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腹黒ロビン様2

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結局毎日ヘアピンをつけてるのよね。とても便利だし、『セドリックからのプレゼント』でなければ、喜んでつけるんだけどね。

ヘアピンの事だけで悩んでいた私は、ロビン様の腹黒さを甘く見すぎていたわ。

ロビン様は、私を婚約者にする為に動いてるのよ。もうそれはわかっているの。
『セスと仲良しでしょ』アピール…。この1週間、本当に酷かったわ。
『好きな色は何色か』『好きな食べ物は何か』『どんな男が好みか』…そんな質問をするようにセドリックに指示しているんだもの。セドリックは全く興味ないのに!!


そして遂に来たわ。

「明日俺の家でお茶をしないか?」
「申し訳ありません。王宮は1日で往復できませんので、今回は…」
「この街にも所有してる邸はあるから、セスがエリザベスと話がしたいらしいよ。」

嘘ばっかり……。

私が1人でいると、やたらと『セスが君の話をよくする』と皆に聞こえるように言うし、セドリックと一緒にいる時は顔を出さない。2人にされるか、攻撃されるか、今のところ負けっぱなしよ。


次の日
土曜日だから学校はお休み。という事で、朝早くから大きな馬車が私を迎えにきた。お茶ならお昼からでもいいよね。何故こんな早くから…、セドリックだって困るはずよ。

「あ…」
「何だ、その反応は。」
「いえ、王太子様が乗ってるとは思いませんでしたので、少し驚いきました。」
…セドリックと少しでも一緒にいさせようって魂胆ね。

ロビン様…私だって負けませんよ。

この前のパーティーで、私を選ぶのは難しい…そう思ったからこんなに仕掛けてくるようになったはずだわ。
向こうだって焦ってるって事よね。ルーシー様を選ぶように私がセドリックに進めれば、ロビン様と国王には都合が悪いの。他の人より少し勉強ができて、ミリオン侯爵の娘。これだけで婚約者にされるなんて馬鹿げてるわ。

応戦させていただきます。

「やぁ、2人も待ってたよ。」
「……」
挨拶する気は無いわ。礼儀知らずだと思われる方がいいもの。
「こっちにお茶の用意をしてあるから、来てくれるかな。」

「…はい。」
「はぁ…」

ため息をつくって事はセドリックもこの状況を望んでいないって事よね?それはとてもいい事よ。

お茶とお菓子を出されて座るけれど、椅子が2つしかないのは何故なの?

「セドリック様…、今日はロビン様は同席ではないのでしょうか?」

「『リズが俺と話がしたい』と言われて来た。同席するとは聞いていない。」

ちょっと待って…。ですって?
…そういう事ね。
私にだけじゃなくて、セドリックにも色々言ってるのよ。『エリザベスは俺にセスの事を色々聞いてくる…』とか。何故それくらいの事に気がつかなかったのかしら。

でも、今が逆襲の時よ!
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