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パーティー3
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「セドリック王太子様が、私をここに連れて来た理由はご存知でしょうか?」
「っ!?」
セドリック、やっぱり驚いてるわ。王様の前で私が意見をのべると思ってなかってのね。
「友人に『私を選べ』と言われたからです。本人は私とろくに話もしていません。」
「……」
王様も驚くわよね。知らないんだもの。
「私の事を知らないというのに、学力だけで選ばれたくはありません。」
「…セス、それは本当か?」
「その通りです。」
お父様だとしても国王様。セドリックだって嘘はつけないわよね。
「はぁ…。エリザベス嬢、悪かった。今のは忘れてほしい。私は少しセドリックと話がある。先に会場へ帰りなさい。」
「畏まりました。では、失礼致します。」
よかった…。何とか切り抜けたわ。
けれど、肩と手首が限界だわ。早くお父様を探さないと…。それまでに何人かに話しかけられたけど無視よ。今は態度が悪いとか、そんな事よりもね。
・・・・
「どういう事だ。」
「…申し訳ございません。」
俺は深々と頭を下げた。
「謝って済む問題ではない。」
父上は怒っているというよりもガッカリしているように見える。俺の行動にだろう。
「友人に何を言われたかはしらん。問題なのは1番婚約者にしたかった娘を選びづらくしてしまった事だ。」
「エリザベスが…?」
「ミリオン侯爵令嬢、頭脳明晰、見た目も悪くない、今も国王へ意見を述べる精神の強さ。どれをとっても申し分ない。」
確かにそうだ。最終的にリズを選んだら、また同じ事をしたのか…と言われてしまう…。そうなれば侯爵だって黙ってはいないだろう。
「狙っていたんですよ。父上。」
「…ロビン、聞いていたのか。」
「はい、最初から最後まで。」
兄上はとても爽やかな笑顔だ。
「セス、俺は父上と2人きりで話がある。」
またか…。俺は邪魔だという事だ。
「…では、失礼します。」
部屋をでるとそこにはラッドがいた。
「何かございましたか?」
「いや…」
…リズは大丈夫だっただろうか…。高いところから落ちた訳でもないが、何もないという事はないと思う。
「ラッド、リズはどこにいる?」
「エリザベス様…というよりも、ミリオン侯爵一家は帰りましたよ。エリザベス様の具合が悪いようです。」
「…リズの調子がよくなかったのか?」
「ええ、そう聞いております。」
やはり階段から落ちた時に怪我をしていたんだ…。
「追い掛ける事はできません。」
「そんな事は言っていないだろ。」
「そんな顔をしていましたので。」
「……」
初めてあった日から思っていた事がある。
…リズは、あの時の花を売っていた子じゃないだろうか。あの子には首の後ろに小さな赤い痣があった。リズにもあった…。髪を切った時、首筋が見えた。
本人なら裸足で歩いていたし傷があるはずだ。けれど、それを確認する事は出来ない。
婚約者…誰でもいい。
父上には悪いが、今もそうだ。
何でも言われた通りにすれば楽だと思うだけ。
けれど譲れない事は1つある。
あの子にあったなら伝えたいと思った。
俺が持つ事の出来た、最後の自分の意思を。
友人なんていない…俺といれば得だと思ってるだけ。
そういう面ではエリザベスは面白い。嫌われる為に一生懸命だ。
「っ!?」
セドリック、やっぱり驚いてるわ。王様の前で私が意見をのべると思ってなかってのね。
「友人に『私を選べ』と言われたからです。本人は私とろくに話もしていません。」
「……」
王様も驚くわよね。知らないんだもの。
「私の事を知らないというのに、学力だけで選ばれたくはありません。」
「…セス、それは本当か?」
「その通りです。」
お父様だとしても国王様。セドリックだって嘘はつけないわよね。
「はぁ…。エリザベス嬢、悪かった。今のは忘れてほしい。私は少しセドリックと話がある。先に会場へ帰りなさい。」
「畏まりました。では、失礼致します。」
よかった…。何とか切り抜けたわ。
けれど、肩と手首が限界だわ。早くお父様を探さないと…。それまでに何人かに話しかけられたけど無視よ。今は態度が悪いとか、そんな事よりもね。
・・・・
「どういう事だ。」
「…申し訳ございません。」
俺は深々と頭を下げた。
「謝って済む問題ではない。」
父上は怒っているというよりもガッカリしているように見える。俺の行動にだろう。
「友人に何を言われたかはしらん。問題なのは1番婚約者にしたかった娘を選びづらくしてしまった事だ。」
「エリザベスが…?」
「ミリオン侯爵令嬢、頭脳明晰、見た目も悪くない、今も国王へ意見を述べる精神の強さ。どれをとっても申し分ない。」
確かにそうだ。最終的にリズを選んだら、また同じ事をしたのか…と言われてしまう…。そうなれば侯爵だって黙ってはいないだろう。
「狙っていたんですよ。父上。」
「…ロビン、聞いていたのか。」
「はい、最初から最後まで。」
兄上はとても爽やかな笑顔だ。
「セス、俺は父上と2人きりで話がある。」
またか…。俺は邪魔だという事だ。
「…では、失礼します。」
部屋をでるとそこにはラッドがいた。
「何かございましたか?」
「いや…」
…リズは大丈夫だっただろうか…。高いところから落ちた訳でもないが、何もないという事はないと思う。
「ラッド、リズはどこにいる?」
「エリザベス様…というよりも、ミリオン侯爵一家は帰りましたよ。エリザベス様の具合が悪いようです。」
「…リズの調子がよくなかったのか?」
「ええ、そう聞いております。」
やはり階段から落ちた時に怪我をしていたんだ…。
「追い掛ける事はできません。」
「そんな事は言っていないだろ。」
「そんな顔をしていましたので。」
「……」
初めてあった日から思っていた事がある。
…リズは、あの時の花を売っていた子じゃないだろうか。あの子には首の後ろに小さな赤い痣があった。リズにもあった…。髪を切った時、首筋が見えた。
本人なら裸足で歩いていたし傷があるはずだ。けれど、それを確認する事は出来ない。
婚約者…誰でもいい。
父上には悪いが、今もそうだ。
何でも言われた通りにすれば楽だと思うだけ。
けれど譲れない事は1つある。
あの子にあったなら伝えたいと思った。
俺が持つ事の出来た、最後の自分の意思を。
友人なんていない…俺といれば得だと思ってるだけ。
そういう面ではエリザベスは面白い。嫌われる為に一生懸命だ。
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