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記憶
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私はパーティーみたいなものに1度しか行った事がないのよね。どんな服を着ればいいのかわからないの…。
黒で首までつまった長袖のロングワンピース。1番肌が隠れるのはこれ。裾はフレアだから、何となくきれいに見える…でしょう。
何でもいいわね、今さらだもの。
もう日曜日、馬車を待っている所よ。それに問題は服なんかじゃないのよ。
「サーシャさん…いつまで私の護衛をするんでしょうか?」
「セドリック様が『よし』と判断するまでです。」
「そう…ですか…。」
私には護衛がついてるのよね。
これだと毒会に行けるかピンチだわ。5日間の休みは貰えてるけど、用件は『お父様に呼び出されている』って嘘を伝えてるんだもの。セドリックに知られてたら、確認の為に手紙を出されてる可能性だってあるよね。
それにしても遅いわね。さすがに寒くなってきたわ。
約束の時間を20分ほど過ぎてるし、風邪引いたらどうするのよ!毒会に行けなくなるじゃない!
「大変だー!!セドリック王太子の乗った馬車と子供とぶつかったぞーっ!」
「子供っ!?」
「オイッ!そこの男!止まれっ!!」
サーシャさんの声は聞こえなかったのか、男は行ってしまった。
「エリザベス様、少々お待ちをっ!」
「はいっ!行ってきてください!」
一体何が…迎えが遅れてるのってこのせい?
護衛がいなくなると、物凄い勢いで走ってきた馬車が私の前に止まった。
「……」
絶対にセドリックが乗るような馬車じゃない。これは逃げないとっ!
男が1人、私を追いかけてきた。
寮中に入るにしても、戸には鍵がかけられてる。そうなると鍵が開けられるまでに絶対捕まる。
サーシャさんが走った方向に思いっきり走ったけど、ワンピースの裾のせいでもたついていつもより速く走れない。靴を脱いで走った。どんなに痛くても裸足で走るのはなれてる。
けれど追い付かれてしまった。
「たすけてーーっ!サーシャーっ!」
「黙れっ!」
「んーっ!」
追ってきた男に口をふさがれて助けを呼べなくなった。
誘拐が多発してるって言ってた。さっきのも罠だったんだわ!!
私が馬車に連れ込まれる時、ちょうどセドリックが乗ってる馬車が角を曲がってきた。
「んんんっ!!んんーーっ!」
(遅い!バカーー!)
「エリザベス様っ!!」
そのまま馬車を停めずに、御者が大きな声を出して追いかけてきてくれた。
よかった…気がついてくれた!
「早くだせ!」
「んーっ!!」
「ジタバタするな!」
私を乗せた馬車も走り出してしまった。
…このまま連れていかれたらまずい!噂をたてられるっ!綺麗な体じゃないって!体の傷ももちろんだけど、女として!
侯爵家に迷惑がかかる!!何とかして逃げないとっ!
「んんっーー!!」
ガンガン
足で扉をおもいっきり蹴ったら扉は開いた。
「動くんじゃねぇっ!!」
「っ!?」
男が私にナイフを向けてきた。
あの時の記憶が…
いっきによみがえってきた。
黒で首までつまった長袖のロングワンピース。1番肌が隠れるのはこれ。裾はフレアだから、何となくきれいに見える…でしょう。
何でもいいわね、今さらだもの。
もう日曜日、馬車を待っている所よ。それに問題は服なんかじゃないのよ。
「サーシャさん…いつまで私の護衛をするんでしょうか?」
「セドリック様が『よし』と判断するまでです。」
「そう…ですか…。」
私には護衛がついてるのよね。
これだと毒会に行けるかピンチだわ。5日間の休みは貰えてるけど、用件は『お父様に呼び出されている』って嘘を伝えてるんだもの。セドリックに知られてたら、確認の為に手紙を出されてる可能性だってあるよね。
それにしても遅いわね。さすがに寒くなってきたわ。
約束の時間を20分ほど過ぎてるし、風邪引いたらどうするのよ!毒会に行けなくなるじゃない!
「大変だー!!セドリック王太子の乗った馬車と子供とぶつかったぞーっ!」
「子供っ!?」
「オイッ!そこの男!止まれっ!!」
サーシャさんの声は聞こえなかったのか、男は行ってしまった。
「エリザベス様、少々お待ちをっ!」
「はいっ!行ってきてください!」
一体何が…迎えが遅れてるのってこのせい?
護衛がいなくなると、物凄い勢いで走ってきた馬車が私の前に止まった。
「……」
絶対にセドリックが乗るような馬車じゃない。これは逃げないとっ!
男が1人、私を追いかけてきた。
寮中に入るにしても、戸には鍵がかけられてる。そうなると鍵が開けられるまでに絶対捕まる。
サーシャさんが走った方向に思いっきり走ったけど、ワンピースの裾のせいでもたついていつもより速く走れない。靴を脱いで走った。どんなに痛くても裸足で走るのはなれてる。
けれど追い付かれてしまった。
「たすけてーーっ!サーシャーっ!」
「黙れっ!」
「んーっ!」
追ってきた男に口をふさがれて助けを呼べなくなった。
誘拐が多発してるって言ってた。さっきのも罠だったんだわ!!
私が馬車に連れ込まれる時、ちょうどセドリックが乗ってる馬車が角を曲がってきた。
「んんんっ!!んんーーっ!」
(遅い!バカーー!)
「エリザベス様っ!!」
そのまま馬車を停めずに、御者が大きな声を出して追いかけてきてくれた。
よかった…気がついてくれた!
「早くだせ!」
「んーっ!!」
「ジタバタするな!」
私を乗せた馬車も走り出してしまった。
…このまま連れていかれたらまずい!噂をたてられるっ!綺麗な体じゃないって!体の傷ももちろんだけど、女として!
侯爵家に迷惑がかかる!!何とかして逃げないとっ!
「んんっーー!!」
ガンガン
足で扉をおもいっきり蹴ったら扉は開いた。
「動くんじゃねぇっ!!」
「っ!?」
男が私にナイフを向けてきた。
あの時の記憶が…
いっきによみがえってきた。
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