは戦えばいいのよ。元を絶てばいい。その為には毒だって使うわ。
殺されて当然の事をしてるんだから。理不尽に殺される人には助けとして、逆の事をする人には、草自身が身を守る為に得た毒性を発揮してもらうわ。

大事なものの為に。
私にとって侯爵夫妻。
セドリック、貴方の言葉じゃないの。

「リズ、どんな事があっても、捜査に参加させたりはしない。」

「…わかったわ。」

許されなくて構わないわ。ただ人気ひとけのない所を歩けばいいだけだもの。それで犯人はよってくる。

「マオさんをはなして。連れていくなら私はこう言うわ。『これを実行するために、2人で毒草を育てていました』ってね。」

「そんなの聞き入れられない。」

「庭に私が育てた毒草があるのに、それは通用しないというものよ。」

「そうじゃないのを俺は知ってる。」

「そうね、これは私とマオさんの身勝手…。けれど、その引き金を弾いたのは無能な警察よ。マオさんは優しかったから少しお腹が痛くなる毒で済ませてくれたのよ。これから、こういう女性が出てきた時に、『何も出来ない権力者を殺してやりたい』…と思う人が何人出てくるかしら。恋人なら尚更だわ。子供じゃない、16才の女が誘拐されて何をされるか…貴方達だって容易に想像はつくでしょう。…だから彼女は死んだ。これは殺されたのよ。『手伝うな』ですって?ふざけないでよ。男ばかりで捜査して、スパイがいるのにも気が付いているのに何もしない。女がどれだけ苦しむのか、『気にするな』の一言ですむと思ってるの?本当、役立たずが勢揃いだわ。私を囮にするのは賛成よ。セドリック、既に私はこの犯人探しののよ。よく考えなさい。」

「そんな事はさせないっ!」

「…違うの、そうじゃないの。事件を早く終わらせなければ『そんな事』になるの。私が囮以外で役に立つ事があれば、それをするのは最善なの。貴方達の中にナイフを素手で握って、足に刺して、殺すつもりで人を馬車から蹴落とす残酷さと度胸の持ち主はいるかしら。」

「エリザベス様、何を言われても無理です。連れていけ。」

警察からの護衛がマオさんを連れていってしまった。

「そう…気分が悪いから失礼するわ。」

マオさんが悪いのは解ってる。けれど納得は出来ない…。
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