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栽培

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夏の休暇!!

だけど、お家には帰ってないのよね。
今は寮じゃなくて前に来た王家所有の別邸よ。
これはお母様の希望でもあるの。警備はその方がしっかりしてるから…って。女の自分ではお父様がいない時に護れないかもしれないから…。お母様優しい!

休暇の数日前にまた誘拐事件が起きたから余計に…。警察は何をしているの!


暇な休暇になるかな…って思っていたんだけど、お庭があるし庭師のマオさんも優しい、お父様もお母様も遊びに来てくれるし、ルネもいるし、結構楽しいのよね。
護衛のサーシャさんとも仲良くなってきたし。

ルネとサーシャさんはとても仲がいいみたい。『お嬢様にもっと可愛い服を着せたい』でも私が婚約者になりたくないと2人とも知ってるから『可愛い服を着せてしまって、セドリック様がエリザベス様の事を好きになったらまずい』…と、2人で悩んでるのも見たわ。

容姿で誰かを好きになるタイプじゃ無さそう。一途そうよね。…っ誰か女性を好きにさせればいいのよ!…けど難しいわね。私…こっちで友達いないもの。セドリックの友達には彼氏がいるわけだし。
でも何とか頑張らないと!!

直接聞いてみよう。好きな人がいるかどうか。いたら応援するわ!


その日の夕食に決行よ!

「セドリック様には好きな女性はいないのですか?」

わざと水を飲んでいる時に聞いてみた。

「…ゴホッ」

わかりやすい!!これはいるわねっ!

「学校にいる方ですか?もしかして、辺境にいらっしゃるとか…」
「…別に好きな女などいない。」
「婚約者候補の前で言えるわけありませんね。失礼しました。」
「……」


側にいたラッドは心の中で突っ込んだ。
『セドリック様が好きなのは100%貴女です。エリザベス様…。』



次の日は晴天

朝から庭師のマオさんと花の手入れ。
今日こそ言うのよっ!!

「マオさん、私…毒草を植えたいのですが…駄目でしょうか?」

『エリザベス毒草ガーデン』を作りたいのよね…。

「構いませんよ。ただ毒性の強いものは避けてください。邸の中だといっても、狙われる事はありますから。」

なるほど…。

「そうだ!マオさんは毒草に詳しかったりしませんか?」
「見た目で判断するくらいは出来ますよ。どれくらいの毒なのか、そこまではわかりませんが。」

さすが王族の専属庭師。知識がある人がいるなら安心だわ。

『毒草ガーデンの毒草で王太子が殺された!』なんて洒落にならないもの。
セドリックもここに住んでるから可能性はあるしね。
…セドリックは自分を責めてると思うの。だから、ここに残ってるのよ。
馬車が遅れなければ私は事件に巻き込まれなかった。そんなの彼が悪い訳じゃねいのに…。

城に帰るように進めてみよう。私と一緒にいるのは危険すぎるわ。
私より狙われる確率は多いはずだもの。
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