王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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価値観の違い3

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待ちに待った放課後

「エリザベス毒草地帯!何を植えようかしら。」

あーっ!
いっぱいあって決められないわっ!!
猛毒のオハシキは花にしか毒はない。成長するのに1年だし、ちょうどいいわ、家に帰る時に摘んで帰れる。

人を殺せる以上の毒草は部屋で。5鉢は欲しいわ。

そして新しく気になるもの、毒・毒草オタクの間で今人気の幻のスホーン。水の量、日の当たる時間、温度、虫がつきやすい、病気になりやすい、細いからすぐおれる、諸々。
これを育てられてこそ真の毒草愛の証明よね。
図鑑も届いたし、エリザベス厳選、猛毒毒草シリーズを書けるわ。今日から楽しい日々の始まりよ。


「ふぅ…熱い。」
でもどんなに熱くても、顔と手首から先以外は露出しない。転んだり、刃物で切りつけられたりした時の傷が腕にも背中にも、小さな傷なら他にも沢山ある。
家庭内暴力を受けたんじゃないか、とか言われる可能性は100%よ。そんなの許せないわ。

クスクスとどこからか笑い声がする。たぶん私の格好を見て。
手袋、長袖、長ズボン、長靴、首にタオル。このスタイルの良さがわからないなんてね。


「エリザベス様、よくもスタンに恥をかかせてくれたわね。」

土を掘り返していると、ルーシー様と…その子分達が来た。
あぁ、やっぱり泣きついたのね。あの坊っちゃん。面倒だから謝っておこう。

「申し訳ございません。あのような対応をすべきではなかったと、深く反省しております。」

私はペコっと頭をさける。

「わかればいいの。ごめんなさい、スタンが辛そうだったから…。ふふ、その格好、お似合いですわよ。」

「ありがとうございます。」

スタンがどうとかじゃなく、嫌みを言いに来ただけね、あれは。

……朝の王太子への態度、あれは最悪だった。侯爵の事を言われるとどうしてもね。面倒だから、これも明日謝っておこう。



「ははは、面倒なのにからまれたのぅ。」
「…貴方は」
私達の事を一部始終見ていたようで、少し笑って話しかけてきたのは白髭のおじさん。この学校の庭師のリーダーっぽい人。

「ちょっと、喧嘩をしてしまいまして。」
当たり障りの無い事を言っておこう。

「そんな事もあるじゃろな。それに、王太子相手に喧嘩したとも聞いたぞ。」
「…何故それを。」
「学校中で有名じゃぞ。」
…目立ちすぎたわ!そりゃそうなるよね。もう、今から謝りにいっても意味がなくなってしまったわ。

「そうだ、おじ様。今日から温室の片隅を使わせて頂く事になりました。よろしくお願いします。」
「オジサマ!初めて言われたわい。」
目を真ん丸にして驚いている。
「ふふ、名を聞くべきだったわ。私はエリザベス、貴方は?」
「ロッドじゃよ。」
「ロッド様、これからよろしくお願いします。」
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