34 / 138
エリザベスの逆襲
しおりを挟む
『庭を見せる』
これもロビン様の指示の可能性はあるわね。セドリックのやる事は本人の意思じゃないものとして判断する事にしたほうが良さそうだわ。
「うわぁ、凄い。」
庭を見て思わず言ってしまった。
おそらく幾つかある別邸の1つなんでしょうけど…、さすが王家の所有するものは何でも立派ね。
…ロールが咲いてる。微量の毒を持つ花だけど害はない。けど育てるのが大変なのよね。私も負けていられないわ!毒草地帯にこれも植えよう!
他にも見た事がない花がある…。
私が知らない草や花はどれくらいあるのかしら。生涯をかけて勉強できるように頑張ろう。
「リズ」
「はい」
「この花は、何という花だ?」
セドリックが指差すのは、手入れをされた場所じゃなく、壁際に生えていた桃色の花。
「それは、モモホシクズです。」
「モモホシクズ…」
私が男の子に売った花…。やっぱり100%あの男の子だ。私に聞いてくるのは偶然なのか、意図してなのか…。
「何処にでも分布してるのか?」
「ええ、どこにでもある花よ。」
「…そうか。」
可哀想だけど、貴方は永遠に女の子には会えないわ…。
庭を見終わって屋敷へもどる途中、珍しくセドリックが話しかけて来た。
「楽しかったか?」
「え?」
「いや、ご機嫌だから。」
「…機嫌はよくないわ。花が美しくて嬉しかっただけよ。」
「まぁ、違わないな。」
「……」
3時間も庭師のおじさんと花の育て方や種類の事でもりあがって、喜んでいたのは確かだけど…。
「土で汚れてる。」
私の頬に土がついていたのか、セドリックが親指で拭いた。
「っ!?」
「…どうした?変な顔をして。」
変って…、
「顔に突然触れるなんて、失礼よ!」
「…そうなのか?土がついていたから拭いただけだが。」
この人、女性との距離感が解らないのかしら。そういえば、前にもずぶ濡れの私の頬を触ってたわ。
「パーティーに出たりしてるなら、それくらい解るでしょう。」
「必要な会話しかしないし、簡単に言うと人に興味がない。」
人に興味がない…って事は、いつも一緒にいる4人を友達だとは思ってないのね。
「ヘアピンは渡さない方がよかったな…。」
セドリックが何か呟いたけれど聞こえなかった。
「ごめんなさい、もう1度言って…」
「いや、何でもない。」
「そう…ですか。」
隣にいる私に聞こえないくらいの声で言う事なんて、いい内容でないのは解るけどね。
それから暫くして、帰って来たロビン様。
「今日は楽しかったかい?2人とも。」
「私も王太子様も、お互い話したい事がなくて困りました。報告は以上です。」
「そう。」
…何を言ってもニコニコしてるのが怖いのよ。この人。
これもロビン様の指示の可能性はあるわね。セドリックのやる事は本人の意思じゃないものとして判断する事にしたほうが良さそうだわ。
「うわぁ、凄い。」
庭を見て思わず言ってしまった。
おそらく幾つかある別邸の1つなんでしょうけど…、さすが王家の所有するものは何でも立派ね。
…ロールが咲いてる。微量の毒を持つ花だけど害はない。けど育てるのが大変なのよね。私も負けていられないわ!毒草地帯にこれも植えよう!
他にも見た事がない花がある…。
私が知らない草や花はどれくらいあるのかしら。生涯をかけて勉強できるように頑張ろう。
「リズ」
「はい」
「この花は、何という花だ?」
セドリックが指差すのは、手入れをされた場所じゃなく、壁際に生えていた桃色の花。
「それは、モモホシクズです。」
「モモホシクズ…」
私が男の子に売った花…。やっぱり100%あの男の子だ。私に聞いてくるのは偶然なのか、意図してなのか…。
「何処にでも分布してるのか?」
「ええ、どこにでもある花よ。」
「…そうか。」
可哀想だけど、貴方は永遠に女の子には会えないわ…。
庭を見終わって屋敷へもどる途中、珍しくセドリックが話しかけて来た。
「楽しかったか?」
「え?」
「いや、ご機嫌だから。」
「…機嫌はよくないわ。花が美しくて嬉しかっただけよ。」
「まぁ、違わないな。」
「……」
3時間も庭師のおじさんと花の育て方や種類の事でもりあがって、喜んでいたのは確かだけど…。
「土で汚れてる。」
私の頬に土がついていたのか、セドリックが親指で拭いた。
「っ!?」
「…どうした?変な顔をして。」
変って…、
「顔に突然触れるなんて、失礼よ!」
「…そうなのか?土がついていたから拭いただけだが。」
この人、女性との距離感が解らないのかしら。そういえば、前にもずぶ濡れの私の頬を触ってたわ。
「パーティーに出たりしてるなら、それくらい解るでしょう。」
「必要な会話しかしないし、簡単に言うと人に興味がない。」
人に興味がない…って事は、いつも一緒にいる4人を友達だとは思ってないのね。
「ヘアピンは渡さない方がよかったな…。」
セドリックが何か呟いたけれど聞こえなかった。
「ごめんなさい、もう1度言って…」
「いや、何でもない。」
「そう…ですか。」
隣にいる私に聞こえないくらいの声で言う事なんて、いい内容でないのは解るけどね。
それから暫くして、帰って来たロビン様。
「今日は楽しかったかい?2人とも。」
「私も王太子様も、お互い話したい事がなくて困りました。報告は以上です。」
「そう。」
…何を言ってもニコニコしてるのが怖いのよ。この人。
3
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
愛をしらない番を愛したい竜〜竜は番を自分色に染めたい〜
kimagure ya
恋愛
神獣 竜のアッシュと 番であるリリーラとの恋物語です
初投稿です
誤字脱字多めです 優しくスルーしてください
長編になる予定です。
発投稿です
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私も異世界に転生してみたい ~令嬢やめて冒険者になります~
こひな
恋愛
巷で溢れる、異世界から召喚された強大な力を持つ聖女の話や、異世界での記憶を持つ令嬢のハッピーエンドが描かれた数々の書物。
…私にもそんな物語のような力があったら…
そんな書物の主人公に憧れる、平々凡々な読書好きな令嬢の奇想天外なお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる