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超猛毒草に認定!3

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「どうかしましまたか?」

セドリックの様子がおかしいわ。なんだか複雑そうな顔をしてるもの。

「何でもない。コチは諦める。」
「それがいいと思います。」
「ああ。俺はやる事があるから先にいく。」

そうしてくれると助かるわ。




やっぱりそうだ。
俺は『会いたい子がいる』とは言ったけど、『花を買った女の子』だなんて、言ってなかったはずだ。
リズの中に『花を売った男の子』という意識があったから、口からこぼれた…。そして、今も気がついてない。
コチに行くと言えば必ず止める。行く気はないけど、そう言った時の反応をもう一度確かめたかった。

俺が花を買った男の子だと、始めて会った時からずっと気が付いていたはずだ。過去の自分を知る男と接触したくなかった。

手の甲の火傷に黒髪と紺の瞳。
向こうからすれば、俺だと解っていても『王太子が危険な場所に来るはずがない』と思ってはいただろうし、確信がなかったのかもしれない。

俺はあの時、自分がどこの街にいて、そこがどんな場所なのかも知らなかった。ただ馬車から逃げ出した。
その時、裸足で花を売る女の子を見た時、自分はこの子より上だ…と思ってしまった。雑草を引きちぎっただけの花を売って、『可哀想だから買ってやる』って思った。
女の子が笑顔で帰って行った後、すぐに俺は連れ戻された。

その時に買った花は棄てた。
 

あれから邸に戻って、俺は自分のした事を悔いた。何でも言われた通りしてたらいいんだと、それが嫌で馬車から逃げたのは、少しの反抗だった。

逃げ出したくせに、人を見下した。『よりマシだ』…と。
俺は嫌な男になっている。人に興味もない。今も変わらず操り人形。

女の子に会いたかった。それは俺の懺悔だ。
相手は何も思って無くても、楽になりたいだけ。

けど、それだけじゃない。
この思いだけは変わらなかった。誰かに言われたからじゃない、ずっと女の子に会いたいと思ってた。例え誰と結婚したとしても、国王になっても、誰かの言いなりにしかなれない男だとしても、彼女に会いたいという思いはなくならない。

でも、こうして会えたとしても、気が付かないふりをしていなければ、リズは侯爵家を出てしまうだろう。

『ご免なさい、許してくれ』なんて、的外れだ。俺は女の子に会って一体何をするつもりだったんだ?会えたのだから、それでいい…。
なのに何故か心が痛い。

女の子がリズじゃなければよかったのに。
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