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腹黒ロビン様3

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「私は『セドリック様が私と話したい』と聞いておりますので、出来れば用件を仰ってください。」

「…俺は何も言っていない。」

「私も何も言っておりません。きっとどこかで話が食い違ったのですね。」

「…そうだな。」

「ええ。私達は特に仲がいいわけでもありませんし、話す事などありませんから。」

でもこれで帰ったとしても、この邸に来たという事実が厄介だわ。何とかしないとね…。何もかも私とセドリックが知らないうちに色々動かれるのは面倒だもの。

…そうだ、もしかして
「セドリック様、もしかしてロビン様に言われたからヘアピンを私にくださったのですか?」
「ああ、『ヘアピンを渡して謝罪しろ』…と。」
「では、あのヘアピンはセドリック様が選んだ物ではない…という事なんですね。」
「そうだ。」
逆襲の糸口を掴んだわ。
…ん?
何だかラッドさんの表情が一瞬強張った気が…。
なるほど。まさかこんな身近にスパイがいたんなんてね…。これだと話が筒抜けじゃない。…今は気が付いてない振りをしておくわ。

侯爵令嬢として振る舞って、本当の姿を誰にも見抜かせなかった。演技力対決なら敗ける気はしないわ!

「ここにいても時間の無駄ね。悪いけれど帰らせて頂くわ。馬車を用意してくださるかしら。」

「エリザベス様、今は邸に馬車はございません。ロビン様が乗って出掛けられました。急用が出来たとの事で。」

何を白々しい…。私の行動を先読みしたのね。本当に厄介な人。

「いつ頃帰って来る予定?」

「私共には解りかねます。」

部屋にいる仕様人3人ともわからないなんて、よく教育されてるわね…。嘘のつき方。

「なら、歩いて帰るわ。」

「何を言ってるんだ…。ミリオン侯爵の令嬢が共も連れずに…。最近は貴族の誘拐も多いんだぞ。」

「セドリック様、今の私が貴族に見えますか?」

「……」

セドリック、貴方は正直ね。顔に出過ぎよ。安物の服を着てる私は貴族に見えないってね。


「では、帰りますね。」
「駄目だ…ここにいろ。」
「ここにいる必要性を感じません。」
「…庭を見せてやる。」
「にわ…?」
「毒草ではないが、珍しい植物はある。見て帰っても損はないはずだ。」
…そうよね。
くだらない事でここまで連れてこられたんだし、庭を見るくらいのご褒美は欲しいわ。

私が庭に行こうとすると何故かセドリックもついてくる。
「…セドリック様、庭師とメイドが共にいますので、無理に来て頂く必要はありませんよ。」

「…暇だから一緒に行く。」

来なくていいわよ…。
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