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質問
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「おはようございます。セドリック王太子殿下」
『セスと呼べ』…これも私と仲良くなったように見せるための1つだったのよ。2度と呼ばないわ。
「…リズ、その髪…」
「私がどのような格好をしようと、殿下に関係ないと思いますが。」
今の私はショートボブ。20cmくらい切ったと思う。
「……」
私が貴方達の『おままごと』にどれだけ憤慨しているのか、この髪の毛の短さで少しでも伝わるかしら。
「……リズ、お前は侯爵家の娘か?」
「え?」
どういう質問…?
「それ以外、誰の子だと仰るのかしら。」
「いや、失礼な質問をした。」
……失礼とかはいいの、何故そう思ったの?
「…私と似た人を知っているのですか?」
「いや、別人だ。」
誰と間違えたの…?ミリオン侯爵の娘として来てるのよ、普通ありえない質問だよね。
私が『お花を売った男の子』だと思ったように、彼にも『お花を買った女の子』と気がつくところがあったの?
ううん、そんなわけないよね。私には特徴がないもの。髪も目もブラウン、そんな女はどこにでもいるもの。
「わたくし、用を思い出しましたので失礼します!」
どうしよう…。まだ半月もたたないのに疑いがかけられてしまったわ!
温室へ行こう、困った時は花と草でこころを落ち着かせるのよ!
「はぁ…」
落ち着く。
ここに毒草があれば最高よ。この温度を維持できれば、猛毒のオハシキが栽培出来るわ。ワタカシも、滅多に育てられないものが出来るわ。
「エリザベス様、こんな所で何をしているんですか?」
「……」
ニコっと悪意のない笑みを浮かべた男の人に話しかけられた。この人…多分王太子のお友達ね。
「温室でその質問は、たちの悪い冗談かしら。」
「…いや、ごめん。少し話がしたくて。」
「ルーシー様の?リリー様の?」
「……」
やっぱりね。
「3人のなかで婚約者を選んで下さると、殿下は約束してくださったわ。結局私を選ぶようにと、不当なお話合いを王太子様がされてるようですけど。恐ろしいですわ。」
「……」
私はおままごとに付き合えないのよ。本気なのよ私は。意気込みが違うの。
「時間が勿体無いので失礼致しますわ。そうそう、公爵令嬢様によろしくおねがいしますね。婚約者の事。」
疲れる…
色々嫌味な事を言うけど、言った後は自分もいい気分はしないのよね。
『セスと呼べ』…これも私と仲良くなったように見せるための1つだったのよ。2度と呼ばないわ。
「…リズ、その髪…」
「私がどのような格好をしようと、殿下に関係ないと思いますが。」
今の私はショートボブ。20cmくらい切ったと思う。
「……」
私が貴方達の『おままごと』にどれだけ憤慨しているのか、この髪の毛の短さで少しでも伝わるかしら。
「……リズ、お前は侯爵家の娘か?」
「え?」
どういう質問…?
「それ以外、誰の子だと仰るのかしら。」
「いや、失礼な質問をした。」
……失礼とかはいいの、何故そう思ったの?
「…私と似た人を知っているのですか?」
「いや、別人だ。」
誰と間違えたの…?ミリオン侯爵の娘として来てるのよ、普通ありえない質問だよね。
私が『お花を売った男の子』だと思ったように、彼にも『お花を買った女の子』と気がつくところがあったの?
ううん、そんなわけないよね。私には特徴がないもの。髪も目もブラウン、そんな女はどこにでもいるもの。
「わたくし、用を思い出しましたので失礼します!」
どうしよう…。まだ半月もたたないのに疑いがかけられてしまったわ!
温室へ行こう、困った時は花と草でこころを落ち着かせるのよ!
「はぁ…」
落ち着く。
ここに毒草があれば最高よ。この温度を維持できれば、猛毒のオハシキが栽培出来るわ。ワタカシも、滅多に育てられないものが出来るわ。
「エリザベス様、こんな所で何をしているんですか?」
「……」
ニコっと悪意のない笑みを浮かべた男の人に話しかけられた。この人…多分王太子のお友達ね。
「温室でその質問は、たちの悪い冗談かしら。」
「…いや、ごめん。少し話がしたくて。」
「ルーシー様の?リリー様の?」
「……」
やっぱりね。
「3人のなかで婚約者を選んで下さると、殿下は約束してくださったわ。結局私を選ぶようにと、不当なお話合いを王太子様がされてるようですけど。恐ろしいですわ。」
「……」
私はおままごとに付き合えないのよ。本気なのよ私は。意気込みが違うの。
「時間が勿体無いので失礼致しますわ。そうそう、公爵令嬢様によろしくおねがいしますね。婚約者の事。」
疲れる…
色々嫌味な事を言うけど、言った後は自分もいい気分はしないのよね。
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